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■関西ウーマンインタビュー(起業家)


八田 明美さん(花あそび 春音)

切り花から始まって、行き着く先は森

八田 明美さん
花あそび 春音
季節の生花や観葉植物、鉢植を扱うお店を営みながら、リースや押し花といった作品づくり、作庭や剪定、植え替えといった造園のお仕事など、植物に関わる仕事に幅広く携わる「花あそび 春音(しゅんおん)」の八田明美さん。

大学卒業後、会社員として5年ほど働いておられましたが、27歳の時にお花に関わる仕事をしようと思い立たれたそうです。なぜお花だったのか、その理由やきっかけは「本当に『お花が降りてきた』という感じだったんです」と、八田さん自身も謎と言います。

お花や植物に対する深い想いや接点があったわけではなく、「お花にしよう」とほとんどひらめきに近いところからスタートして30年。長きに渡り、植物に関わる仕事をされるに至ったわけとは?
ある日、「お花」が降りてきて
前職は食品メーカーの営業事務職だったそうですが、お花に関わる仕事を始めるきっかけは何だったのですか?
はじまりのちいさなきっかけは、高校生の頃にさかのぼります。

当時所属していたフォークソング同好会の活動で出会った人から誘われて、野外コンサートに行きました。そこで、エネルギッシュな人たち、強いメッセージ性などに衝撃を受け、音楽イベントの企画に携わりたいと思ったことが、そもそものはじまりにあるんです。

結局、大学で広告に興味を持ち、その分野に進んだのですが、「思っていたのと違う」という小さな挫折をして、食品メーカーに転職しました。その傍ら、大学卒業後からずっと、音楽イベントの手伝いをしていたんです。

芸大出身であり、音楽イベントに関わっていたということもあって、私のまわりには音楽活動をしたり絵を描いたりなど、自己表現を楽しんでいる人たちがたくさんいました。その姿に刺激を受けて、私も何か自己表現としてできることがあったらいいなって。

年齢も30代目前。この先ずっと会社勤めをしているイメージも湧かなかったので、それを仕事にできたらいいなと思うようになっていました。

私には何ができるんだろう。そう考えていたところ、「お花」が降りてきたんです。
なぜ、お花だったんですか?
それが、自分でも謎なんです(笑)。それまでお花に興味を持ったこともありませんでした。

思い返せば、小学生の時に大阪の下町から奈良の新興住宅地に引っ越し、開発途中の住宅地だったので自然が多く残っていて、両親が山にわらびを取りに行っていたな、庭づくりをしていたな、ハイキングに連れて行ってもらったなという記憶がありました。

また、当初は「お花で表現する」といえば、ウインドウディスプレイというイメージがあったので、まちなかで見かける華やかなお花のウインドウディスプレイの影響を受けていたのかもしれません。

すべて後付けした理由なので、当時の私がそこまで意識していたかどうかはわかりません。本当に「お花が降りてきた」という感じだったんです。

その後まもなく「お花に関わる仕事をします」と宣言して、食品メーカーを退職しました。具体的にどうするのかを決めぬままに、です。
なぜかはわからないけれど「お花にしよう」と思い立って、すぐに行動に移されたのですね。

お話しをうかがった感じでは、深い想いや接点があったわけではなく、ひらめきに近いところからスタートされたように思いました。そこからどのようにして、今のように植物に関わる仕事をされるようになったのですか?
お花に対する知識が何もない状態でしたので、まずは学ぼうと思い、スクールに通うことにしました。

スクールもどんな基準で選んだらいいのかがわからず。フラワースクールを紹介している本を見ていると、入学金や授業料が高いところが多かったものですから、一番安いところを選んだんです。

それがたまたま東京のスクールで、関西から月2回通うことになるのですが、月謝が一番安かったとはいえ、交通費を考えると、ほかとあまり変わらなかったかもしれませんね。

そのスクールの先生は、アレンジの形よりも、植物についていろいろと教えてくださる方で、私は植物の魅力にひき込まれていったんです。
植物のどんな魅力にひき込まれたのですか?
植物に目覚めた最初のきっかけは、ハーブでした。

レッスンはマンションの一室で行われていて、先生がベランダでハーブを育てておられました。そのハーブを切って、お花と生けることもあって、持ち帰って花瓶に差していたら、根っこが出てきたんです。

