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■「私のお店」オーナーインタビュー


竹内 和歌子さん(「地球の幸せを夢みるバク」店主)

竹内 和歌子さん(『地球の幸せを夢みるバク』店主)
映像の専門学校を卒業後、映像制作会社を経て、フリーランスに。映像制作に10年ほど携わったのち、2006年に飲食業に転職。実家の鉄板焼き店の2号店からスタートし、2012年に『地球の幸せを夢見るバク』としてリニューアルオープンする。

地球の幸せを夢みるバク
京都市中京区油小路通り四条上る藤本町559 TEL:075-221-0282
営業時間:18:00~23:00(入店は22:00まで) 定休日:日・月(祝前日は営業)
FB:https://www.facebook.com/bakuhayumenirusiawasewo
お仕事の内容を教えてください。
京都でジビエの創作料理とワインのお店を営んでいます。ジビエとは、狩猟等で得た野生鳥獣の食肉のことです。お店では、鹿や猪、鴨、ワニ、カンガルーなど多種類を扱っています。
以前は映像の仕事をされていたそうですね。
イベントや企業PR、CMなど映像制作の仕事をしていました。2年ほど会社で経験を積んだ後、23歳でフリーランスに。30歳を目前に控えて、制作進行管理からディレクターへポジションを変えてから、自分自身の仕事ぶりなどを冷静に振り返るきっかけとなり、「これからどうしていきたいのか?」を考えるようになりました。

ディレクターとして活躍する人たちはセンスや才能があって、この仕事を楽しんでいるように見えました。でも、私はセンスも才能もないから、何倍も努力して頑張らないといけない。すでに努力を続けていて、身体を壊しているのに、現状でもまだ足りない。そのプレッシャーから、あんなに好きだった映画やテレビを見ている時でさえ、「私にはここまでの仕事はできない」と辛くなっていたんです。

そんな時、知人から飲食店を始められる物件の話が舞い込んできました。これはいいタイミングかもしれないから、これを機に映像を仕事ではなく、趣味として楽しめるものに戻すことにしたんです。
どうして、飲食業だったのですか?
実家が鉄板焼きのお店をしているので、子どもの頃から手伝っていましたし、学生時代もアルバイトは飲食店ですることが多かったので、映像制作以外の仕事をするなら飲食業でと考えていたからです。でも、どんな料理ジャンルで、どんなお店をするかは考えていなかったので、ひとまず実家の鉄板焼き店の2号店をやって、お金を貯めた後に考えることにしました。

オープンから5年ほどは飲食店立ち上げのための借金もあり、アルバイトスタッフも雇用していたので、毎日が必死でした。借金を返済して心に余裕ができてようやく、今後のことを考えられるようになったんです。その頃には、周辺で店舗が増え、客数が減少傾向に。アルバイトスタッフも当初の9名から2名に減っていたので、もし全員辞めたら、お店のジャンルをガラっと変えて、一人でやってみるのもいいなあと思っていました。そのタイミングが来たので、リニューアルオープンしたんです。
当初は肉とチーズとワインを提供するカジュアルなお店をされていたそうですが、どうしてジビエ専門に?
肉をウリにするので、鹿や猪の肉を取り扱うようになったら、ジビエの世界にはまってしまいました。ジビエを食べれば食べるほど、「牛・豚・鶏肉って何だろう?」と思えてきちゃったんです。鹿や猪の肉のおいしさに気づくと、もう牛・豚・鶏肉が食べられないと思うほど!野生で生きてきたエネルギーが、私たちにもエネルギーを与えてくれるような気がします。

