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■関西ウーマンインタビュー(アーティスト編)


山本 敦子さん(マリンバ&揚琴・ヨーチン奏者)

山本 敦子さん (マリンバ&揚琴・ヨーチン奏者)
大阪音楽大学打楽器専攻卒業、同大学専攻科修了。2001年第5回松方ホール音楽賞選考委員奨励賞受賞。2003年第5回国際音楽コンクール万里の長城杯打楽器部門第1位 マリンバで多数リサイタル開催 主宰する「マリンバアンサンブルびーだま」でCD「ゆりかご」リリース。また高校時より中国の揚琴、モンゴルのヨーチンを学び始め、揚琴を中国音楽学院の項祖華氏に、ヨーチンをモンゴル国立音楽舞踏学校教授チルハスレン氏等に師事。2007年第8回大阪国際音楽コンクール民族楽器部門第2位(1位なし)マリンバ奏者として揚琴・ヨーチン奏者として多くの演奏会に出演。
HP: http://www.geocities.jp/atsukoymym/
マリンバに出会ったのはいつですか?
小さい頃はピアノやバレエをしていましたが、中学になって吹奏楽部に入ると、リズムに乗れる打楽器が大好きになりました。シンバルや太鼓などの打楽器は、一人で目立ってかっこいいなと思ったんでしょうね。鍵盤の打楽器には木琴や鉄琴がありますが、マリンバというのは特別響きが美しいんです。それに出会ったのが高校生の時でした。

いろんなコンサートにお小遣いでチケットを買って聴きに行きましたが、やっぱり打楽器が活躍するコンサートって楽しいし、プロになるとあんなに大きなマリンバが弾けるんだと知りました。打楽器なのに旋律があってとっても表現力があると感じ、ああこれだ!と。中学の頃から将来は音楽に進もうと決めていて、音楽大学の打楽器専攻に入り、最初は小太鼓とマリンバの両方をしていましたが、自分の表現力を広げられるマリンバが中心になりました。
ソロとして活動しようと思ったのは?
子どもの頃は、打楽器の仕事というと、オーケストラの一員になることくらいしか思いつかなかったのですが、いろんなコンサートを聴くようになるうちに、音楽の道はそれだけじゃないと分かってきたんです。もともと自分らしい表現をすることが好きだったので、いつのまにか「ソリスト」として生きる道にまっしぐらでした。

大学を卒業する時、ただ音大を出たというだけじゃなく、音楽家になるにはまだ足りないという気持ちがあり、もう少し勉強しようと1年過程の専攻科に残りました。自分の実力を高めるためにコンクールやオーディションを受けたり、いろんな人との繋がりで仕事を請けたり。学校で腕を磨きつつ、半分仕事をしながら、その1年間で自分が生きていく道を作りました。
揚琴やヨーチンなどの民族音楽も手がけておられますね。
高校生のとき、高校の音楽の先生に薦められて始めたんです。「これからは民族音楽の時代だ。」と言って、揚琴を貸してくださって。そこから独学で勉強していましたが、大学生の頃から揚琴の先生に就き、そのうち中国やモンゴルに短期間滞在しては、毎日みっちりレッスンを受けてくるようになりました。

当時は中国の音楽がブームだったこともあって、駆け出しの私でも、ものすごくたくさん仕事が入ってくる状況でした。その中で多くの先生方や素晴らしい演奏家の方たちに出会い、たくさんのことを教えていただき、演奏家として活躍できる基礎をつくっていただきました。ヨーチンは揚琴と形は全く同じですが、モンゴルの楽器で弾き方も曲も違うので、それぞれ音楽によって弾き分けています。
日本人が他国の民族音楽を演奏することに悩まれたとか
日本人であるのに日本のものでない音楽をやって、真似ごとにすぎないのではと、大学生の頃は悩みました。中国やモンゴルの音楽であっても、楽譜に書いてあれば、それを音にすることはできます。でも民族音楽となると、その民族に伝わってきたイントネーションや独特のリズムがあるので、楽譜に書かれた音の上にそれが表現できないと「日本なまり」になってしまうんです。

