HOME
■関西ウーマンインタビュー(アーティスト)
西潟 佳世さん(シンガー&ヴォーカル講師)
前のページへ戻る
■関西ウーマンインタビュー(アーティスト)
西潟 佳世さん(シンガー&ヴォーカル講師)

西潟 佳世さん (シンガー&ヴォーカル講師)
![]() 西潟 佳世オフィシャルサイト |

小さい頃、エレクトーン教室に通われていたそうですね。 |
6歳のとき、まわりのお友達がヤマハ音楽教室に通っていて、教材やグッズがとてもカラフルで楽しそうだったんです。それで私も通いたいと思って行ったんですが、幼稚園から始める子たちのカリキュラムと、小学校から始める子たちのカリキュラムって違っていて、私の教材は大人っぽい二色刷りのテキスト。入って初日で辞めたいと言ったんです(笑)当時の月謝は2ヶ月前払いだったので、2ヶ月は通いなさいって親に言われて。そのまま小学校6年生まで続けました。 |
エレクトーンから歌に変わったのは? |
エレクトーン教室で表現力をつけるための歌の授業があって、よく褒められていたんです。エレクトーンを習いに来ているのに、歌ばかり褒められるのはなんだか複雑でしたけど。鍵盤の練習は少し苦だったので、なんとなく歌のほうが向いているのかなと思うことはありました。 その後神戸に引越して、中学に入ると合唱部に入ったんです。顧問の先生にも歌をすごく褒めていただいて、みんなの前で歌う機会を作ってくださったり、ソロでもよく歌わせてもらいました。クラスメートにも褒められたりして、「私、歌手になりたい」と調子に乗り始めるんですね(笑)中学三年生になって進路を考える時期にはもう、はっきり「歌の仕事をしたい」と思っていました。 その頃は歌といえば声楽と考えていましたが、その顧問の先生が「君は声楽よりもポップスのほうが良い」といって、「天使にラブソングを」という映画のビデオを貸してくださったんです。それを観てはまりまして(笑)それからゴスペルやソウルミュージック、R&Bなどを聴くようになりました。先生自身は声楽出身でしたが、今思うとすごく感謝しています。 |
![]() |
その後本格的に歌の道へ進まれるのですね |
それからいろんな音楽のCDをお小遣いで買っては聴いていました。歌を仕事にしたいと決めたので、中学三年からボイストレーニングを受けようと、今私が講師をしているヤマハ音楽スクールのボーカルレッスンに通い、いろんなオーディションを受けながら高校三年まで通いました。 |
オーディションを受けておられて、デビューの話があったそうですね。 |
デビューの話はありましたが、当時私はデスティニーチャイルドやシュープリームスのようなガールズグループをやりたかったんです。でもデビューの声がかかるのはいつも、一人でやってほしいと言われるんですね。というのもグループとなると、どうしてもアイドル的になってしまう。事務所によっては、一人で弾き語りでというスタイルで売り出すほうが良かったんでしょうね。 でもその頃の私はどうしても一人じゃイヤだったんです。今思えば実力を見てくださったわけですから、光栄なことだったんですが。一生音楽に携われる仕事ってそれだけじゃないし、教える仕事なら音楽を嫌いにならずに、仲良くずっと続けられる仕事だと思い、高校卒業後はヤマハ音楽院で歌の勉強して、その後試験を受けてボーカル講師のライセンスを取りました。 |
![]() |
ボーカル講師をされながら、シンガーとしてソロ活動もされています。 |
ボーカルはこの三木ミュージックサロン梅田・茶屋町教室の他、神戸と三田で教えています。シンガーとしてはソロでも歌っていますが、ゴスペルのコーラスグループにも所属しています。このグループは結成12年になりますが、今年は角松敏生さんがゴスペルの曲を作られたということで、大阪公演の時に一緒に歌わせていただきました。 |
歌と講師のお仕事の割合は? |
