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■関西ウーマンインタビュー(女性士業編)


佐伯 由香里さん(司法書士/さいき司法書士事務所)

 
佐伯 由香里さん 司法書士
さいき司法書士事務所
京都市中京区富小路通竹屋町上ル桝屋町325-3 TEL:075-212-7522
司法書士という職業を選ばれたのはなぜですか?
私が生まれ育った京都市中京区富小路通近辺は、裁判所があるので、周りに弁護士や司法書士がたくさんいる町なんです。父親も法律関係の事務所で事務員として働いていたこともあって、比較的身近で子どもの頃から知っていた職業でした。それに加えて母からは、何か資格を持って手に職をつけなさいと言われていました。

大学を卒業後、いろんなアルバイトを転々としながら専門学校に通いました。いざ専門学校で勉強し始めてみたら、法律って面白いなと思ったんです。こんなにしんどい仕事とも知らず、これは向いているかもしれないと勘違いしました(笑)。
大学は法学部だったそうですが、よくダブルスクールされる方も多いと聞きますが。
ダブルスクールをするべきだったんですが、大学時代は競技ダンス(社交ダンスの競技)の部活に一生懸命になりすぎて(笑)何もしないで4回生になってしまったので、これはやばいと(笑)それで卒業後に専門学校に行くことになりました。それと、私は内部進学で大学に上がったので、勉強する習慣が無かったのかもしれませんね(笑)
アルバイトで働きながら専門学校に通うのは大変でしたか?
しんどかったですね。専門学校は夜6時からなので、最初はケーキ屋さんのアルバイトから家庭教師、交通調査もしましたし、スーパーのレジもやりました。その後、社会保険があるところで働きたいと思い、銀行のロビーで受付や案内をするアルバイトもしました。

専門学校の授業料は最初、母が出してくれていましたが、私があまりにも試験に合格しないので、「もう知らん。自分でやり」と言われて。これはもうこの業界で働こうと思い、司法書士事務所に社員として就職しました。
合格前に実際に現場で働かれて、思い描いていたイメージとのギャップはありましたか?
司法書士に合格したのが26歳だったのですが、独立するまで約5年間、4つの司法書士事務所で働きました。ある事務所のボスにすごく偉そうな人がいて、法律職だからといってこんな偉そうな職業では無かろうという違和感を覚えたことがありましたね。そこは合格前に辞めました。

その後に勤めたどの事務所も業務内容や方針が違ったので、個性があってとても勉強になりました。特に、3つ目4つ目は女性の先生の事務所だったので、「女性もこうやって独立してやっていけるんだ」という大きな確信ができ、背中を押してもらえたと思っています。
最初から独立しようと考えておられたのですね。
資格を取ったら独立するものだと思い込んでいて、漠然と30歳になったら自分の事務所を持ちたいと考えていました。とういうのも、私の家庭環境も影響していると思います。父親はもう亡くなりましたが、アルコールと暴力がひどかったんです。家にお金を入れなかったり帰ってこなかったりということもあったので、結婚しても女性もお金を稼げるようになっておかないと、どこで何がるか分からないと思っていました。それが自分のベースになっていたと思います。
それは、ご自身が独立したいというモチベーションと共に、相談に来られる方へのアプローチにも活かされているのでは?
ご紹介いただいて入ってくる仕事は男女関係ありませんが、ダイレクトに私を指名して来られる方は、圧倒的に女性が多いです。その多くが離婚問題のご相談ですね。家庭環境に加えて、自分も離婚経験があるのでつい、「がんばって離婚しよう」という感じで、元のさやに収めないアドバイスになってしまうこともあります。男性から見るとすごくイヤだと思いますけど(笑)
ご相談者の中には、やはり迷ってどうどう巡りになることもあるのでは?
法的に考えて「最善」の手続きでも、お客様が「最善でない」と思われることもありますし、良いと思ってもされない方もおられます。タイミングというのもあるので、それも仕方ないと考えています。手続や法律はあくまでも手段。主人公はお客様自身なので、どのように寄り添っていくかだと思っています。
やりがいを感じるのはどんなことですか?
例えば相続のご相談の場合、私の業務は、お父さんの家を誰が継ぎますか?という話だけですが、「お父さんの生前、こうだったのよ」とか、「娘が小さかった頃はね・・」という話をされたり、中には絶対人には言えない話もされることもあって、「なんか落ち着いたわ」と仰っていただくこともあります。私がそれを聞いて、何ができるわけじゃないんですけど、誰かに聞いて欲しいことを、ここでなら言えると思ってもらえることが嬉しいですね。
女性の司法書士だからできるコミュニケーションもあるでしょうね。女性の司法書士はまだまだ少ないと思いますが、目指す方にどんなアドバイスをされますか?
まだ全体の2割から3割くらいなので、女性は目立ちますね。今後は女性の司法書士も増えていくと思います。でも「司法書士=男性」というイメージがまだまだ根強くあるので、女性の司法書士には依頼できないと言われたこともあります。ただ思うのは、専門性は決めたほうがいいと思いますね。私は過払い業務と裁判業務はやらないと決めています。逆にそれだけやると決めた方もおられますが、「やる、やらない」をはっきりすることでしょうね。
開業されて10年と伺いましたが、これからの目標は?
登記業務はスポットの仕事なので、1度家を購入されると、そうすぐに売ったり買ったりされないので、司法書士と関わるのは、たぶん一生に1回か2回あるか無いかと思います。でもその中で、以前のお客様が何年かぶりにお電話くださって、お知り合いをご紹介いただくこともあります。

そこで「もうやっていません」と言うのも申し訳ないですから、続けられているだけで有難いことかなと思っています。京都には3代目、4代目という司法書士の先生もたくさんおられるので、10年といっても、「ふーん」という感じですが(笑)

あと、京都ならではの業務だと思いますが、知人の公認会計士さんや税理士さんに誘っていただいて、チームで祇園祭の山鉾に関する仕事をしています。祇園祭の山鉾は30基以上あって、それぞれに財団法人を形成しています。(一部、任意団体もあり。)すべての山鉾ではないですが、チームで会計や法務のサポート業務を行っています。

祇園祭の山鉾の中でも、昨年話題だったのが150年ぶりに巡行復帰を果たした「大船鉾(おおふねほこ)」。約5年前、この「大船鉾」が法人設立されるタイミングでご縁を頂き、保存会役員さんや囃子方のみなさん、町内の方々など、沢山の人の手によって復興事業が進んでいく様子を、法務サポート側で拝見することができました。

京都の長い歴史の中で、自分の人生なんてほんの一瞬なのに、ちょうど同じタイミングでこの鉾が復興し、自分が関与することができるって本当に奇跡的だと思います。光栄だし、嬉しいし、これからもずっと関わって行けたらと思っています。
ありがとうございました。
(取材:2014年11月 関西ウーマン編集部) 

 

 

 


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