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■海外暮らしの関西ウーマン(メキシコ)
Vol.35 センパスーチルの花、死者の日が近づく、の巻
Vol.35 センパスーチルの花、死者の日が近づく、の巻
オラー、こんにちは。あみりょうこです。めちゃくちゃお久しぶりのコラム投稿です。前回は春のころに投稿したのでそこからもう半年以上が経ちました。朝晩は肌寒い日が増えてきましたが、からりとした秋独特の空気感で気持ちがいいですね。
先日、街を歩いているとマリーゴールドの花壇を見つけました。マリーゴールド(メキシカンマリーゴールド)の花は、スペイン語ではセンパスーチル(cempazúchitl)という名前です。
先日、街を歩いているとマリーゴールドの花壇を見つけました。マリーゴールド(メキシカンマリーゴールド)の花は、スペイン語ではセンパスーチル(cempazúchitl)という名前です。
メキシカンマリーゴールドは、日本で見かけるものよりも花がとても大きくて全体はぽってりと丸みを帯びたような形をしています。このセンパスーチルの花は、死者の日が近づいてくると街のいたるところで見かけていました。
本当に町中がセンパスーチルの黄色やオレンジの色に染まるので、その光景を見ると「ああ、もうすぐ死者の死だなぁ」という気持ちになっていたので、日本で不意にマリーゴールドの花を大量に見かけて、季節もちょうど10月ということで死者の日のことを思わずにはいられませんでした。
日本の駅前にいきなりマリーゴールドの花壇という光景ににわかにテンションが上がり写真を撮って、メヒコの友だちや元上司にその写真を送りました。
すると、「これで今年はあなたも祭壇を作れるね!」という写真を送った人が口をそろえて言ってきたのにびっくりしました。【死者の日には祭壇を作って大切な故人を迎えるのは当たり前のこと、そのためにはセンパスーチルの花が欠かせない】、あるいは【センパスーチルがあるから故人を迎えるための家(祭壇)が作ってあげられる】、というこの花があることへの安堵のようなものを見た気がします。それくらい、この花は故人とこの世をつなぐ大切なものなので、メヒコの人たちにとっては大切な花(そして大切な日)なのでしょう。
祭壇については、このコラムでも以前紹介したことがありますが、メヒコには家の中に常に仏壇的なものが置いてあるわけではないので死者の日の時に故人が戻って来られるようにと祭壇を立てます。
オアハカの死者の日が年々商業的というか、観光客がお祭り騒ぎしているだけみたいだなぁ、とただの飾りのようになってきているように感じられて、住んでいた時はなんだかついていけないなぁ、という気持ちがしていました。上辺の派手な感じに視覚が支配されていて本質が見えにくくなっていたのだと思います。
しかし離れて過ごして2回目の死者の日を目の前にして、センパスーチルの花の写真をメヒコ人に送ってみたことをきっかけに、準備万端で故人を迎えて家族がみんな集まっておいしいものでも食べながらわいわいと過ごす、という死者の日の本来のあり方や、伝統をより濃く感じました。
本当に町中がセンパスーチルの黄色やオレンジの色に染まるので、その光景を見ると「ああ、もうすぐ死者の死だなぁ」という気持ちになっていたので、日本で不意にマリーゴールドの花を大量に見かけて、季節もちょうど10月ということで死者の日のことを思わずにはいられませんでした。
日本の駅前にいきなりマリーゴールドの花壇という光景ににわかにテンションが上がり写真を撮って、メヒコの友だちや元上司にその写真を送りました。
すると、「これで今年はあなたも祭壇を作れるね!」という写真を送った人が口をそろえて言ってきたのにびっくりしました。【死者の日には祭壇を作って大切な故人を迎えるのは当たり前のこと、そのためにはセンパスーチルの花が欠かせない】、あるいは【センパスーチルがあるから故人を迎えるための家(祭壇)が作ってあげられる】、というこの花があることへの安堵のようなものを見た気がします。それくらい、この花は故人とこの世をつなぐ大切なものなので、メヒコの人たちにとっては大切な花(そして大切な日)なのでしょう。
祭壇については、このコラムでも以前紹介したことがありますが、メヒコには家の中に常に仏壇的なものが置いてあるわけではないので死者の日の時に故人が戻って来られるようにと祭壇を立てます。
オアハカの死者の日が年々商業的というか、観光客がお祭り騒ぎしているだけみたいだなぁ、とただの飾りのようになってきているように感じられて、住んでいた時はなんだかついていけないなぁ、という気持ちがしていました。上辺の派手な感じに視覚が支配されていて本質が見えにくくなっていたのだと思います。
しかし離れて過ごして2回目の死者の日を目の前にして、センパスーチルの花の写真をメヒコ人に送ってみたことをきっかけに、準備万端で故人を迎えて家族がみんな集まっておいしいものでも食べながらわいわいと過ごす、という死者の日の本来のあり方や、伝統をより濃く感じました。
先日、祖母の家に行きました。コロナが始まってなかなかしょっちゅうは遊びに行けないのですが、久しぶりに会っていろいろ話をしました。
「ほんまにこのコロナはかなわんなぁ」というようなことも話題に上がると「家族のだれもコロナにならへんように毎日仏壇に、みんなを守ってくれ~!、って仏さんに言うてるからな!」とおばあちゃんが話していました。
日本もお盆やお彼岸などがあるのでその時期になると仏さんや故人に思いを馳せる気持ちが強くなりますが、毎日仏壇に手を合わせているおばあちゃんは、日常的に仏さんや家族のつながりをこの世もあの世も越えてめっちゃ身近に感じているのかな、という気がしました。
メヒコと日本、表面的には違いばかりが目に付くのですが、深いところでとても良く似ているな、と気づかされることがたくさんあります。
今年は祭壇を作ってみようかな、だって作れるしな、と思っている死者の日直前の今日この頃です。
それでは、¡hasta luego!(また次回!)
「ほんまにこのコロナはかなわんなぁ」というようなことも話題に上がると「家族のだれもコロナにならへんように毎日仏壇に、みんなを守ってくれ~!、って仏さんに言うてるからな!」とおばあちゃんが話していました。
日本もお盆やお彼岸などがあるのでその時期になると仏さんや故人に思いを馳せる気持ちが強くなりますが、毎日仏壇に手を合わせているおばあちゃんは、日常的に仏さんや家族のつながりをこの世もあの世も越えてめっちゃ身近に感じているのかな、という気がしました。
メヒコと日本、表面的には違いばかりが目に付くのですが、深いところでとても良く似ているな、と気づかされることがたくさんあります。
今年は祭壇を作ってみようかな、だって作れるしな、と思っている死者の日直前の今日この頃です。
それでは、¡hasta luego!(また次回!)
あみ りょうこ
1982年大阪生まれ、兵庫育ち。メキシコのオアハカ州での暮らしを経て、2020年から日本に。 ものつくりが好きで、オアハカで版画に出会い制作を続けている。
HP:http://mexicot.wordpress.com
instagram:ninjacco
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