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■関西ウーマンインタビュー(お店オーナー)


八津谷 郁子さん(江坂の洋書屋)

江坂の洋書屋
江坂駅前の江坂公園の角に面する小さい洋書のお店。
大阪府吹田市垂水町3-35-24 タケダビルT1 2F 204-205
TEL:06-6389-2006 土日 11:00-19:00
http://www.yoshoya.jp/

 
IT関連の外資系で働いておられたそうですね。
お店をする前は、コンピューターメーカーでシステムエンジニアをした後、システム会社のコンサルタントや製薬会社のウェブサポートなど、ずっとIT関連で働いていました。女性の待遇がよく、男性とイーブンで働きたいと思い、外資系企業を選んでいました。
やはり英語は学生の頃から好きだったのですか?
それが、英語はずっと嫌いで、学生時代は試験にパスすることだけしか考えていなくて、英語を勉強する気は全然ありませんでした。ですが、外資系企業に勤めるようになって、出張で海外に行ったり、仕事関係で外国の方と接する機会も増えると、いろんな文化の人とコミュニケーションをとるのが楽しくて、英語をもっと勉強したいなと思うようになりました。

仕事上でのコミュニケーションは、そんなに苦労はしませんでしたが、雑談が難しいんです。一緒にご飯を食べに行っても冗談が分からない、雑談ができるようになればもっと楽しいのにと思い、語学学校に通ったんです。でも週に1回1時間、何年も通いましたが、なかなか上手く喋れない。そこで会社の早期退職プランを利用して、1年間ニュージーランドに留学することにしました。
ニュージーランドに留学されて、語学は上達されましたか?
長年、仕事で英語を使っていたので、何か買ったり借りたりといった事務的な会話は問題ないのですが、やっぱり日常会話は難しかったですね。日本にいる外国人は、日本人の英語を理解しようとしてくれますが、ニュージーランドは移民が多い国なので、日本人を見ても、外国人という感覚もなく普通に喋ってきます。最初は本当に辛かったです。

ニュージーランドはブリティッシュイングリッシュだから、キレイな英語だと聞いていましたが、来てみると全く違う。ものすごく訛りのある英語なんです。日本でいうと東北弁のような訛りで、リズムも発音も馴染みがなくて聞き取れない。向こうも私の英語を分かってくれませんし。だからもう、英語を克服するというよりは、できなくてもいいやと思ったんです。
帰国されて数ヵ月後にお店をオープンされていますが、なぜ「本屋」だったのですか?
当時マーケティングに興味があったので、ニュージーランドでは、マーケティングの専門学校に通っていました。帰国後は就職するつもりだったのですが、お店の経営をするためのマーケティングを勉強しているうちに、何か自分でもできるような気になったんです。

それまで4回も転職を繰り返してきたので、これからの後半生、ずっと続けられる仕事がしたいと思っていて、本が好きだから、本屋さんなら飽きないかなと考えました。そう思うと、迷っていたらできないと思い、帰国してすぐお店を探して、4ヶ月後にはオープンしていました。
英語の書籍と絵本を扱う「洋書屋さん」にされたのは?
私には、語学学校に1週間に1回通うより、英語の本を読むほうが効率が良かったんです。そこで、本を通じて英語に親しんでもらいたいというコンセプトで、洋書を扱うことにしました。もともとは大人の女性をターゲットに考えていましたが、公園の前という場所柄、オープンしてみると、お子さん連れの方が多かったので、子供向けにターゲットを変更しました。

子供向けの絵本を増やして、読み聞かせの会もしていますが、子どもってすぐに覚えちゃうんですよ。それがすごくおもしろくて。私自身、英語を勉強するのに苦労したので、やっぱり大人になってから始めると、なかなか上達しにくいんですね。絵本はすごく身近で、生活の1部のようなもの。子どもの時から英語が身近にあれば、もっと楽しく英語を身につけられるんじゃないかと思ったんです。
英語の絵本の読み聞かせとは、どのように読むのですか?
英語―日本語、英語―日本語と、ワンフレーズごとに交互で読んでいます。読み聞かせの会を始めるにあたって、いろんな英語の先生に相談すると、やはり意味が分からないと楽しめないので、日本語を交えてもいいと教えてもらいました。子供向けの絵本は繰り返しが多いので、何回も同じ単語が出てくると覚えてしまいます。絵本は文章が短い分、とても言葉を練られているので、大人が読んでも楽しめるものが多いです。
どんなお客様が来られますか?
子どもに英語ができるようになってほしいというお母さんが多いですが、海外の絵本は絵がきれいですし、日本にないようなしかけ絵本もたくさんあるので、趣味として絵本が好きな若い女性も来られます。英語は読めくても、絵を楽しまれる方も結構いらっしゃいますね。絵だけでもある程度分かりますし、文章量が少ないので、すぐ調べられますから。あと、絵を描かれている方も来られたりします。
オープン後、どんな苦労がありましたか?
まだまだ苦労だらけですが、やはりお客様を集めるのが一番難しいですね。ここは、クレヨンハウスさんが近いし公園の前だから、お店を出せばすぐにお客さんが来ると思っていましたが、何もわかっていませんでしたね。

タウン誌に出しても全然だめなので、いろんなマーケットに全部出てみようと考えました。初めてロハスフェスタに出たときは、すごくたくさんの人が来られるのでよく売れました。

それまで、お客様や他のお店をしている人たちとの交流の経験があまりなく、一人で悩んでいたこともあって、いろんな方と知り合えて話をするのは、すごく楽しくて勉強になりました。

でもマーケットにも、合う・合わないがあると分かってきたんです。マーケットで知ってくださる方もいますが、継続して英語の勉強をしたい方となると、マーケットのお客様層とは違うのかなと。そこでもうマーケットに出るのはやめました。
マーケットの出店をやめて、次は何をされたのですか?
やはりお店に来ていただきたいので、イベントを増やそうと考えました。今、月1回、「ブッククラブ」といって、英語の先生と一緒に英語の本を1冊読む、読書会をしています。「次回は一章から3章まで読んできてください」というように、皆さん同じところを読んできていただいて、それぞれの感動したところや、わからなかったところを、みんなでディスカッションしています。

やはり翻訳されているものと、原文とはニュアンスが違いますから、そういう違いを知ってもらえると、文化や背景も分かってすごく楽しいんです。参加される方は、30代から50代くらいの女性が多いですが、男性もいらっしゃいます。
将来はどのような展望を考えていますか?
今、紅茶教室やキッズサークル、フェイスペイントなどのイベントをしていますが、いろんな方と組みながらイベントを増やして、もっとたくさんの方と知り合いたいです。将来はブックカフェができたらいいなと思っています。
ありがとうございました。
(取材:2015年1月 関西ウーマン編集部) 
 

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