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■関西ウーマンインタビュー(アーティスト)


西潟 佳世さん(シンガー&ヴォーカル講師)

 
西潟 佳世さん (シンガー&ヴォーカル講師)
愛知県出身。幼少より音楽に触れて育ち、13歳から本格的に歌のレッスンを開始。ORC200ボーカルクイーンコンテストにて1999年特別賞、翌年準グランプリ他、数々のコンテストに入賞。2001年、オムニバスアルバム「Love sofa」に参加。2011年、女性の自立を支援する団体「Neo woman」の書籍「想い人」に選出され、テーマソングを担当。現在はアロージャズオーケストラの姉妹グループ「Kiko''s choir」にて各地の学校でライブを行う傍ら、ソロでもライブを行っている。
西潟 佳世オフィシャルサイト 
小さい頃、エレクトーン教室に通われていたそうですね。
6歳のとき、まわりのお友達がヤマハ音楽教室に通っていて、教材やグッズがとてもカラフルで楽しそうだったんです。それで私も通いたいと思って行ったんですが、幼稚園から始める子たちのカリキュラムと、小学校から始める子たちのカリキュラムって違っていて、私の教材は大人っぽい二色刷りのテキスト。入って初日で辞めたいと言ったんです(笑)当時の月謝は2ヶ月前払いだったので、2ヶ月は通いなさいって親に言われて。そのまま小学校6年生まで続けました。
エレクトーンから歌に変わったのは?
エレクトーン教室で表現力をつけるための歌の授業があって、よく褒められていたんです。エレクトーンを習いに来ているのに、歌ばかり褒められるのはなんだか複雑でしたけど。鍵盤の練習は少し苦だったので、なんとなく歌のほうが向いているのかなと思うことはありました。

その後神戸に引越して、中学に入ると合唱部に入ったんです。顧問の先生にも歌をすごく褒めていただいて、みんなの前で歌う機会を作ってくださったり、ソロでもよく歌わせてもらいました。クラスメートにも褒められたりして、「私、歌手になりたい」と調子に乗り始めるんですね(笑)中学三年生になって進路を考える時期にはもう、はっきり「歌の仕事をしたい」と思っていました。

その頃は歌といえば声楽と考えていましたが、その顧問の先生が「君は声楽よりもポップスのほうが良い」といって、「天使にラブソングを」という映画のビデオを貸してくださったんです。それを観てはまりまして(笑)それからゴスペルやソウルミュージック、R&Bなどを聴くようになりました。先生自身は声楽出身でしたが、今思うとすごく感謝しています。
その後本格的に歌の道へ進まれるのですね
それからいろんな音楽のCDをお小遣いで買っては聴いていました。歌を仕事にしたいと決めたので、中学三年からボイストレーニングを受けようと、今私が講師をしているヤマハ音楽スクールのボーカルレッスンに通い、いろんなオーディションを受けながら高校三年まで通いました。
オーディションを受けておられて、デビューの話があったそうですね。
デビューの話はありましたが、当時私はデスティニーチャイルドやシュープリームスのようなガールズグループをやりたかったんです。でもデビューの声がかかるのはいつも、一人でやってほしいと言われるんですね。というのもグループとなると、どうしてもアイドル的になってしまう。事務所によっては、一人で弾き語りでというスタイルで売り出すほうが良かったんでしょうね。

でもその頃の私はどうしても一人じゃイヤだったんです。今思えば実力を見てくださったわけですから、光栄なことだったんですが。一生音楽に携われる仕事ってそれだけじゃないし、教える仕事なら音楽を嫌いにならずに、仲良くずっと続けられる仕事だと思い、高校卒業後はヤマハ音楽院で歌の勉強して、その後試験を受けてボーカル講師のライセンスを取りました。
ボーカル講師をされながら、シンガーとしてソロ活動もされています。
ボーカルはこの三木ミュージックサロン梅田・茶屋町教室の他、神戸と三田で教えています。シンガーとしてはソロでも歌っていますが、ゴスペルのコーラスグループにも所属しています。このグループは結成12年になりますが、今年は角松敏生さんがゴスペルの曲を作られたということで、大阪公演の時に一緒に歌わせていただきました。
歌と講師のお仕事の割合は?
ウェイトが多いのは講師の仕事になりますね。ステージは月に1本くらいにしています。ステージを多くすると、歌うことがルーティンになるような気がするんですね。ステージは気持ちの切り替えが必要なので、私には月1回くらいがちょうどいいかなと思っています。