こんなにもおいしいのに、メニューに牛肉があると、鹿肉をすすめても「今日はいいわ」と断られます。「今度は鹿肉を食べに行こう!」とはなりませんから、また来店されても牛肉。牛・豚・鶏肉はたいていのお店で食べられるので、ここではここでしか食べられないものを食べに来てもらおうと、リニューアルオープンから1年後にジビエだけに絞ったんです。
これまでにどんな「壁」または「悩み」を経験されましたか?
ジビエ専門にしてから1年はお客さんが少なくて苦しみました。誰も来ないなんて日も。でも私は、自分が「おいしい!」と自信を持って提供しているので、地道にやっていれば、わかる人には伝わるはず。そう信じて耐えました。暇であることは新しいことを思いつくチャンスと捉え、新しい食材を探したり、新しいメニューを考えたり。

その後、運よく、雑誌で紹介されたり、関東で起きたジビエブームによってジビエの認知度が上がったりして、少しずつお客さんが増えていきました。今では、京都をはじめ、大阪・神戸・奈良・和歌山といった関西はもちろん、名古屋や東京、九州など各地から「ここまでジビエの種類が豊富なお店は珍しい!」とわざわざ訪れてくれます。
その「壁」または「悩み」からどんなことを学ばれましたか?
一時的なブームに乗って、鹿や猪の肉を扱うようになったお店もありますが、お客さんの多くは牛・豚・鶏肉を注文されるのではないでしょうか。するとジビエを扱うようになっても、売り上げを見込めないため、経営的にメニューからなくさざるを得なくなると思うんです。

私も、お客さんが来ないからといって、「やっぱり牛・豚・鶏肉を」と置いていたら、きっと今のようにはなっていません。信じて、耐えて、地道によさを説明してきたからこそ、今でこそ、ジビエ専門であることが強みになり、「ジビエを食べるなら、このお店で」と思ってもらえるようになったんだと思います。
耐えられたのはなぜですか?
他店との違いを出すために、変わった肉を提供したいわけでも、お客さんに変わった肉を食べてほしいわけでもないからです。ジビエは私にとって、食べておいしいと感動してもらうためのツール。食べておいしいと言ってもらえるもの、感動してもらえるものをと突き詰めていったら、たまたまジビエにたどり着いただけなんです。

私のつくる料理が、誰かにとって毎日のなかの小さな幸せになればいいなと思いながらお店をしているので、「おいしかったわ」「元気が出たわ」と言ってもらえることが何よりの喜びです。 地球のどの国の人も食べている時は幸せな気持ちになるはずだから、イヤなことはバクに食べてもらって、おいしいものを食べて幸せになろう。店名の『地球の幸せを夢みるバク』には、そんな想いを込めています。
近い将来、実現したいことは何ですか?
ジビエは知れば知るほど奥が深くて尽きない!ジビエを通して、ワインにもはまりました。ジビエと一緒に味わうと、味が変わって「こんなにおいしくなるんだ」とおもしろい。今はソムリエの資格を取ろうと、スクールに通っています。もう仕事の域を超えて、ライフワークとして「ジビエ研究家」「ジビエ料理冒険家」と名乗るほどになっちゃいました。ジビエのおいしさをもっと広げていきたいです。
ありがとうございました。
(取材:2016年5月) 
「夢や目標、想い(=原点)」と、それを実現するための「手段」。「手段」に注力するうち、いつのまにか「手段」が「夢や目標、想い」となってしまい、もともとの原点を忘れてしまうことがあります。竹内さんは、ジビエを知ってもらうこと、食べてもらうことが「夢や目標、想い」ではなくて、「おいしい食事を提供することによって、誰かの小さな幸せにつながればいいな」という想いがあって、ジビエはあくまでそのための「手段」。でも、その時点では「最良の手段」であると意識されていたからこそ、壁を乗り越えることができ、今につながっているのだと思いました。時折り、自分がやっていることの原点について見直したいです。
取材:小森利絵
ライター/HP:『えんを描く』
編集プロダクションや広告代理店などで、編集・ライティングの経験を積む。現在はフリーライターとして、人物インタビューをメインに活動。読者のココロに届く原稿作成、取材相手にとってもご自身を見つめ直す機会になるようなインタビューを心がけている。


 

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