西洋音楽だと楽譜のルールがありますが、民族音楽には、装飾音符や強調する音など、書いていないものがものすごく多いんですね。でも向こうの人は小学生でも自然にできたりするんです。例えば、日本人が盆踊りの音を聴くとリズムを打ちたくなるように、自ずから身体に入っている感覚なんでしょうね。

それが私には無いので、音符になったものを弾いても、やっぱりその国の音楽になっていないというのはずっと感じていました。外国人として学ぶということは、まずはたくさん曲を聴いて、いろんな演奏者の弾き方を聴く中で、これは共通しているなというものを見つけないといけない。それは私がやるべきことなのかなと思ったことがあります。
自分の表現として受け入れられたきっかけとは?
中国でもモンゴルでも、その国の音楽大学で学ぶ人たちは、自分たちの民族が培ってきたイントネーションの上に、自分なりの自己表現をしています。そうした専門の人たちが学ぶような曲が弾けるようになると、先生や周りの目も変わってくるようになりました。

その民族の人にしか持っていないものもあるとは思いますが、技術を真剣に模倣していくうちに、自分のものとなっていきます。そこにプラス、日本のクラシック音楽で身につけた音楽表現を加えると、向こうの人たちから見て「新しい表現方法」となることもあり、「あなたのそこは良いね」という評価も出てくるようになったんです。

そういう考え方もあると思い、日本人の私がこの音楽をやっていても良いんだと考えるようになりました。また民族音楽のコンサートをするときも、日本人の私がいることで、その国の音楽のおもしろさをお話できますから、国際交流や親善の一役にもなれると思うようになりました。
山本さんの音楽表現とは?
若い頃は「認めてもらいたい」という思いもあって、難しい曲を弾いたり、できるだけ速く弾くなど、常に限界に挑戦するような演奏をしてきたと思います。でも今は、楽器の響きを大切にして、お客様の気持ちに沿った心地よい音楽を演奏したいと考えています。難しい曲をしかめっ面して弾くのではなく、サラリとやってのける。見ていて安心できる演奏ですね。音楽っていいなあ!と心から感じてもらえるコンサートをしたいといつも思っています。
アーティストにとって必要なこととは?
私はなんでもとことんやりたい性格で、高校生の時、打楽器をしていた頃は、知らない打楽器があったらいやだったんです。知らない楽器があると楽器辞典で調べて、大学時代も様々な民族楽器や音楽をたくさん調べました。向こうに行くとCDや文献を買ってきては読み、分からないことは調べていました。

最近教えていて思うのは、レッスンで与えられた曲しかしない人が多いんですね。今日はこの曲やってきてねというと、YouTubeを見て真似してくるという。

でもその曲が書かれた背景っていっぱいあるわけです。その曲はいつ頃作られたもので、どういう気持ちで書かれたのか、それをどうやって音楽として表現するか。それを分かっていないと、表面上模倣するだけになってしまいますし、聴く方にしても、題名と作曲者の名前だけじゃなく、解説してもらって聴くのとではやっぱり反応は違ってきます。

これが弾きたい、これがしたいと思ったら、まずはとことんその世界をつきつめ、たくさん聞き、たくさん調べ、たくさん模倣し、知らないこと、知らない曲、知らない弾き方がなくなるまで(なくなるということはないですが)常に探究心と鍛錬を重ねる。それが、楽しくてやめられない、と思う人ならプロになれると思います。
これからの夢は何ですか?
今はマリンバ・揚琴・ヨーチンと、それぞればらばらに演奏していますが、それを全部を一緒に弾くリサイタルをすることです。10年以上前から、中国やモンゴルの先生たちにも「あなたは全部一緒のリサイタルをしなさい」と言われ、演奏する曲目リストまで作ってもらっているんです。

でもそれはとっても精神的に集中して準備が必要なので、まだ実現はできていないのですが、5年以内には実現したいと思っています。ジャンルとしては、「民族音楽」というより「山本敦子」。私の世界を存分に出したいと思っています。
ありがとうございました。
(取材:2015年8月)


 

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