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■関西ウーマンインタビュー(クリエイター編)


森下真理子さん&ちはるさん(ウェディングドレス『Couture maman』)

 
母・森下 真理子さん(クチュリエール)
東京デザイナー学院を卒業後、アパレルメーカーに勤務。出産を機に退職し、フリーランスに。CMやイベントコスチュームを手がけるほか、オーダーでウェディングドレスをつくり始める。2000年には、オーダーメイドのウェディングドレスのブランド『Couture maman(クチュールママン)』を立ち上げた。

娘・森下 ちはるさん(ウェディングコーディネーター)
神戸芸術工科大学ファッションデザイン学科を卒業後、アパレルメーカー勤務を経て、2009年より『Couture maman』に携わる。ホテルのウェディングプランナー、大学教授助手、大学講師と「二足のわらじ」期間を経て、2016年より『Couture maman(クチュールママン)』のウェディングコーディネーターとして本格始動。4月には自身のブランドとして『Plan couture(プランクチュール)』を立ち上げた。
Couture maman(クチュールママン)
HP: http://www.couture-maman.com/
FB: couturemaman Instagram: chiharu_couturemaman
母と娘でつくるウェディングドレスのブランド『Couture maman(クチュールママン)』。娘・ちはるさんが新婦のリクエストをヒアリングし、母・真理子さんがデザインから縫製までします。子どもの頃から母の仕事ぶりを見てきたちはるさんが『クチュールママン』に携わるようになった理由は「自分のやってみたいことができるかも」という気持ちから。母と娘で仕事をするようになって8年、家族であり、世代も、立場も異なる母娘で仕事をするとはどんな感じなのでしょうか。
母の仕事に、娘の夢が重なって
『クチュールママン』は真理子さんが立ち上げたブランドなんですね。
母・真理子さん:以前は名古屋に拠点を構えていました。ウェディングドレスづくりのほかに、ヘアメイクアーティストやスタイリストといった仲間とトータルウェディングに関わる仕事もしていたんです。もともとウェディングドレスに特化していたわけではなく、出産前はアパレルメーカーに勤務、出産後は自宅でパターンやサンプル製作をしていました。

そのうち、広告やテレビ番組の衣裳を手掛けるようになって、モデルやデザインの仕事に携わる女性たちと接点ができると、彼女たちからデザインにこだわったウェディングドレスづくりの依頼を受けるようになったんです。娘が高校生になったあたりから、本格的にオーダーでウェディングドレスづくりを始めました。

娘・ちはるさん:子どもの頃から家で仕事をする母を見てきました。友だちのお母さんの多くは専業主婦だったから、家に遊びに行くたび、私の家とは違うなあって。当時はさみしさもあったかもしれませんが、友だちから「お母さん、すごいね!」と言われていたから自慢でした。忙しそうだし、大変そうだけど、好きなことを仕事にしていて楽しそうだなとも。でも、「いつか母と一緒に」とは考えてもみませんでした。
ちはるさんが『クチュールママン』に携わるようになったきっかけは何ですか?
娘・ちはるさん:大学進学を機に、実家から離れて暮らしていたので、母から「ホームページをつくったよ!」と連絡を受けるまで、『クチュールママン』というブランド名で仕事をしていることすら知らなかったんです。ただ、ホームページを見て「私の友だちにお願いすれば、もっといいホームページができそう!」とひらめいたのが最初のきっかけ。

その頃私は、東京でメンズ・レディスシャツのメーカーに勤めていて、企画デザイン、販売までさまざまな仕事を経験していましたから、この知識・経験を活かせば、『クチュールママン』をよりよくできるのではないかと思いました。「母を手伝いたい」というよりは「自分のやってみたいことができるかも。やってみたい!」という気持ちのほうが大きかったんです。

母・真理子さん:「お母さんは営業が下手だから、私がやってあげる」と言われたのを覚えています。「お手伝いくらいでやめるかな」と思っていたんですが、娘はこの時からやると決めていたそうです。
一時的なお手伝いではなく、仕事として関わる覚悟が、ちはるさんにはあったんですね。
娘・ちはるさん:ちょうど30代を目前にして、今後について悩んでいた時期でした。それが『クチュールママン』を通して、自分がやりたかったことを思い出したんです。

