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■「私のお店」オーナーインタビュー


橘 弥恵子さん(レンタルスペース「まんまるみかん」)

レンタルスペース「まんまるみかん」
〒663-8166 兵庫県西宮市甲子園高潮町2-25
TEL:0798-78-3634
営業時間:10:00~21:00 水曜定休日・日曜不定休
http://www.mikanroom.com/  
「レンタルスペース屋さん」ということですが、どのようなお仕事ですか?
自宅の1階スペースを利用して、いろんなお教室や交流会をしたい方にお部屋を時間貸ししています。もともと祖父母が暮らしていた家ですが、空き家になってもったいないので、何かに使えないかなと。昔から地域の人が集まる賑やかな家でしたし、地域の人が関わり合えるあたたかい場所作りをしたいという思いもありました。

開業したのは2011年、転機はやはり東日本大震災です。私自身も阪神大震災を経験していて、助け合い生きているこの街をもっと知りたい、もっと人が密に繋がればいいという想いがだんだんと強くなって、思い切って母と起業することにしました。
弥恵子さんは、それまでどんなお仕事をされていたんですか
幼児教育専門の大学を卒業して、保育園で保育士をしたり、幼稚園で幼稚園教諭をしていました。なので、「託児所をしたら?ここは駅にも近いし、ニーズもあるよ」とよく言われましたが、さすがに家庭保育所となるといろいろ難しいですし、やはり地域の人たちのコミュニティにしたいので、三世代、四世代が皆ごちゃ混ぜというのが理想なんです。
「時間貸し」だけでなく、いろんなイベントをされたりしていますね。
お部屋を借りてお教室をされる方は8割が主婦の方で、起業して始めの1歩の方がほとんどです。その方たちが自分の力で集客できるよう、講師同士を繋げる交流会をしたり、地域の人たちに来てもらって、身近に繋がっていける関係を作るために、いろんなイベントをしています。

2011年に開業してすぐ、ハロウィーンのイベントをやろうと、皆で一緒に企画会議からやりました。ママと赤ちゃんを対象にしたものからシニア向けまで、カフェがあってワークショップがあって、思いつく限り何でもアリで、「近所のママが何かやってる」といったゆるい感じです。

ハロウィーンは毎年恒例でやっていますし、マタニティと新米ママのカフェや、フリマもやりましたね。あとサマプロといって、夏休みに小学生の子どもたちを1日預かるという目玉イベントもあります。イベントは儲けにはなりませんけど、次に繋げるために知ってもらおうと、皆さん協力してくれています。
運営を始めてから、どんな悩みや気づきがありましたか?
最初は借りていただく方との距離感に戸惑いました。だんだん友達のようになってくるので、私もマネージャーという域を超えてしまって。あまりに踏み込みすぎて私の仕事じゃないこともしてしまうこともありました。やっぱりある程度の線は必要なので、どこで線を引くかというのは私から合わせるようになりました。
気軽に借りれるというのは裏目に出ることもあるのでは?
何もできなくても大丈夫よという気軽さが、ママにとって救いであるはずが、依存になることもありますね。うちでは借りていただく際に、見学していただくのですが、説明書を細かく説明していきます。規約や予約のしかたなど、読んでいただいたらサインを貰ってお渡しするんですけど、全く読まなかったり失くしてしまう方いて、最初は愕然としてしまうことも少なくありませんでした。

「忘れたー」「いいよいいよー」というのは、友達同士だから成り立つことで、仕事でも同じでは困ることがありますね。「まんまるみかん」の先生がこんなんだったとクレームが来ると、他の先生やお客様にも迷惑がかかります。何が大事かというと、やっぱり仕事で借りていただくので、主体性を持って欲しいと思いますね。
成長されていく方にはどんな特徴がありますか?
おしゃべり上手ですね。ちょっとしたことでも私に相談してくださったり、生徒さんにも「ごめんなさい」が言える人。こんなことあったよとブログもマメにされていたり、生徒さんとの距離が近い人。あとはやっぱり信頼関係ですね。連絡がきちんとできる人。当たり前のことですが、返事がちゃんと返ってくるとか。形式ばった文章じゃなくても、「お忙しいところ、ごめんなさいね」とか、「お手すきの時にお返事ください」とひとことある方ってすごく気持ちが良いですね。
メールには人柄が現れますね。携帯メールのノリでいきなり用件だけ送ってきたり、最近はLINEとかFacebookのメッセージで、休みも夜間も関係なく仕事の内容を伝えてくる方が増えています。
私も普通の会社勤めの経験が全く無かったので、本当に常識を知らなくて、起業したての頃はすごく無礼なことをしていたんです。でも当時はそれが無礼だったことも知らなくて。ある時ガツンと怒られたことがあって、「はっ、私すごく失礼なことをしていたんだ」とそこで始めて知ったんです。
どんなことで怒られたのですか?
ホームページの制作会社さんに、デザインが出来上がった後に、「やっぱり変えていいですか?」って何度も言ってしまったんです。