土に植えてみたらどうだろうと思って、植えてみたら、今度はぐんぐん育っていきました。「ええー、育つんや」ってびっくり。育ったハーブをお茶に入れたら、とてもすっきりしていておいしい。

植物に対する知識がない状態からのスタートだったので、そんな一つひとつの出来事が感動的だったんです。

それから、ペパーミントやコリアンダー、ローズゼラニウム、タイム、ラベンダー、ローズマリー、カモミール、セージなど30種類ほどのハーブを庭に植えて育てるようになり、お茶に入れたり、料理に使ったり、喉が痛い時に薬代わりにしたりするなど、本を見ながら研究するようになっていました。

そんな日々を過ごしていると、「ああ、植物も生命があるものなんだな」「植物と共生しているんだ」と実感したんです。
植物のおもしろさに目覚めたことで、お花に関わる仕事をすべく、さらに邁進されていくのですね。お花に関わる仕事はさまざまある中で、自身でお店を開店するきっかけは何だったのですか?
独立しようとも、お店を開こうとも、思ってもみませんでした。

スクールに通っていた2年間は大手ホームセンターでドライフラワー担当として働き、その後は生花も勉強しようと生花店で働いていたんです。

その生花店では、アレンジメントのほか、園芸などの経験もさせてもらい、おそらく何事もなければそのまま働き続けていたのではないかなと思います。それが、5年ほど経ったある日、閉店することになったんです。

この時もまた、「お花」が降りてきた時と同じく、「花屋をしよう」と降りてきました(笑)。

私はお花に関わる仕事をしていきたいと思っていましたが、自分で花屋をしたかったわけではありません。でも、ほかの花屋さんで働く選択肢はまったく思い浮かばず、「このお店が閉まるんだったら、自分で花屋をしないとあかんわ!」くらいの勢いで。

その花屋さん以外の花屋さんを知らなかったので、ほかに働いてみたい花屋さんがなかったのかもしれません。これも後付けした理由ですから、どうしてその選択をしたのかは謎なんです。

園芸について少し勉強しておきたいと園芸店で1年ほど働いた後、2000年に「花あそび 春音」を開店しました。
お花に関わる仕事をしようと思われてから10年後に、ご自身のお店をオープンされたのですね。
自分でも、まさかこんなことになるなんて想像もしてみませんでした。もう導かれてきたという感じなんです。

振り返れば、お花については「薔薇の花は見知っているかな」というくらい、何も知らないところからのスタートでした。逆に、それがよかったのかなとも思うんです。

「何も知らない」という、先入観も、既成概念もない、真っ白な状態だったから、いろんなことが新鮮で、どんどん吸収できたのかなと思います。
交流が、仕事の広がりや新しいことへの導ちに
開店されてから2020年で20年。これまでにどんな「壁」または「悩み」を経験されましたか?
独立やお店を開くことはまったく考えていなかったので、資金を貯めておらず、借金をしてお店を始めたものですから、資金繰りなど経済的な悩みが1年目からずっとあります。

開店当初は好きなライブや映画に行ったり、まちに出かけたりする余裕もなくなりましたし、特にふさぎ込んでいた時期は仲良くなったお客さまにランチに誘われても行く気になれなくて、つらかったんです。

お店は大きな通り沿いにあるものの、少し奥に入ったところなので、気づいてもらいにくく、どうやったらお客さまに来てもらえるだろうって。

お店のウェブサイトを作成ツールを使って自分でつくったり、DMを送ったり、外にテーブルといすを出してハーブティーを提供したり。1人で一所懸命な日々でした。

誰にも相談できず、自分が頑張るしかないと1人で抱え込んでしまう、しんどい時期が7年ほど続いたんです。
7年とは長い歳月ですね。その7年目に、何か変化が訪れたのですか?
一般的な花屋さんにあるような、ベーシックなお花を扱っていませんし、所狭しと並べてもいません、保存用のキーパーも置いていません。