たとえば、ウェディングプランナーの仕事に興味があったこと。大学時代に自由なウェディングが登場し始めて、「ウェディングプランナー」という職種が注目されるようになっていました。大学ではファッションを専攻していましたし、アパレルメーカーに就職したので、「興味がある」で終わっていたんです。

でも、ウェディングドレスとパーティーはリンクするので、これを機会に勉強したいという想いがふつふつと。学校に通おうと考えていたのが、働きながら学ばせてもらう機会に恵まれました。その後は母校から大学教授助手に声をかけてもらい、神戸へ。関西で仲間ができて、神戸での仕事が増え、拠点を構えるまでになったんです。

母と一緒にやると決めてから「おぉ!ここでこんな出会いが」「このタイミングでこのサポート!ナイス!」と思うことが多い。こうなるべくしてなっているんだろうなあとご縁を感じます。

母・真理子さん:私にとっても、ウェディングの仕事がちょうど下降してきたところだったので、よいタイミングだったんだと思います。ウェディングのお客様といえば20代・30代がメインですから、年々、お客様と私の年齢差は広がっていっていました。娘のおかげで、若い人たちの感覚をより身近に感じられるようになったので、『クチュールママン』に若い風が吹き込んだのだと思います。

 
母と娘を超えて仕事のパートナーに
母と娘で仕事。家族ゆえのやりにくさはありませんか?
娘・ちはるさん:母と娘というよりは仕事のパートナーという意識が強いんです。四六時中、仕事のパートナーといる感じ。一人暮らしを始めてから15年ほど、母とは離れて暮らしていたのがよかったのではないでしょうか。ずっと実家で暮らしていたら、こうはいかなかったかもしれません。

母・真理子さん:そもそも、私は娘のことを子どもの頃から“私の子ども”ではなく、“一個人”として接してきました。それは今も変わらず、「私の娘だから」と特別に意識したことはないように思います。

娘・ちはるさん:私はずっと「母は淡白な人だなあ」と思っていました(笑)。母も、父も、自営業で「自分のことは自分でする」というなかで育ってきたから、私にもそれが染みついています。責任は自分ですが、その分、自分がやりたいと思ったことはさせてもらえる。今も、私のやることに対して「NO!」とは言わず、やらせてもらっています。
おふたりにとっては母と娘での仕事はやりやすいんですね。
娘・ちはるさん:仕事もスムーズに進むことが多いんです。たとえば、私がお客様からドレスの要望をうかがって母に伝える場合、言葉でドレスのイメージを伝えるだけでも共有できます。母に育てられ、長年一緒に暮らしてきましたから、感覚や共有できるイメージが多いのではないでしょうか。名古屋と東京、神戸と、遠距離で仕事をしていた際は、そのスムーズなコミュニケーションがあったからこそ、問題なくできていました。

母・真理子さん:私はウェディングドレスづくりを、娘は営業や広報、経理業務をと、得意分野が異なりますから、うまく役割分担できています。信頼して任せているから、お互いの仕事については口出ししないようにしているのもいいのかもしれません。

娘・ちはるさん:母娘だからこそ、遠慮がなく、ぶつかることもよくありますから。仕事に口出しし始めると、大変だと思います(笑)。
一緒に仕事をし始めて変わったことはありますか?
母・真理子さん:娘がいなければ、ウェディングドレスをつくり続けていなかったかもしれません。両親が野菜をつくっているので、その野菜を使ってお惣菜店もしくはカフェを開くのもいいなあと、調理師免許の勉強をしていたくらいなんです。

それが娘と一緒に仕事をするようになり、娘のご縁をきっかけに、若い頃の憧れの街・神戸にアトリエを構えるまでになりました。まさか、名古屋から出ることになるとは(笑)

娘・ちはるさん:『クチュールママン』で仕事をするようになってから、さまざまな人たちとつながることができ、「やってみたい!」と思っていたことが実現していっています。

