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[レポート]年に一度、春に。1年後の自分にお手紙を書こう! 2023

2023年5月&6月開催レポート

年に一度、春に。1年後の自分にお手紙を書こう! 2023

「今日までの1年、どんな1年でしたか?」と尋ねられたら、どう答えますか? 私はついつい、「あいかわらずですよ」「いろいろありましたね」と一言で終わらせてしまいがちです。

でも、1年という月日はあっという間のようでいて、実に濃密で、「あの人と出会ったのも、こんなことをしたのも、まだこの1年のことなんだ」とびっくりすることがあります。1年前の春には想像もしていなかったことが、世界でも、日本でも、まちでも、個人でも、起きます。

めまぐるしく変化していく時代だからこそ、今この瞬間に感じたり思ったり考えたりしていることを、言葉にして丁寧に感じること、残しておくことは大切なんじゃないか。この数年は特に、そう感じています。

出来事を一つひとつ思い出していくと、さまざまな人たちのおかげで今があることを再確認できたり、自分の頑張りが見えてきて「なかなか頑張ってるやん」と自信を持てたり、「こうするといいかも」と新たな可能性を見出せたり、視野が広がって「こうだ!」と思い込んでいたことを「実はああかもしれない」と捉え直せたりするかもしれません。

そこで、新生活や新年度が始まる春に、一度たちどまってみてはどうだろう。そんな想いから「1年を振り返り、1年後の自分に向けてお手紙を書く」ということを、2016年から続けています。

今年で8年目! コロナ禍の3年ほどは、自宅で書いていただいたものをお預かりするスタイルでしたが、今年はひさしぶりに一緒に書く会も開催。そのレポートです。
「大井戸公園」でおさんぽ。ゆるやかに交流しながら、自分自身を感じる時間
お手紙を書く前に、阪急武庫之荘駅から歩いて 5 分ほどのところにある「大井戸公園」でおさんぽ。

ただただ、おしゃべりをしながら、公園内をぶらぶら歩くという時間です。「いいお天気やね」「緑がきれいやね」「木陰に入ると涼しいね」など、何気ない会話を交わすことで、「はじめまして」同士の人も少しずつ、距離感が縮まっていくような。木や緑、花、鳥、風、太陽などが間に入ってくれるからでしょうか。ゆるやかにつながれる感じが、私はたまらなく好きです。

みんなで一緒におさんぽしながらも十人十色。過ぎていく日々の中でふとたちどまり、“今”を感じて心を落ち着かせ、自分自身に戻っていく・・・それぞれが、それぞれの世界観を広げつつ、時々交わりつつの、豊かな時間。

地面に落ちている木の実が「これ、もしかしたら糸を染めるものに使えるかも」と言われたら、とっておきのものに見えてきたり。「一重咲きの薔薇が好きなんですよね」と言われたら、「なるほど~、一重咲きと言うんだ」と花形への興味が湧いたり。1人だったら気づけないこと、見過ごしてしまうことが、誰かと一緒だから気づけたり知れたりして、自分の視点がちょこっと変わる気がします。
5月9日(火)
公園内には、約130種類2000本のバラが栽培されているバラ園があります。

花々の熱量が凄まじく! 凛とする香りにも「ハッ!」と、いい香り。

「たそがれ」「早春」「ペルル ド ソワレ」「ローズアマガサキ2016」、名前と、花の形や色と、佇まいを見て、「あぁ、だから、この名前なんだ」「雰囲気にぴったり」など楽しみました。
5月28日(日)
公園内にはある大井戸古墳。静けさと、深さと、このまわりだけ、なんか雰囲気が違います。木々の緑のきらめき、ゆらめきが、なんとも心地よいのです。

そうそう、前回5月9日に凄まじい熱量で咲き誇る花々を見たバラ園。あの時点でピークを迎えていたのではと思っていたのですが、あの時は蕾だったのだろう、新しい花々が! 雰囲気が変わっていました。

そして、バラ園を囲むようにあるのは紫陽花。6月開催時には咲いているかなぁと楽しみに。
6月22日(木)
今回はやたら、古墳のふさふさ、わさわさした感じが気になって。

5月28日の写真と見比べてみたら! 落ち葉で埋め尽くされていた表面に、草が生い茂ったんだとびっくり! また、雨降りの後だったからでしょうか。木々の幹の苔が、みずみずしくて、深い色合いで、際立って見えて。

「こんなにも、緑が美しかったっけ?」と、何度もここを訪れているはずなのに、はっとせずにはいられませんでした。そして、楽しみにしていた紫陽花! 花もそうなんですけど、この大きくて立派な葉っぱに心惹かれます。
一緒に訪れる人によっても、季節によっても、日によっても、天気によっても、全然見え方が変わるから。その度に発見があっておもしろいものです。

このおさんぽ時間は何分くらいだと思いますか?

