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■海外暮らしの関西ウーマン(メキシコ)
Vol.32 ロスカ、の巻
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■海外暮らしの関西ウーマン(メキシコ)
Vol.32 ロスカ、の巻


Vol.32 ; ロスカ、の巻
オラー、こんにちは。あみりょうこです。2021年が始まりました。久しぶりの日本のお正月でした。お餅を食べたり、お笑い番組を見たり、何ともないようですが、こういうお正月は久しぶりだったので妙に新鮮でした。
年末、12月25日を過ぎてからは一気に正月のムードが漂い、しかし、成人の日を過ぎた今、お正月ムードはもうほとんどなくなり(それよりも今年はずっとコロナ一色だからというのもあると思いますが……。)、スーパーマーケットなどでは恵方巻の予約のアナウンスが流れたりしてします。
そういうわけなので、もちろん街中でクリスマスツリーなんかを見かけることはないわけですが、カトリックのクリスマス関連のお祝いは年をあけても続きます。
1月6日は東方の三博士が、キリストの誕生に際して贈り物をもってやってきたという日だそうです。メヒコでは、それになぞらえて、この日もプレゼントをもらえる子供もいるそうです。
そして、この日の目玉イベントと言えば「Rosca de Reyes(ロスカデレジェス)」という特別なパンを食べることです。
年末、12月25日を過ぎてからは一気に正月のムードが漂い、しかし、成人の日を過ぎた今、お正月ムードはもうほとんどなくなり(それよりも今年はずっとコロナ一色だからというのもあると思いますが……。)、スーパーマーケットなどでは恵方巻の予約のアナウンスが流れたりしてします。
そういうわけなので、もちろん街中でクリスマスツリーなんかを見かけることはないわけですが、カトリックのクリスマス関連のお祝いは年をあけても続きます。
1月6日は東方の三博士が、キリストの誕生に際して贈り物をもってやってきたという日だそうです。メヒコでは、それになぞらえて、この日もプレゼントをもらえる子供もいるそうです。
そして、この日の目玉イベントと言えば「Rosca de Reyes(ロスカデレジェス)」という特別なパンを食べることです。

このような、リース状になったパンがロスカと呼ばれているものです。死者の日の時には、パン屋さんは死者の日のパン一色になりますが、ロスカの季節もまた、このパンだらけになっています。
家族や職場で切り分けて食べられることが多いので、サイズも様々。小さなものから、大きいものだと直径50センチ(長いほうの)以上はあるんでないか、というくらい大きなものがあります。
ロスカの面白いところは、自分で食べたい分だけ切って食べるというところです。アテと呼ばれるくだものから作られた羊羹みたいなものや、メロンパンの皮のようになったところなど、切り分けるところによって表面の味が微妙に変わるので自分で好きなところをとっていいというのはうれしいし、みんながどこを切り分けるのかを見るのも楽しいです。
家族や職場で切り分けて食べられることが多いので、サイズも様々。小さなものから、大きいものだと直径50センチ(長いほうの)以上はあるんでないか、というくらい大きなものがあります。
ロスカの面白いところは、自分で食べたい分だけ切って食べるというところです。アテと呼ばれるくだものから作られた羊羹みたいなものや、メロンパンの皮のようになったところなど、切り分けるところによって表面の味が微妙に変わるので自分で好きなところをとっていいというのはうれしいし、みんながどこを切り分けるのかを見るのも楽しいです。

誰か最初の人がナイフを入れたら、日本だと次の人はその真横を律儀に切り分けていきそうですが、メヒコでは本当に自分の食べたいところをみんな切り取って食べていたので、こういう小さいところにお国柄が出るなぁ、と感じていました。
好きな部分を好きなだけ食べられる楽しいパンロスカは、これだけでは終わりません。
なんと、パンの中に白いジーザスの人形が埋め込まれているのです。
好きな部分を好きなだけ食べられる楽しいパンロスカは、これだけでは終わりません。
なんと、パンの中に白いジーザスの人形が埋め込まれているのです。