向こうにすると、いろんな会社の仕事を抱えているうちのひとつであって、期限もあって、もう完成したのに、これまたひっくり返してきたという感じで、「もう正直ねえ・・・」と声のトーンが変わって怒られました。

いままでなあなあで来てしまったことに、自分で初めて気がついたんです。それで猛反省しました。もう本当に恥ずかしかったです。電話応対も「もしもーし」という感じで、普通にできませんでしたし、メールの書き方も知らなかったんです。

知らないことをどう聞いていいかもわからなくて、起業した1~2年目って、本当に皆さんに失礼なことをしていたんだなと。それから、相手の方が送ってこられるメールを見て、すごく心地いいなとか、丁寧だなと思ったものは、「こうすると相手が返事しやすいんだな」と全部真似して覚えました。
幼稚園や保育園の先生をされていた弥恵子さんから見て、今のママの起業ブームはどう見ていますか?
なぜか今、0,1,2,3歳の子どもの子育てで大変な時期なのに、子育てにいっぱいいっぱいになりすぎて、自分というものを見失っているお母さんに、「あなたも仕事をしたらいいのよ」という風潮がありますね。「子育てしながらも、○○ちゃんのママじゃなくて、一人の女性として動けるよ」という言葉に夢を抱いていてしまうのも分かるのですが、それでうまくできる人もいますけど、やっぱり両立は難しいんです。

キャリアウーマンとして30歳半ばまでバリバリやってきて、出産後やっぱりもどかしさを感じて仕事を始められる方は両立できるかもしれないです。仕事脳できているので。だけどずっと子育てだけだったお母さんが「私もできるかも」と走ってしまうのはちょっと危険だと思います。
ビジネスより先に日常生活をクリアしないといけないですから、まず子育てに集中するほうが良い場合もありますね。
そうですね。それなら自分の子どもを連れて、サークルから始められると良いと思うんです。仲間を作って、お金取らずに2~3年やって、自分の経験積んで。じゃあそろそろお教室としてやりますとなったら、そこからホームページを作って料金設定を考える。

それが、何も経験しないところから先に値段を決めて、例えば2000円だと安すぎるわよと先輩に言われて2500円にしたりしても、結局人を集められないんです。なので、無理に「起業ママ」についていこうとしないで、自分ができるところで、自分のペースで始めて欲しいと思います。

私は独身で子育てをしていないので、ママの気持ちは想像するしかないけれど、「もう自分がわからなくなった」とか「子どもをどう見たらいいかわからない」というママたちに、「大丈夫。地域でこれだけ仲間がいるし、助けてくれる人もいる。助けてもらったら、今度は自分が助けたらいいやん」という、そんなコミュニティを作りたいんです。
それが「ゆるーい」というキーワードになるんですね。
「こうしないとダメ」とか、「ここはこういう場所だ」というのを作らない、「ゆるーい」という言葉に私の想いが一番入っているんです。3年間やってきて、そういう方が集まってくれているので、今すごく良い雰囲気を作ってくれていますね。

それがすごく現れたなと思うのが、今年の8月に行った3周年イベントでした。 思いついたのが1ヶ月前で、私が企画しようにも何もできなくて、どうしようかなと思ったとき、「何かやりたい人いませんか」と聞くと、いろんな方が手をあげてくれたんです。それはお教室に参加されていた普通の主婦の方々でした。

最近シロップ作りにハマってるので、スイカシロップ作るわとか、最近趣味でオカリナを始めたので吹いていいですかとか。「私、何かやりたいねん」という人が、自分で名乗り上げてくれるというコミュニティが一番自立的だなと思いました。

自分たちで企画して、ちらしも皆で配ってお客さんを集める。準備も片付けも皆でやる。当日は各自で自分の好きなことをやりたいことをやって、そのお客さんたちが来る。カフェやチケット売り場に人が足りないと、お客さんが手伝ってくれている。これが私のやりたかった図だなと改めて思いました。
弥恵子さんのように、コミュニティを作りたいと考える方にひとこと。
やっぱり皆さん復職でつまずいているのは、子どもをどうするかということですから、家事や育児をしながら仕事ができるというスタンスとしては、こういう人と人が繋がるコミュニティ作りが、事業として成功できる女性の働き方の一つになると思うんです。

スペースの時間貸しは、どれだけ入っても限りがあるので儲けられるとは思っていませんが、空き家の有効利用とか、何かやりたいと思っている人をうまく繋げるコーディネーターも仕事になるかもしれませんし、女性にはそういう仲介役は向いてると思います。人の繋がりが地域を救うというか、孤独な人を救うためには、地道に繋がるしかないと思います。
ありがとうございました。
(取材:2014年10月 関西ウーマン編集部) 
 

 

 

 


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