実はたった15分ほどなんです。「もう、15分も経ったの!」とびっくりするくらい、あっという間で。「え、まだ15分しか経っていないの?」と不思議なくらいの、濃密さもあって。「おてがみぃと」では欠かせない時間になっています。
「カフェぷろぽ」で1年を振り返り、1年後に思いを馳せてお手紙を
おさんぽの後は、阪急武庫之荘駅前にある「カフェぷろぽ」へ。

歯科医院などが入る雑居ビルの2階へ上がり、扉を開けると、ほんのり明るい照明、窓から降り注ぐ太陽の光、光が遊ぶような白い漆喰の壁、いろんな形の木製のテーブルとイスが並ぶ店内が。ゆっくりじっくり、心地よい時間や雰囲気にそっと抱かれたような気持ちになるカフェです。少し緑が混ざったような青い壁が印象的な奥の席に着席。この席からは駅のホームが見えます。

店主さんお手製のお昼ごはんやデザート、飲み物をいただきながら、ほっとひと息。

私は5月9日(火)「ベーグルサンドランチ&アイスコーヒー」、5月28日(日)「ミニパウンドケーキ(黒豆きな粉アイスクリーム付き)&アイスカフェオーレ」、6月22日(木)「ベイクドチーズケーキ(黒豆きな粉アイスクリーム付き)&アイスカフェオーレ」をいただきました。

おさんぽで、ほどよく疲れた身体が、癒やされていきます。
いよいよ「1年を振り返り、1年後の自分に向けてお手紙」を書き始めます。

まずはワークシート。1年を振り返り、1年後に思いを馳せるためのツールです。「いまのわたしをイメージして浮かぶ、コトバいろイロ」「2022年4月~2023年4月の思い出」「仕事や活動など」「気になっているモノ、コト」といった思い出すヒントを記載しています。

何かすごいことやちゃんとまとまったことを書かなくても、「言葉で綴るアルバム」みたいなイメージで、自分で「ああ、これは」と思い出せる「キーワード」を残せればいいなぁと思っています。おやつを食べたり、ぼんやり外を眺めたり、おしゃべりしたりしながら、思い出して書き込んでいきました。

ワークシートに記入できたら、2023年の自分から2024年の自分に向けて、自由にお手紙を書きます。そして、ご縁があって一緒にこの時間を過ごしたので、1年後のそれぞれに向けて、お手紙の書き合いっこもしました。そのお手紙を見るのも、1年後。「なんて書いてくれたんだろう」とわくわくする気持ちも一緒に封を閉じます。

色鉛筆やマスキングテープも使って、言葉を囲んだり、絵を描いたり、マスキングテープで飾りつけたりなど、人それぞれの「その人らしさ」が表れたお手紙が出来上がりました。
ご参加くださった方が、「前回は自宅で、1人で書いたけれど。こうして誰かと一緒に書くことで、このお手紙が届いた時に『こうしてお手紙を書いたなぁ』『こんな話をしたなぁ』『こんな景色を見たなぁ』と思い出せるからいいね」ということをおっしゃってくださいました。私も、そう思います。

お手紙を書く時間は、1人で書く時間です。1人で書きながらも、こうして誰かと一緒に同じ時間・同じ場所で過ごしていること自体が体験。と言いますか、交流しているということなんですよね。だからこそ、生まれる感情や気持ち、経験があって。それはちゃんと、その時に書いたお手紙にも宿っていると思うのです。
今日書いたお手紙は私が預かって、2024年4月に投函します。

「来年、無事に投函できますように」「それぞれの方に届きますように」「それぞれの方が無事に受け取ってくださいますように」と、毎年祈ります。「1年後」は当たり前に訪れるものではないということを感じ、改めて大事に生きていこうと思うのです。

今回もいいおてがみじかんを過ごすことができました。一緒に過ごしてくださったみなさん(参加者:対面/9人、郵送/2人)、ありがとうございました!

ご一緒してくださった方が、ご自身の「note」に、その日のことを書き綴ってくださいました。

私とは異なる視点からのレポート。同じ時間、同じ場所にいたけれど。こんなにも素敵な世界を見ていらしたんだなぁ~、感じていらしたんだなぁ~と。ほっこり。またまた、発見。しあわせな気持ちになりました。

さくら暮らしのメモ
「5月の花」
https://note.com/sakurasakubundou/n/n5a7b18a34ed4
profile
小森 利絵
編集プロダクションや広告代理店などで、編集・ライティングの経験を積む。現在はフリーライターとして、人物インタビューをメインに活動。読者のココロに届く原稿作成、取材相手にとってもご自身を見つめ直す機会になるようなインタビューを心がけている。
HP:『えんを描く』
BLOG:『えんを描く』ブログ
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