HOME ■海外暮らしの関西ウーマン(メキシコ) Vol.30 死者の日、の巻 前のページへ戻る
■海外暮らしの関西ウーマン(メキシコ)
Vol.30 死者の日、の巻
Vol.30 死者の日、の巻
オラー、こんにちは。あみりょうこです。朝晩が急に冷え込むようになりました。秋が深まってきて、木々の色が変わっているのもちらほらと見かけるので目でも季節が変わるのを楽しんでいます。
先月もそうだったのですが、「実際の行事が終わってから言う」というやつ。
本来なら、「もうすぐこういうことがあります、紹介します」というのが筋なのでしょうが、現地にいない今、向こうに住んでいるときに当たり前だと思っていた行事が日本にいるともはやそれは当たり前ではなく、少し距離のあるところからじいっと眺めるという状態です。
「熱量」とか「熱気」というのは自分が実際にいるときに最も感じるものですが、「想い」というものは実は遠くにいる方がより深く感じるものなのかもしれない、という風に最近は思っています。
先月もそうだったのですが、「実際の行事が終わってから言う」というやつ。
本来なら、「もうすぐこういうことがあります、紹介します」というのが筋なのでしょうが、現地にいない今、向こうに住んでいるときに当たり前だと思っていた行事が日本にいるともはやそれは当たり前ではなく、少し距離のあるところからじいっと眺めるという状態です。
「熱量」とか「熱気」というのは自分が実際にいるときに最も感じるものですが、「想い」というものは実は遠くにいる方がより深く感じるものなのかもしれない、という風に最近は思っています。
さて、今月は「死者の日」について少し書いてみようと思うのですが、こちらは11月はじめの行事でした。メヒコの「死者の日」。年々世界中、そして日本でもその知名度が上がっているメヒコの行事です。
日本のお盆のように、ご先祖さまたちが帰ってくるのでそれを一緒にお祝いするというものです。日本国内でも、地域によってお盆のお祝いのされ方が違うように、メヒコでも地域によってそのお祝いのされ方は異なるようです。
日本のお盆のように、ご先祖さまたちが帰ってくるのでそれを一緒にお祝いするというものです。日本国内でも、地域によってお盆のお祝いのされ方が違うように、メヒコでも地域によってそのお祝いのされ方は異なるようです。
ミチョアカン州のパツクァロ湖やオアハカなどの伝統がより色濃く残る地域のものが世界では紹介されているのでよく知られているのではないでしょうか。
数年前の映画「リメンバーミー」では、その伝統をより忠実に表現するためにオアハカで入念な取材がされたと聞いています。(映画が始まってすぐにオアハカらしき景色が目に飛び込んできて、私は開始2分ですでにうるうるしていました。笑)
数年前の映画「リメンバーミー」では、その伝統をより忠実に表現するためにオアハカで入念な取材がされたと聞いています。(映画が始まってすぐにオアハカらしき景色が目に飛び込んできて、私は開始2分ですでにうるうるしていました。笑)
オアハカに住んでいた時に「死者の日のお祭り騒ぎ感の上昇が、年々止まらない」、というのを感じていました。
街をあげてデコレーションしたり、パレードが行われたり、ガイコツの姿で練り歩いたり、ただむやみに大騒ぎする人たちを見ながら「死者の日ってこんな感じやったっけ?!」となにか、違和感のようなものを感じていました。
私がどうこう言うことではないので、ただもやもやとしたものが自分の中に渦巻いている変な感じでした。
街をあげてデコレーションしたり、パレードが行われたり、ガイコツの姿で練り歩いたり、ただむやみに大騒ぎする人たちを見ながら「死者の日ってこんな感じやったっけ?!」となにか、違和感のようなものを感じていました。
私がどうこう言うことではないので、ただもやもやとしたものが自分の中に渦巻いている変な感じでした。
ある年、なんとなくバスに乗って「この辺にお墓はありますか?」とたずねてお墓に足を運んだことがあります。ちょうど週末だったその年は、日曜日の昼下がりでお墓には人の姿がありました。
センパスーチル(マリーゴールド)やクレスタデガジョ(ケイトウ)の花でそれぞれのお墓が飾り付けられ、家族連れらしき人たちがお墓の前でピクニックさながらわいわい飲んだり食べたりいるのが印象的でした。
センパスーチル(マリーゴールド)やクレスタデガジョ(ケイトウ)の花でそれぞれのお墓が飾り付けられ、家族連れらしき人たちがお墓の前でピクニックさながらわいわい飲んだり食べたりいるのが印象的でした。
たぶん私の中にそういう死者の日の風景が根底にあったので、年々華美にとにかく派手に派手に変貌して規模を拡大する死者の日フィーバーについて行けてなかったのだと思います。
オアハカは観光の町なので、もちろんそういう特別な行事が御客を呼び込む資源になっていることは否定しませんし、そのことで町がにぎやかになっているのも確かです。
今年はコロナのせいでイベントは軒並みキャンセルで、人もまばらでさみしいもんよ、とオアハカの友だちが言っていました。
オアハカは観光の町なので、もちろんそういう特別な行事が御客を呼び込む資源になっていることは否定しませんし、そのことで町がにぎやかになっているのも確かです。
今年はコロナのせいでイベントは軒並みキャンセルで、人もまばらでさみしいもんよ、とオアハカの友だちが言っていました。
とはいうものの、死者の日が近づくにつれてInsgargamのフィードなどには死者の日関連の写真をぽつぽつと見かけるようになりました。
故人のために設置された祭壇や、何気ない風景がオアハカで見ていたそれたちよりも妙に心に刺さった気持ちでスマホを握りしめ、遠くのオアハカを想いました。
故人のために設置された祭壇や、何気ない風景がオアハカで見ていたそれたちよりも妙に心に刺さった気持ちでスマホを握りしめ、遠くのオアハカを想いました。
観光客がいてもいなくても、彼らは故人を偲んで優しく迎えるのです。今年も帰ってきた故人とともに良いひと時を過ごしたことでしょう。
帰ってきた故人たちは、「あれ?なんか静かやな、今年。え?コロナ??ソーシャルディスタンス?」と不思議がったのでしょうか。
帰ってきた故人たちは、「あれ?なんか静かやな、今年。え?コロナ??ソーシャルディスタンス?」と不思議がったのでしょうか。
先月くらいから新米を口にする機会が増えて、コロナやけどこうして自然はいつもと変わらずおいしいものを提供してくれるのだなぁ、としみじみした気持ちでおいしいお米をかみしめています。
自然や伝統の偉大さというかすごさやを通年よりも感じている2020年な気がします。気が付けば、今年のしっぽもそろそろ見えてくるのですね。
それでは、また次回!Hasta luego!
