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■関西ウーマンインタビュー(クリエイター)
前川 香苗さん(チョークアーティスト)
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■関西ウーマンインタビュー(クリエイター)
前川 香苗さん(チョークアーティスト)

前川 香苗さん(チョークアーティスト) アーティストネーム KANAEとして活動中 2008年オーストラリアへ2年間ワーキングホリデー留学し、チョークアートの第一人者であるモニーク・キャノン氏に師事。モニーク独自の技法を学び、講師資格を取得。 2010年帰国し、チョークアーティストとして活動を開始。店舗看板やメニューボード、ウェルカムボードなどの制作を手がける。 2012年全国からの制作依頼を受け、もっと多くの人にチョークアートを知って欲しい、体験して欲しいと思い大阪市内初のモニーク・キャノン(MCA協会認定)スクールを開校。現在、大阪市内に2つの教室を運営しつつ、ウェブサイトでの制作受注、年数回作品展や講習会も開催している。大阪市出身、大阪市在住。 |
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![]() スクール開校日 [あべの校]月・日 11:00~/13:00~ [本町校]木・土11:00~/13:00~ |
チョークアートと出会ったのは、わずか数年前。 海外のとある街角に、黒板があった。 そのカラフルな板が強烈に店の存在をアピールしていた。 思わず場所を探し、路地に入ってしまうほど。 それがチョークアートと呼ばれるものだと知ったのは、さらに時間が経ってから。 そのせいか私にとってチョークアートは、看板のイメージだった。 けれど、あるルポにチョークアーティストが紹介されていて、商業アートなるものを知った。 そんな実用的な芸術があったんだ! 驚いたついでにチョークアートを調べてみた。 「特殊な塗料を塗った黒板に消えない絵や文字を描くもので、飲食店の店頭や店内に飾る商業ベースのアートで、看板アートの手法。 現在はカフェやレストランのメニューボード、ポートレート、ウエルカムボード、インテリアなどにも持ち込まれている」 と、ある。 中には店内や自宅の壁やに施すこともあるそうな。 今回はこのチョークアートに魅せられた女性、 チョークアーティストのKANAEさんにお会いしてきた。 |
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思い切って飛んだ先には幸せなカラーワールドが! ~KANAEの色~ |
おっとり、ふんわり、でも強い | |
![]() 1年も前から機会を待っていた。 優しく明るい発色で、 心をウキウキさせるチョークアート。 でも指先で色を造り出すことは とても根気のいる作業だ。 そんな芸術を紡ぎだす人は、 すごく気難しいかもしれない。 深秋とは思えないほど 空気がしっとりした昼下がり。 指から温かい色を生み出すアーティスト、 KANAEさんを訪ねた。 山小屋風の重厚なドアを前に、 尻込みした私がふと横を見ると、 とても可愛らしい人と目があった。 ゆっくりと微笑んで会釈してくれたのが、チョークアーティストのKANAEさん。 KANAEさんは上品で可愛らしい人、という第一印象。 それまでの緊張は少し緩み、デヘヘと笑いながらご挨拶。 KANAEさんは2008年、27歳の時にオーストラリアでワーキングホリデー留学をした。 20歳ぐらいから語学留学と海外での生活がしたかった。 ようやく渡豪が決まり、webで情報を探していた時にモニーク・キャノンの作品を見て 「これだ!」と目が釘付けになったそうだ。 大袈裟ではなく、チョークアートとの出会いがKANAEさんの人生を新しい流れに乗せた。 |
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アートがあるから今が楽しい |
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日本を発つ前に心に決めていたことがある。 「帰国時に何かできる人にならないといけない。 何もないまま帰国したら、中身のない30代になってしまう」 決心というよりも、決意だった。 極度ともいえるほど恥ずかしがり屋で、人前に出るなんてとんでもなかった。 誰かに何かを教えることも、 作品を発表することも、 取材を受けて写真撮影することも。 なにもかも渡豪する前では考えられなかった。 でも、変りたかったのだ。 変るために、KANAEさんは海を渡ったのだ。 |
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![]() 海外生活を楽しむのと同時に チョークアート以外の 色々なことにも挑戦した。 当然、挫折しそうになったことも、号泣したことも。 ただ、チョークアートをやめたいとは思わなかった。 そして2年間が経ち、彼女は大きく変わった。 笑顔でカメラの前に立ち、はっきりとしっかりと、思いを口に出す。 独立した芯の強い、大人の女性となり今を楽しんでいる。 |
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最近、充実しているなと感じるらしい。 「20代の頑張りが30代で表れる」 それを実感できるようになったと話す彼女は、キラキラしている。 そんなKANAEさんが作るチョークアートは、 作者を表すように鮮やかで柔らかく、品が良くまろやか。 「商業アート」「看板」で片付けて、お店で見るものと決めつけてしまうにはもったいない。 KANAEさんは今後、チョークアートをもっと手軽に日常に取り入れてもらえるよう、 マグカップやトレーなどのグッズを作りたいと話す。 また赤ちゃんの命名を書いたネームボードなど、 一生の記念になるものも。 結婚式のウェルカムボードと並べれば、 家の中にカラフルで幸せなコーナーも完成するだろう。 チョークアートはたくさんの可能性がある芸術だ。 せっかくだから、仕事がノリノリになるようなタスクボード、発注してみようかな。 デスクの前に置いたらサクサク仕事をこなせて、余裕のある女性になれるかも! これで来年の目標が一つ決定♪ |
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四十宮麻美 (よそみや あさみ) ≪ライター≫ |
![]() 外部スタッフとしてフリーペーパーの編集に約4年間たずさわり、関西と東海地方を中心とした高齢者施設の取材訪問数は400件以上。他にも情報サイト、情報誌の執筆や外部広報、広告ディレクターなど手がける。 趣味は読書と旅行。愛するものは冬のお布団と夏のかき氷。人生に必要なものは、白飯&明太子、果物、整体、温泉。最近のハマりものはヨーグルトパック。 自慢は10時間以上寝続けられること。 |
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「思い出を載せられるものを作れるのは、たまらない」一生ものの宝物を作れることは幸せという徳永さん
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