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■関西ウーマンインタビュー(お店オーナー)


吉田 節子さん(メルシー薬局/ビタミンアロマ)

吉田 節子さん(メルシー薬局/ビタミンアロマ代表)
薬剤師・日本アロマ環境協会認定アロマセラピスト・日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター・日本メディカルハーブ協会認定ハーバルプラクティショナー
幼少の頃より薬用植物に関心をもち、ハーブの心と身体両面への作用を模索し一般の方々に伝える活動を行っている。関西最大の癒しイベントである「癒しスタジアム」の主宰者でもあり、植物の癒しの力を利用した植物療法などに精通している。著書:「アロマセラピー検定試験に1回で合格する問題集」 「アロマインストラクター・セラピスト試験に1回で合格する問題集」 「スピリチュアルアロマテラピー入門」

メルシー薬局 大阪府豊中市庄内西町3丁目1-3 TEL:06-6332-7007
ビタミンアロマ http://www.balance.join-us.jp/vitaminnaromaindex.htm
癒しスタジアム http://www.balance.join-us.jp/iyasisutajiamuoosaka.html
薬剤師になるきっかけは?
私の場合、薬局で働く薬剤師になりたいというより、薬用植物学を学びたくて薬学部に入りました。小さい頃、公園で葉っぱや実を拾ってきて、それをすりつぶして、一人でお薬屋さんごっこが大好きだったんです。

小学生からずっと理科が大好きでしたし、当時はまだ「アロマ」という言葉もあまり無かったこともあって、これをどこで習うんだろうと、悶々としながら考えていました。大学を選ぶ時、農学部で植物を学ぶか、薬学部だと漢方もあるし、ハーブも触れるのかなといろいろ迷ったのですが、人の健康に役立つものをやりたいと思い、神戸薬科大学に入りました。
こちらは調剤薬局ですが、アロマをたくさん扱っておられますね。
大学時代、雑貨と一緒にアロマを扱っているお店を見つけて、そこで始めてアロマに出会いました。こういう植物の世界もあるんだ、香りというのはすごいなと思ったんです。ある時、そのお店で日本アロマ環境協会のスクールを始められて、アロマテラピーインストラクターという資格を取りました。

当時はまだ学生でしたが、もっとおもしろく教える本があればいいのにと思って、仲間と『アロマセラピー検定試験に1回で合格する問題集』という本を書いたんです。スクールの先生から、これは売れるから発刊したほうが良いと言われ、出版社を探して出版することができました。今でも売れていますが、アロマの問題集のハシリだったと思います。
卒業されて就職したのは普通の薬局だったんですね
老舗の薬局が運営するドラッグストアに入りました。ここは自社で漢方も作っていたので勉強になるかなと思い、管理薬剤師として、後に店長として5年間勤務しました。結婚・出産を機に、自分が本来やりたかったことを仕事にしたいと思い、退職しました。

娘を出産後、少しマタニティーうつのような状態になり、その時も植物には助けられたこともあって、精神的な「癒し」に興味を持つようになったんです。癒しが必要な人に、もっと植物の良さを伝えていきたいと、今度は『スピリチュアルアロマテラピー入門』という本を書いたんです。それを機に、夫婦で癒しのイベント「癒しスタジアム」を始めました。
「癒しスタジアム」は10年目を迎えられました。
最初の頃は出展者の方が集まらなくて苦労しました。とにかく1店舗ずつ周って集めましたが、当時たくさんの「癒し」イベントがありましたから、イベントはもう懲り懲りだと言われる方や、今回のイベントを最後にするつもりで出展して頂いたお店もありました。

今年(2015年)10年目ですが、今では150ブース以上、1200名以上のお客様にご来場いただいています。普及させるのに、ネットはほとんど使わず、全て口コミ。私たちの想いや主旨をきちんと出店者の方たちに伝えていけば、人が人を呼んでくれるので、間違いは無いと考えてきました。
この薬局を開こうと思ったのは?
普通のアロマショップだったら誰でもできますが、私にしかできない形というと、せっかく薬剤師の免許を持っているので、薬局の中にアロマがあるとおもしろいと考えたんです。アロマは雑貨屋さんで扱っていることが多いですが、外国で精油は薬局で販売されているんです。日本でもそうなったらいいなと思い、この薬局を開きました。

調剤薬局なので、お薬を貰いに来られる高齢者の方も多いですが、不安感があるとき、ラベンダーだと高齢者にはやっぱり違和感があるんです。だけどヒノキの香りは好きと言う方も多い。外国の香りがおじいちゃんやおばあちゃんに合うかというと、私は合わないと思います。

やっぱり日本人には日本の香りが合っていると思うので、今私が進めているのは、日本産に特化したアロマの開発です。

海外の精油は今、どこで採れたかというトレーサビリティも疑問視されていて、全くのピュアだといってもその確証が取れないもの少なくありません。また、国内の同じ種類の木でも、山陰地方と山陽地方では全然違います。私が現地に行って匂いを嗅いで、どのように作られているか生産者さんに見せてもらって、これなら安心できるという、こだわりの基準に適合したものだけを製品化しています。

植物の匂いを嗅いで、それを人の役立つような製品にする。これはきっと、自分が幼い頃に公園でやっていたこと、やりたかったこと、そのまんまなんだと思います。それと同じことを今、フィールドを広げてやっているんでしょうね。
吉田さんの考える「癒し」とは何ですか?
癒しにはさまざまな形があると思いますが、その人その人によって癒しって違うと思うんです。要は「自分が心地良いと思う状態をどう出すか」が癒しだと思います。

癒しといっても、疲れを取るだけが癒しじゃないんですね。「リラックス」することが気持ち良い方もいれば、「リフレッシュ」することが気持ち良い方もいます。リラックスというと、ダラーンとしている状態ですけど、リフレッシュというとスイッチオンですから、リフレッシュとリラックスは逆。自分が今、一番望んでいる状態にすんなり持っていくというのが癒しだと考えています。

また、リフレッシュも人によって違いますし、同じ人でも時間や状態によって違う。自分がこれをしたら心地良い、でもしんどい時はこれ、という取捨選択を、皆が自分でできるような世の中になって欲しいと思っているんです。人間の本能や感情などに直接繋がっているのは、脳の一番古い部分にある嗅神経しかないことから、本当に改善できる大きなスイッチは、私は香りだと思います。
今後の夢は何ですか?
アロマというと女性のためというイメージがありますが、男性のビジネスマン向けの講座やセミナーをさせてもらうことも多いので、これまでアロマを知らなかった人に目覚めてもらって、癒される顔を見たいですね。

日本では古来、香りって纏(まと)うものだったんですね。源氏物語のように、スッと歩いたらその残り香で、あの人だということが分かるという。例えばサラリーマンの人が朝、杉の香りをシュッとつけてリフレッシュして一日をスタートする。そんな日本の香りの文化を現代版に復興させてみたいです。
アロマを仕事にしたい女性も多いと思いますが、目指している方にメッセージされるとしたら
最初アロマスクールの先生には、「アロマでお金の基を取るのは難しいことだ」と言われました。でも、私はアロマを仕事にできたので、そんなことは無いと公言できます。なぜなら、自分らしいアロマというものに真剣に、執着もってやれば必ず形になると思っているからです。

自分らしいアロマとは、私は「アロマX薬局」でしたが、「アロマX音楽」という人もいるかもしれないし、「アロマX芸術」の人もいるかもしれない。「アロマX私」といえば何なのか、というところに執着し続ければ、きっと自分にしかできない花が咲くと思います。
ありがとうございました。
(取材:2015年5月 関西ウーマン編集部)

 

 


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