ウェイトが多いのは講師の仕事になりますね。ステージは月に1本くらいにしています。ステージを多くすると、歌うことがルーティンになるような気がするんですね。ステージは気持ちの切り替えが必要なので、私には月1回くらいがちょうどいいかなと思っています。 やっぱり好きな人と仕事しないと気持ちよく仕事できませんから、面白いと思うものだけ選り好みさせていただいていると思います。もちろんコーラスグループの仕事は私一人ではないので選り好みしませんが、基本的にみんなで歌うことが大好きなので、どんな仕事でも楽しいですね。 |
![]() |
生徒さんにはどんな方が来られますか? |
アーティスト志望の方もおられますが、カラオケが上手くなりたいと趣味で来られる方や、ストレス発散や健康のためにとご年配の方も来られますし、男性の方の場合、お仕事につなげたいという方が結構おられますね。他人と目を合わせて話すことができなかた人が、2年3年と通ってくることで、人前で歌えるようになったと喜んでくださる方もいて、お役に立っているんだと思うとすごく嬉しいですね。 |
どうしたらプロのアーティストになれますかという相談もありますか? |
「努力しているのに」と言う方もいますが、プロになるには努力だけじゃなく、運も持っていないといけませんから、そこはどうしようもないです。厳しい言い方かもしれませんが、努力に見返りを求めている時点でダメだと思います。 小さい子には、頑張れば返ってくるよと言いますが、ある程度大きくなった子に対しては、頑張ってもどうにもならないこともあると、つい言ってしまいますね(笑)どんなに上手くでも世に出ない人もたくさんいますし、そうでない人でもデビューしちゃうこともありますから。やはり頂点を目指すNo1より、Only1にならなくてはと思います。 |
西潟さんのOnly1とは? |
![]() 基本的にイヤなことを忘れるのは早い性格でもあるんですが、自分の気持ちにいろいろあっても、教室でもステージでも、一旦扉を開けると気持ちは変わります。 生徒さんも「落ち込んでいても、レッスンに来ると元気になれる」と、ここに来る時間をとても楽しみにしてくれていますし、ステージでも、何日も前からワクワクしながら「今日ライブ聴きにいくんだ」とFacebookで上げてもらったりして楽しみにしてくれていますから、それがサッと気持ちを切り替えるパワーになっています。 |
歌を仕事にするために必要なことは? |
感動することです。一番いけないのは、何も感じないこと。「面白かった」で終わるんじゃなくて、なぜ自分は面白いと感じるのかを考えることが大切です。よく生徒さんに、歌詞を読んでどう思ったか聞いても「わかりません」と言われることが結構あるんです。ではなぜこの曲を選んだのかと聞くと「なんとなく」。 それって傷つくのが怖いというか、自分をすごく守っているように感じます。歌が好きなら、好きな歌を見つけて、なぜその歌が好きなのか、どういうところが好きなのか、一つでも多くみつける。そういうことを考える時間を作ることですね。 やっぱり感じる心がないと音楽って表現できませんし、歌うことも教えることも、人の心を惹きつけるためには、技術だけではなく、いかに相手の心に適度な距離を持ちつつ入れるかですから、いろんな言葉の引き出しや、人生経験をたくさん持っていたほうがいいかと思います。 |
西潟さんのこれからの夢は? |
音楽を通じて周りの人たちを繋げていけることです。生徒さん同士もそうですし、共演するアーティストや、見てくださるお客様同士も仲良くなれるようなステージを広げていきたいですね。 |
ありがとうございました。 |
![]() MIKIミュージックサロン梅田 三木楽器(株) 〒530-0013 大阪府大阪市北区茶屋町2-19 JPR茶屋町ビル6F TEL:06-6375-4530 |