*写真はすべて昨年度以前のものです。
自然や伝統の偉大さというかすごさやを通年よりも感じている2020年な気がします。気が付けば、今年のしっぽもそろそろ見えてくるのですね。
それでは、また次回!Hasta luego!
*写真はすべて昨年度以前のものです。
この季節は毎年必死のパッチでカレンダーをつくっています。
版を作って刷ってというのを全部手作業でしています。新しい年に願いを込めて。
あみ りょうこ
1982年大阪生まれ、兵庫育ち。メキシコのオアハカ州での暮らしを経て、2020年から日本に。 ものつくりが好きで、オアハカで版画に出会い制作を続けている。
HP:http://mexicot.wordpress.com
instagram:ninjacco
■海外暮らしの関西ウーマン(メキシコ) 記事一覧
-
マリーゴールド(メキシカンマリーゴールド)の花は、スペイン語ではセンパスーチルという名前です。
-
ソカロは、メヒコの町にはどこにでもある「その街の中心にある広場」です。
-
タマーレスはトウモロコシの粉を使って作られた食べ物で「ちまき」のようなもの
-
1月6日は東方三博士がキリスト誕生を祝い贈り物をもってやってきた日。そしてロスカという特別なパンを食べる日。
-
ポンチェはクリスマスのころによく飲まれる、くだものがたくさん入った冬の定番暖か飲み物です。
-
11月はメヒコの行事「死者の日」。今年はコロナであまりの静かさに故人たちも不思議がったのでしょうか。
-
9月の独立記念日はメヒコ人たちの愛国心をとても感じる、「ビバメヒコ(メキシコ万歳)!」色の濃い1か月です。
-
日本にあるものを見てふいにメヒコで満たされる瞬間が。そういう時は大体食べ物に関連しているようです。
-
メヒコの店の看板はゆるさが爆発しているものが多いのです。
-
メヒコにも黒人の人たちがいるのです。彼らは「アフロメヒカーノ」と呼ばれる人たちです。
-
肉厚な丸い背中をみると、この人のつくるタコスならうまいに違いないと食欲も倍増する心地。
-
ニエベとは手作り「オアハカアイスクリーム」のこと。選ぶときに迷ってしまうほど、味のラインアップが多いです。
-
3月8日は、”International Women’s Day”、日本語で「国際女性デー」でした。
-
私には何人かマエストロとよんでいる先生たちがいます。マエストロキンタスもその一人で活版印刷の師匠です。
-
CDMXはオアハカとは一味違うパワフルな町。私の中では、東京に行くような感覚です。
-
もしオアハカでかごを付けたおっちゃんがさっそうと自転車で駆け抜けていたら、それはドンハイメです。
-
不思議な飲み物「テハテ」は、飲むと元気が湧いてくるエナジードリンクだぜ!
-
路上軽食のおばちゃんたちが作るものはおいしいに決まっていて、ついつい通ってしまうのです。
-
人間の適応能力の高さもなかなか捨てたものではないと思ったオアハカ暮らし5年目
-
作り手であったり職人であったり、お店の人との距離が近いところはメヒコの好きなところ
-
旅と長時間の入国手続きの疲れでぐったり。パワーを補給するためはポソレがおすすめ。
-
オアハカは食天国で民芸品の宝庫。今回はメルカド(市場)のご飯を中心に紹介したいと思います
-
4月はセマナサンタといういわゆる「復活祭」というカトリックの大きなイベントがありました。
-
CDMXとはメキシコシティ。ハカランダの花が満開でした。
-
おそらくどこにも取り上げられていないであろう食堂の話
-
チョコレートの原産がメヒコだということをご存知ですか?実はメヒコ発の食べ物なのです。
-
こんなお祝いをする地域があったとは。メヒコもまだまだ知らないことばかりだなとわくわくした新年の幕開けでした
-
12月といえばメヒコは一気にクリスマスムード。まず、デコレーションへの意気込みが違います。
-
メヒコでは、10月の終わりから11月の2日まで、「Día de los muertos」(死者の日)というお祭りでした。
-
タクシーがまるでプレゼントのようにリボンや生花で飾られている、Día del taxistas(タクシー運転手の日)
-
9月16日は独立記念日なのです。国が侵略されてそこから再び独立した、というメヒコではこの日は盛大に祝われます。
-
今回は「あみのアミーゴ」ではなく「あみのアミーガ、編み物のおばちゃん編」をお送りします。
-
オラー、ブエナスタルデス! 今回はメヒコのおすすめ町歩き「メルカド(市場)」のことを紹介したいと思います。
-
今回から無性にメヒコに行ってみたくなるような情報をお届けします。となればまずは食。メヒコの食はおいしいのです。
-
『オラ!ムーチョグスト!(どうも、はじめまして)』版画アーティスト、あみりょうこさんのメキシコ便り