ウェディングプランナーの仕事もそうですが、撮影用のドレス提供をきっかけに、同世代のフォトグラファーやフローリストと一緒にウェディングの展示会をする機会にも恵まれました。彼女たちとは、プライベートでも仲が良くて、旅行に行ったり、新たな企画を思いついたら「やってみよう!」と一緒にチャレンジしたり。

母・真理子さん:私がウェディングを本格的に始めたのは彼女と同じ年齢の頃。その時に知り合ったヘアメイクアーティストやスタイリスト、フォトグラファーと一緒に、トータルウェディングの仕事を立ち上げたんです。

海外ウェディングが注目されて、ホテルでの結婚式ではなく、レストランウェディングが増えてきた時期で、仲間と一緒に新しいことをやっていることがおもしろかったなあ。今の彼女たちを見ていると、当時のことを思い出すんです。

最初は競争の激しいウェディングの世界に飛び込んでくるということで、会社員をしていたほうがよかったのではと思うこともありましたが、人に恵まれ、楽しく仕事をしているようなので良しとしますか(笑)

 
“ふたりで”だからこその、新たな可能性
近い未来、お仕事で実現したいことは何ですか?
娘・ちはるさん:母を筆頭に、若いクチュリエのいるファクトリーをつくりたいと考えています。一緒に暮らしている時は何気なく見ていた、母のつくるウェディングドレス。一緒に仕事をするようになって、その凄さに気づきました。

見えないところまで気を配った縫製、シルエットの美しさ、何年経っても飽きないデザイン、生地へのこだわりが素晴らしいから、25年以上経った今も変わらず、お客様に喜んでいただけ、オーダー依頼もあるんだと思います。

そんな母もいつまで縫えるかわかりません。若い人たちに母の技を伝えていくことができたらいいなと考え始めたんです。 オーダーメイドのウェディングドレスの受注だけでは、母と私が生活していくだけで精一杯。私の事業として『プランクチュール』を立ち上げ、ウェディングコーディネートやイベント企画などで収益を上げて、若い人を雇うことができたらと考えています。
ちはるさんのウェディングプランナーとしての経験が活きますね。
娘・ちはるさん:実は実現に近づけば近づくほどに恐くなってきました。ウェディングは人生の大きな節目ですから失敗できない。会社員時代はよかったのですが、フリーランスでとなると、更なるプレッシャーがあります。とはいえ、仲間や出会った人たちから「プランニングができるんでしょ」「やってほしいという人がいるよ」と背中を押してもらえ、お客様からもご依頼いただけることができました。

今回実現する挙式とパーティーは、実は8年前に「こんなことをやってみたいなあ」と思い描いていたこと。当時はやろうと思っても、経験も、人脈も、お客様も無かったんですけど、『クチュールママン』を通して実現できる状況が整いました。

母・真理子さん:娘を中心にさまざまなことが動き始めています。最初は娘が私を手伝うという始まりでしたが、今の『クチュールママン』は娘が主。今後、私がどれだけサポートできるか楽しみですね。
ありがとうございました。
取材:2016年8月
取材前は「母と娘で仕事をするようになったきっかけは、子どもの頃から働く母の姿を見てきたから、手伝いたいと思ったのかなあ?」と勝手に想像していたのですが、真理子さんとちはるさんの場合は母の仕事に娘の夢が重なってでした。

お互いがよりかからずに、自分でしっかりと想いを持って立っているからこそ、母と娘を超えて仕事のパートナーという意識を持てた。そんなふたりだからこそ、自分ひとりでは思いつかなかった未来が見えたり、可能性が開いたり。

お話をうかがいながら、イキイキと仕事されている様子が伝わってきました。私は現在、小学生の娘を子育て中ですが、「そんな日が来るのかなあ」「それはないかなあ」「いや、でも」と想像しちゃいました。
取材:小森利絵
ライター/HP:『えんを描く』
編集プロダクションや広告代理店などで、編集・ライティングの経験を積む。現在はフリーライターとして、人物インタビューをメインに活動。読者のココロに届く原稿作成、取材相手にとってもご自身を見つめ直す機会になるようなインタビューを心がけている。



 

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