やっぱり好きな人と仕事しないと気持ちよく仕事できませんから、面白いと思うものだけ選り好みさせていただいていると思います。もちろんコーラスグループの仕事は私一人ではないので選り好みしませんが、基本的にみんなで歌うことが大好きなので、どんな仕事でも楽しいですね。
生徒さんにはどんな方が来られますか?
アーティスト志望の方もおられますが、カラオケが上手くなりたいと趣味で来られる方や、ストレス発散や健康のためにとご年配の方も来られますし、男性の方の場合、お仕事につなげたいという方が結構おられますね。他人と目を合わせて話すことができなかた人が、2年3年と通ってくることで、人前で歌えるようになったと喜んでくださる方もいて、お役に立っているんだと思うとすごく嬉しいですね。
どうしたらプロのアーティストになれますかという相談もありますか?
「努力しているのに」と言う方もいますが、プロになるには努力だけじゃなく、運も持っていないといけませんから、そこはどうしようもないです。厳しい言い方かもしれませんが、努力に見返りを求めている時点でダメだと思います。

小さい子には、頑張れば返ってくるよと言いますが、ある程度大きくなった子に対しては、頑張ってもどうにもならないこともあると、つい言ってしまいますね(笑)どんなに上手くでも世に出ない人もたくさんいますし、そうでない人でもデビューしちゃうこともありますから。やはり頂点を目指すNo1より、Only1にならなくてはと思います。
西潟さんのOnly1とは?
まさに今の仕事がそうですが、私じゃないとできないこと、代わりが利かないことですね。とにかく元気さです。講師としてもシンガーとしても、私が元気なことで、周りの人が元気になってくれることだと思います。

基本的にイヤなことを忘れるのは早い性格でもあるんですが、自分の気持ちにいろいろあっても、教室でもステージでも、一旦扉を開けると気持ちは変わります。

生徒さんも「落ち込んでいても、レッスンに来ると元気になれる」と、ここに来る時間をとても楽しみにしてくれていますし、ステージでも、何日も前からワクワクしながら「今日ライブ聴きにいくんだ」とFacebookで上げてもらったりして楽しみにしてくれていますから、それがサッと気持ちを切り替えるパワーになっています。
歌を仕事にするために必要なことは?
感動することです。一番いけないのは、何も感じないこと。「面白かった」で終わるんじゃなくて、なぜ自分は面白いと感じるのかを考えることが大切です。よく生徒さんに、歌詞を読んでどう思ったか聞いても「わかりません」と言われることが結構あるんです。ではなぜこの曲を選んだのかと聞くと「なんとなく」。

それって傷つくのが怖いというか、自分をすごく守っているように感じます。歌が好きなら、好きな歌を見つけて、なぜその歌が好きなのか、どういうところが好きなのか、一つでも多くみつける。そういうことを考える時間を作ることですね。

やっぱり感じる心がないと音楽って表現できませんし、歌うことも教えることも、人の心を惹きつけるためには、技術だけではなく、いかに相手の心に適度な距離を持ちつつ入れるかですから、いろんな言葉の引き出しや、人生経験をたくさん持っていたほうがいいかと思います。
西潟さんのこれからの夢は?
音楽を通じて周りの人たちを繋げていけることです。生徒さん同士もそうですし、共演するアーティストや、見てくださるお客様同士も仲良くなれるようなステージを広げていきたいですね。
ありがとうございました。
 
取材協力:
MIKIミュージックサロン梅田
三木楽器(株)
〒530-0013
大阪府大阪市北区茶屋町2-19
JPR茶屋町ビル6F
TEL:06-6375-4530
(取材:2014年7月 関西ウーマン編集部) 
 

 

 

 


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