(取材:2014年7月 関西ウーマン編集部) |
■関西ウーマンインタビュー(アーティスト) 記事一覧
-
「誰かに必要とされるかではなく、自分がやりたいかどうか」劇団に入団して24年。実力派女優の中田彩葉さん
-
「生きることと、音は直結する」生活と音楽のギャップに悩み、自分にできる音楽を表現する友加里さん
-
「人生そのものを演劇に。もっともっと自由に生きていい」演劇を通して自分の表現を見つめ続ける亜紀さん
-
「誰に何を言われようとも、自分が信念を持って生きることが大事」新しいお箏の世界を創る小森さん
-
「誰しもの中にいる小さな子どもが喜ぶ歌」を作り歌い続けることが自分の音楽というユカさん
-
「自分の心に100%の嘘は絶対につけない」音楽一家に生まれながらも、自分の音楽を見つけた黒田さん
-
「過去から現在、未来へとつながる流れの中に身を置く」薩摩琵琶に魅了され天職となった荻山 泊水さん
-
「なんとなく」ではなく「好き」と確信できることを 北欧の伝承音楽の演奏活動に取り組む上原さん
-
「フルートは人との出会いをくれる魔法のスティック」幅広いジャンルの音楽を演奏するフルート奏者の大塚さん
-
「歌うように、二胡を演奏する」喉を壊し、声楽家の道を断念するも、二胡奏者の道を選んだ一圓 さん。
-
「魂が響けば、身体は動いてくれる」障がい者にしかできない表現を追究する金滿里さん
-
「続けていれば新展開」音大卒業後、自分らしいスタイルを探して「ひとりおもちゃ楽団」に辿りついたアキさん
-
「自分の殻を破って、自分を解放する」ドラムや音楽を通して、「楽しい自分」を表現することを伝える藤谷さん
-
「誰もがその人自身のダンスを持っている」喜怒哀楽さまざまなダンスで対話を表現する高野さん
-
「自分の気持ちに素直に」出産を機に断念したジャズシンガーの道。子育てしながら再開の道をみつけた臼井さん。
-
「好き嫌いという次元のものではない」迷い悩んだ時期を経て、琵琶奏者として生きることが運命と決めた川村さん
-
手話から創作する「観る音楽」を身体で表現する「サインアーティスト」の三田さん。
-
「これが弾きたいと思ったら、とことんその世界をつきつめる」マリンバと民族音楽に惹かれ演奏家になった山本さん
-
「演奏家は目の前にいる人間を喜ばせること」教職から邦楽界へ。箏・三絃で京地唄を伝承する戸波さん
-
古典は実生活に役立つものでは無い。でも心は確実に豊かになります。源氏物語の語り部として活動する六嶋さん
-
「能管の響きが持つ力を伝えたい」一生を貫くものを探そうと能管に出会った野中さん。ご縁を繋げながら海外でも活躍中
-
「踊れなくなるまでずっと踊りたい」日本人というコンプレックスを超えてブラジルのエネルギーを伝えるみちるさん
-
「私なんて・・・と言わずに済む力を身につけないとプロじゃない」大学院で舞踊の博士号を目指す礼奈さん
-
「踊りたくなるような気分で帰っていただける、そんな舞台人になりたい」バレリーナ&指導者として活躍する有可さん
-
「「こうするもの」を超えて楽しむ」ことをNYで学んだ、パフォーミングアーティストとして活躍するちさとさん。
-
「いつも感受性を豊かにもち、ロマンチストでありたい」フルートに魅せられ数々のコンクールで入賞、現在はアンサンブルが楽しいと話す麻里子さん。
-
「"おおきに"という言葉を広げていきたい」元芸妓&JAZZシンガーの真箏さん。病気を克服し人の幸せを想い活躍中
-
「舞台は世界!」初主演映画がカンヌで絶賛を浴び、女優として活躍。京都でロングラン公演中の『ギア』ドール役として出演中の祐香さん
-
「教えることも歌うことも表現は同じ」シンガーとして数多くのステージに立ち、ボーカル講師でもある西潟さん
-
「クラシックをより身近に」自らの言葉で語りかけるコンサートが評判。国内外で活躍する美人チェリスト。