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■関西ウーマンインタビュー(お店オーナー)


岡田 真結子さん(flower&Bar Relie)

岡田 真結子さん (フラワーデザイナー/バーテンダー)
flower & bar Relier ルリエ
〒550-0001大阪市西区土佐堀1丁目6-10 土佐堀トキワビル101
定休日:土・日・祝日(土曜日はレッスンのみ)
TEL:06-6131-4623 HP:http://relier-fleurs.com/  
BLOG:http://ameblo.jp/fleur-relier FB:fleurRelier
もともとウェディングプランナーをされていたそうですね。
大阪教育大学で音楽を専攻して声楽を学び、結婚式なら音楽の仕事に繋がるかなと思い、ホテルやレストランでウェディングプランナーとして勤務しました。プランナーの仕事がおもしろくて音楽から離れてしまいましたが、その後、会場を装飾する花の仕事に興味を持つようになり、結婚式のフローリストで働くようになりました。
そこからお花の仕事に入ることになったんですね。
結婚式のフローリストは、お花を仕入れてひたすら作るという、ほとんど裏方の作業なので、お客様に何かしてあげたいと思っても、プランナーの時のようなお客様とのコミュニケーションはほとんど無く、物足りなさを感じるようになりました。

そんな時、知人がお花屋さんをオープンしたので、手伝うようになって初めて店売りを経験しました。買いに来られたお客様のお話を伺って、自分なりに色や花材を合わせてご提案すると、とても喜んで下さることが嬉しくて、やっぱりお客様とコミュニケーションできる仕事がしたいと思うようになったんです。
自分のお店を持とうと考えたのはいつですか?
アルバイトで働いていた花屋さんが休業することになったのですが、続けて欲しいとお願いすると、「それなら自分でやってみたら?あなたなら出来るよ」と言われて、「ああ、そういう方向もあるんだ」と思いました。どこの花屋さんに行っても、「こんなんしましょうよ、あんなんしましょうよ」とばかり言ってましたから、自分が表現したいもの、やりたいことが強くあったと思います。

働いている立場だと、自分の思いだけでは叶えられないものがありますし、自分が感じたことを伝えたり、思い浮かべた世界を表現するには、お客様と直に向き合える環境が一番必要。やりたいことを叶える一つの方法として、自分で起業するということを意識するようになりました。
その後、フランスでお花の勉強に行かれました。
お店をする前、フランスに2週間行って、パリの英国大使館専属フローリスト、エステル・プレストン女史にブーケやコンポジション、ディスプレイ等の技術を学びました。その時に教えてもらったアレンジのデザインのひとつがすごく好きになったんです。

私は田舎で育ったので、その匂いがするんですね。使っている花も派手じゃなくて控えめなものだったり、枝があったり。子どもの頃、自然の中で見たような懐かしい景色がそこにある感じでした。

それまで日本で見てきたものは、色の強い花やかっこいい花が多くて、たぶん見飽きていたのもあったと思います。そういうお花を置く花屋さんはたくさんあるので同じことをしなくてもいいかなと。自然な感じが好きな人もきっといると思って、自分がお店をするときのコンセプトにしようと思いました。
帰国後すぐにお店をオープンされたのですか?
帰国後、実は働くことになっていた仕事があったんです。ウェディング関係の仕事だったのですが、戻ってくると先方の事情で遅れていて、 1ヶ月何もせず待っていました。結局これ以上引き止められないということになって、どうしようかなと。他の仕事を探そうと思ったんですが、とりあえず就職しても、きっとまた辞めるだろうし、いつかお店をしたいと考えていたんだから、「いつか」じゃなくて「今」でいいかと思い、お店の物件を探すことにしたんです。

はじめに不動産屋さんに問い合わせて紹介されたのがこのお店で、ここは以前も花屋さんだったことを知っていたので、「やめておきます」と断っていたんです。そこからいろいろ探したんですが、どこも空きなくて。そこでふと、ここを思いだして、もう決まっているかもしれないと思っていたら空いていて。それですぐに契約することにしました。やっぱりタイミングってあるんだなと思いました。仕事をしようと思っていたら無くなり、一番最初に進められた物件に結局今入っていますから。不思議だなと思います。
最初からバーも一緒にしようと思われていたのですか?
最初からお花屋さんとバーを一緒にやりたいと考えていました。お花屋さんにはバーのスタンディングカウンターみたいな大きな作業台がありますが、お花がいっぱいあって良い匂いがするし、ここでお酒が飲めたらいいのにな、とずっと思っていました。

「こんな店がしたい」と言うと、カウンターの中に植物入れて座ったら見えるのってどう?と言われたこともありましたが、そういう造りこんだものって何か違う。お花屋さんに1歩入ると、花や葉のいろんな香りがするので、その中でお酒が飲みたいなと思っていたんです。

コーヒーだと香りが強いので負けてしまいますし、お酒は花の香りに例えることもありますから、花と馴染むものと馴染まないものがあるようですね。

子供の頃、よく家族でお弁当を持って自然の中に出かけた思い出があるんです。木漏れ日の下や、川のせせらぎが聞こえる場所、お花の香りに包まれた場所で食事をした経験がとても楽しくて、清々しい記憶として残っています。お花や葉の香りを感じながら、食べたり飲んだりお喋りしたりするのを楽しめて、心が解き解される場所を作りくて、花屋+バーという形態のお店になりました。
これまでどんな悩みを経験されましたか?
全て一人でしなくてはいけないので、どうしていいか迷うこともたくさんあって、話ができる相手がいないのは結構辛いなと思うことはあります。周りから、こうしたら?ああしたら?という意見に左右されることも多く、自分がしたかったことから外れてしまいそうになることもありました。

私が作る花は野に咲く花を摘んできたようなイメージですが、それとは違うことをやってみても、やっぱり違う。迷っていろいろ試行錯誤してみたものの、お客様の反応が良いのは、やっぱり自分が好きなものを作ることだったんです。

お店を始めるにあたって考えたコンセプトや、フランスに行って習ったお花の技術など、その時の資料や写真を見て、初心を思い返すようにしました。

結局自分が楽しいことが一番、お客様が喜んでくださる。人の意見に左右されず、自信を持っておすすめできること、伝えたいことを見失わなければ、共感してくださる人達が集まり、居心地の良い場所ができると思いました。
お店を通して何を伝えていきたいですか?
私にとって植物はいつも身近にあったので、生活の中に植物があるとすごく居心地がいいんです。お花って見ているとすごく楽しいし、人と同じで二つと同じ花は無く、それぞれの個性があっておもしろい。

季節毎に変わる風が運んでくる植物の匂いや、日々成長し変化する植物の不思議さや美しさ。赤く色付いた実やどんぐりを見つけた時のわくわくする気持ちなど、植物の素晴らしさを伝えていきたいと思います。

お花があると満たされますし、お酒は気持ちをリラックスしてくれます。がんばって働いた後、気持ちをラクにして一日を終えてもらいたい。バーでは、普段あまり感じることのないお花の香りがぼんやりと記憶に残り、眠る時に「今日も良い1日だった」と思えるような、リセットできる場所でありたいと思っています。
ありがとうございました。
(取材:2015年3月 関西ウーマン編集部) 
 

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