だいたいは、手を前で合わせてお祈りしているような赤ちゃんの白い人形です。これを引き当てた人は、幸運を引き当てたとみなされロスカを囲んだ人たちにその幸運をシェアするという意味で、2月2日のDía de candelaria(聖燭祭)にタマーレスをごちそうしなければなりません。
地域によっては食事会を開いたりするというところもあるようですが、メヒコの場合はタマーレスを送る、ということになっています。
ちなみに聖燭祭というのは、wikipediaによると、「イエス・キリストが聖母マリアとナザレのヨセフによって神殿に連れて来られた際の出来事を記憶して祝う」日なのだそうです。
これも場所によりますが、この日にクリスマス関連行事の終わりとして、クリスマスツリーなどを燃やしたりするそうです。そうして考えると、日本のとんど祭りのようですね。
地域によっては食事会を開いたりするというところもあるようですが、メヒコの場合はタマーレスを送る、ということになっています。
ちなみに聖燭祭というのは、wikipediaによると、「イエス・キリストが聖母マリアとナザレのヨセフによって神殿に連れて来られた際の出来事を記憶して祝う」日なのだそうです。
これも場所によりますが、この日にクリスマス関連行事の終わりとして、クリスマスツリーなどを燃やしたりするそうです。そうして考えると、日本のとんど祭りのようですね。

切り分けていると、ちょうどナイフがベイビージーザスの真ん中あたりをかすめて、切れ目から赤ちゃんの足や頭部がニョキッと出ていたり、なかなかインパクトのある光景にも出会ってドキッとしますが、ホットチョコレートとみんなと一緒にわいわいパンを食べるのは楽しいものです。(ベイビージーザスはプラスチックでできているので、真っ二つに切れるということはありません。ほっ。)

語学学校で働いていた時は、学校のスタッフや生徒のみなさんとわいわいいいながら食べる楽しい時間でした。ただ、ジーザスを引き当てようものなら
「あーーーーー!!!!ジーザス引いたな!!はい、2月タマーレスー!!」
とスタッフにやいやい言われるので(そして言い方がもはや罰ゲームの宣告。)、かなりどきどきしながらパンを切り分けていた思い出があります。
私はメロンパン生地になったところが好きだったので、そこを食べたいし、ベイビージーザスはできれば当たりたくないという気持ちのせめぎあいです。
「あーーーーー!!!!ジーザス引いたな!!はい、2月タマーレスー!!」
とスタッフにやいやい言われるので(そして言い方がもはや罰ゲームの宣告。)、かなりどきどきしながらパンを切り分けていた思い出があります。
私はメロンパン生地になったところが好きだったので、そこを食べたいし、ベイビージーザスはできれば当たりたくないという気持ちのせめぎあいです。

日本ではあまり食べ物に者をねじ込んだり隠したりという文化がないので面白いですよね。恵方巻から鬼のプラスチックの人形とか出てきたら逆に怖そうですが。
今年はロスカが食べられず残念でしたが、一年の始まりなのでロスカの代わりに餅でも食べて今年の健康と平和を祈りたいと思います。
それでは、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
*写真はすべて昨年度以前のものです。
今年はロスカが食べられず残念でしたが、一年の始まりなのでロスカの代わりに餅でも食べて今年の健康と平和を祈りたいと思います。
それでは、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
*写真はすべて昨年度以前のものです。

あけましておめでとうございます。
健康と穏やかに過ごせるのが本当に一番!!と感じずにはいられないこの時期だからこそ、祈るような気持でつくった今年の年賀状です。

あみ りょうこ
1982年大阪生まれ、兵庫育ち。メキシコのオアハカ州での暮らしを経て、2020年から日本に。 ものつくりが好きで、オアハカで版画に出会い制作を続けている。
HP:http://mexicot.wordpress.com
instagram:ninjacco
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