店内を見ていただいたらわかる通り、観葉植物や植木など緑の中に色添えとして季節の花を取り入れるようにしているので、花屋らしくないと思います。

開店当初はお花をメインとしていたものの、季節のお花を花瓶に入れて店内に点在させるなど、当時から花屋としてはちょっと変わっていたかなと思うんです。

「植物を通して人とつながるコミュニティの場になればいいな」との想いはあったものの、こだわりや意図があってそうしていたというより、結果的にそうなっていたという感じが強いので、自分でもよくわからないのですが、お客さまの間では「ちょっと変わった花屋さんがあるよ」ということで、口コミが広まっていきました。

「ちょっと変わった花屋さん」ということで広まっていったからでしょうか。お客さまも個性的な方が多く、話が合って仲良くなるお客さまが徐々に増えていきました。

ある時、いつものように世間話をしていたら、常連のお客さまが服をつくっているという話になって、「なんか一緒にできるといいですね」と盛り上がったんです。

そこで、木工家具作家の友だちも誘って、店内で「布花木展」を開催したところ、お客さまからの反応がすごくよくて。翌年は天然酵母のパンを焼いている友だちと一緒に店内でカフェイベントを開催したら、こちらも好評。

その翌々年の2009年から、さまざまな手づくりをしている人たちと一緒にイベントを企画して開催するようになりました。

誰かと一緒にイベントをするという出来事を通して、心の固いものがほぐれていったんです。
「心の固いものがほぐれた」とは?
経済的な悩みが解決できたわけではありませんが、意識が変わったというのでしょうか。

それまでの7年は1人で一所懸命だったけれど、誰かと一緒に何かをするって楽しい、自分1人ではできないことができるということに気づいたんです。

ただ単純に、楽しいことや笑えることがたくさんあると、しんどいな、つらいなと思うことがあっても、乗り越えられるのかなとも思います。

そんなふうに植物を通してつながった人たちとの交流が、仕事の広がりになり、新しいことへの導きにもなっていったんです。
交流が、どんな仕事の広がりや新しいことへの導きになったのですか?
たとえば、開店して10年目の2010年からは、お店の外に出ていくようになりました。

きっかけは、定期的に植え替えをしているブティックのオーナーから、セール時に店頭で花屋をしてくれないかとの依頼があったことでした。最初はお店以外で花屋ができるのかなと思ったのですが、花瓶とお花を持参して出前花屋をしてみたら、みなさんが喜んでくださって。

さらには、木工家具作家の友だちが作品展を開催する時に、一緒にしようと声をかけてくれました。そんなに作品をつくっているわけではないのでできるのかなと思ったのですが、リースのほか、友だちがつくった額縁に押し花を飾ったり、木工家具に合うように観葉植物を選んだり。作品展もできるんだって。

それまで、ずっとお店にいないといけないと思ってきました。

だから、イベントもお店の中でできることを考えてきたのですが、外に目を向け始めると、いろんな可能性が広がり、さらにいろんな人たちとも出会え、つながることができました。

ブティックのオーナーが声をかけてくださらなかったら出前花屋をしなかったでしょうし、友だちが声をかけてくれなかったら作品展をすることもなかったでしょう。

そのほかにも、「こんなことはできませんか?」「こんなことをしませんか?」と声をかけてくれる人たちがいたから、当初は切り花を扱うだけだったのが、リースづくりのワークショップ、植え替え、庭づくりなど、植物に関わる幅広い仕事ができるようになったんです。

自分が「こうしたい」「ああしたい」と選んできたというより、出会いに導かれてこうなったという感じがしています。
きっかけは誰かから声をかけられたことであっても、その時に「やってみよう」と行動に移せることが素晴らしいと思います。
すごく好奇心旺盛なんです。やりたいと思うことは、何でもやってみるタイプかもしれません。

たとえば、庭づくりの仕事を始めたきっかけも、お客さまから「できますか?」と聞かれたのがきっかけでした。園芸店に勤めている時に少ししたことのある程度で、自分にできるかどうかなんてわからなかったんですが、「やりたいです!」って。

依頼内容も「ここを少し植え替えてほしい」から始まり、「ベランダのコンテナガーデンをお願いできますか?」「花壇をつくれませんか?」「庭をリフォームしてもらえませんか?」と広がっていきました。

依頼をいただくたびに、本を読んだり、詳しそうな方に聞いたり、最近では庭師さんなどのプロと一緒に仕事をしたりするなど、経験しながら勉強していたら、できることが増えていったんです。

できるかどうかはわからないけれど、「やりたい」というところから始まっています。
植物の先に広がる、自然
お仕事をされる中で、いつも心にある「想い」は何ですか?
2011年の東日本大震災の後、お客さまから被災した友人に寄せ植えを送ってほしいと注文を受けました。

後日、そのお客さまから「友人から『被災して間もない頃に花屋さんが再開されていて、こんな食べるものや着るものが必要な時にどうしてお花なんだろうと思っていたけれど、そのお花にすごく癒された。そして、送ってくれたこの寄せ植えにも』と青空をバックに笑顔の写真が送られてきたよ。春音さんは瓦礫を運ぶことはできなくても、植物で人の心を癒しいくことができるんだよ」とメールをいただきました。

植物の持つ力はやっぱりすごいなって。その力を、私は伝えていきたいんだと改めて思ったんです。

この出来事の後から、観葉植物を多く扱うようになりましたし、仕入れ先も市場だけではなく、生産者を訪ねるようになったほか、実際に生産地を見に行くようにもなりました。

これまでずっと切り花の目線できていたのが、いろんな植物に目を向け始めると、植物に関わる仕事も花屋、植物屋、植木屋、庭師、造園などの幅広い分野があって、いろんな人たちがいろんな想いを持っていることに気づきました。

この出来事が植物の第二の目覚めとなり、植物の世界が広がって、ますます奥が深いものになっていったんです。
フラワースクールで学び始めた時に、ハーブをきっかけに第一の目覚め。それからお花に関わる仕事をすべく、邁進されてこられました。

この第二の目覚めによって、どんなふうに植物の世界を広げ、深めることができたのですか?
枝物などを山から切って出荷している卸問屋さんから仕入れるようにもなり、商品として生産されたものとは違い、自然が育んだものの生命力の強さを感じて、植物の見方がまた変わったんです。

今、私の目の前にあるこの植物は、自然の中でどんなふうに植わっているのだろうと想像するようになって、植物の向こう側には自然があるんだなということが感じられるようになりました。

行き着く先は森なのかなと、最近は思っています。
「行き着く先は森」とは?
植物は生きています。

もともとはお花のウインドウディスプレイをしたいと思っていましたが、表面的な美しさだけをみせることはしたくないと思うようになりました。売れるために品種改良し、消耗品のように扱われるなど生産性に重きを置いた植物はかわいそうだなとも思うんです。

確かに、私はこれまで生産性に重きを置いた植物たちを扱ってきましたし、そういった植物をきっかけに魅力に引き込まれていったのは事実で、人が植物を好きになるきっかけとしてはいいと思っています。

でも、よくよく考えると不自然なところがいっぱいあって、これでいいのだろうかと葛藤することもしばしば。まだまだ自分の中でも矛盾していることが多く、悩むところではあるのですが。

ただ想うのは、お客さまに切り花や観葉植物など植物を通して、その先に広がる自然を感じてもらえたらいいなということです。

以前、森に関する講座&ツアーに参加した時、「何百年という歳月をかけて森になっていく」「森レベルで捉えると、立ち枯れした木を治さなきゃではなく、立ち枯れることにより森の中に木漏れ日が差し込み、土の中で待っていた種から新芽が出てくる」など、自然の尊さを感じることがいろいろとありました。

森の視点でものが考えられるということは、今日明日、もしかしたら自分が生きている間だけではなく、何十年何百年も先の未来を考えながら生きることにつながるのかなと思うんです。

そんなふうに、植物や自然が教えてくれることがいっぱいあります。私自身、これまでにいろんなことを教えてもらいましたし、これからもまだまだ教えてもらうと思います。そんなことを伝えていけたらいいなと思っているんです。
「植物や自然が教えてくれることがいっぱいある」「お客さまに植物を通してその先に広がる自然を感じてもらえたら」ということで、八田さんは今後どんなことをしていきたいと思っていますか?
伝えることは、感じてもらうこと。言葉にして具体的に伝えるのではなく、それぞれに感じてもらうことが大切なのかなと思います。

たとえば、花束をつくる時に「これは何の花だろう?」と興味を持ってもらえる提案ができたら、そのお花をきっかけに「これはクルクマです。実はウコンの花なんですよ」と話すことで印象に残り、植物をより身近に感じてもらえるかもしれませんし、想像するきっかけになるかもしれません。

また、お庭は「身近で植物や自然に触れることができる場所づくり」と思っています。心地よいと思ってもらえる場所をつくれたら、植物に触れ合う時間が増えて、興味を持ってもらえることも増えるかもしれません。

これまでとすることは変わらなくても、そこに想いを込めて日々取り組んでいきたいと思っています。
最後に、日常の中で植物を身近に感じる、楽しむヒントを教えてください。
自分の部屋にお花や観葉植物を飾らなくても、まちにはいっぱい緑があります。

私も、家には植物がないんです。でも、窓を開けると、隣のおうちの大きな木が見えます。

今の季節だったらよく茂っていて、秋になったら紅葉して落葉して、冬には木に雪が積もっていることがあり、春になると花が咲きます。

毎朝その木を見ながら朝食を食べるのが日課なんです。

そんなふうに、自分の身近にある植物を見てみてください。通り道にある街路樹などでもいいです。

自分の身近にどんな植物が植わっているのか、その植物が日々どんなふうに変化しているのか。これまでは無意識に見ていたものを、意識して見るだけで、世界が変わると思います。

先ほど「壁や悩み」のところでお話した7年ほど、1人でしんどいなと思っていた時期に、それでも「やめたい」と思わなかったのは、植物に支えられていたからでもあります。

夜に1人でデスクワークをしていて、ふと店内を見たら「見ているよ」みたいな感じで、そこに植物がいたから「1人じゃないんだ」と心が救われたり、家に帰ろうとお店の鍵を閉めていたら、後ろから夜香木の香りがすうぅっと漂ってきて、それだけで疲れが吹き飛んだり。

植物に関わる仕事を始めて30年近くが経つ今も、日々感動することばかりです。

新芽が出た。花が咲いた。枯れるさまも美しい。枯れるまでの一生を見続けたいな。この葉っぱ、めっちゃ細かい。なんで、こんな形になるんだろう。花だと思っていたら、がくだったんだ。こんな道端で、思いきり踏まれているのに咲いているなんて頑張っているな。私も植物みたいに誠実でありたい。

など、飽きないし、尽きないんですよ。
profile
八田 明美さん
大阪芸術大学放送学科広告専攻を卒業後、マーケティング会社に就職。2カ月で退職した後、食品メーカーに営業事務職として5年ほど勤務。花に関わる仕事をすべく、1990年から2年間、フラワースクールに通う。一方で、大手ホームセンターのドライフラワー部門、生花店、園芸店で計8年ほど経験を積み、2000年5月に「花あそび 春音」をオープン。以降、花と植物のお店の運営、リースや押し花といった作品づくり、造園など、植物に関わる仕事に幅広く携わる。
花あそび 春音
大阪府吹田市山田東4-10-3 コモン山田EAST101
HP: https://www.syunonn.com/
Instagram:syunonn1
(取材:2020年8月)
editor's note
「お花」という、なぜそう思ったのかは自分でもわからないけれど、「これだ!」と思ったものに対して一直線に突き進んで、そこでの出会いや発見を大切に、その出会いや発見からさらに進みたい方向性を見い出されて、花から植物、植物から森へと、たどり着かれたのだと感じました。

きっかけや入口、目的、手段、計画などあればいいですが、必ずしも重要ではなく、「やってみたい!」「これだ!」と思うことを見つけたら一歩踏み出してみること。そこから目の前の一つひとつに対して真摯に向き合う中で、ひらけていくこともあるのだと、八田さんのお話をうかがって思いました。

もう1つ、印象に残っていることがあります。

「お店の鍵を閉めていたら、後ろから夜香木の香りがすうぅっと漂ってきて、それだけで疲れが吹き飛んだ」というエピソードがありました。その後、八田さんはその夜香木に感謝の気持ちが自然と溢れたから「ありがとう」と声を出して言っていたそうです。

そんなふうに、人だけではなく、植物に対しても、感謝を口に出して表せるなんて、とても素敵なことだなと思いました。
小森 利絵
編集プロダクションや広告代理店などで、編集・ライティングの経験を積む。現在はフリーライターとして、人物インタビューをメインに活動。読者のココロに届く原稿作成、取材相手にとってもご自身を見つめ直す機会になるようなインタビューを心がけている。
HP: 『えんを描く』

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