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■関西ウーマンインタビュー(士業)


中川 裕紀子さん(弁護士/ウィンクルム法律事務所)

 
中川 裕紀子さん 弁護士 ウィンクルム法律事務所
京都大学法学部卒 2007年弁護士登録。大阪の法律事務所に5年半勤務し、2013年4月に神戸三宮にて「ウィンクルム法律事務所」を開業。相続問題・労務問題の解決に力を入れている。
女性の士業同士が集まる「関西ビジネスコンシェルジュ」代表
ウィンクルム法律事務所
〒651-0087 神戸市中央区御幸通6丁目1番15号 御幸ビル4階 TEL:078-855-3090
「関西ビジネスコンシェルジュ」http://kbc-kansai.com/
弁護士という職業になりたいと思われたのはいつごろですか
両親とも法律関係ではなかったのですが、中学2年生の頃から、弁護士は困っている人を助ける仕事という印象を持っていました。京都大学の法学部に入り、弁護士を目指しました。司法試験には7回目で合格しました。
7回・・それまで諦めなかったモチベーションは何でしたか
さすがに最後の7回目の時は、親にも「もうこれでだめだったら就職してね」と言われていましたが、やはり法律が好きですし、人のために役立つ仕事が魅力的でしたので、他の仕事は考えられませんでした。

けしてそうでは無いのですが、司法試験に落ちた時は、まるで人間否定されたような気持ちになったこともあります。それが7回続くと精神的にも辛かったのですが、今どんなに忙しくて過酷な状況でも、あのとき乗り越えられたから大丈夫と思えますから、自分にとっては良い経験になったと思います。
試験勉強の期間はどのように過ごされていたのですか
司法試験の受験予備校がありまして、そこでアルバイトさせていただきながら勉強していました。やはり「弁護士になりたい」という思いに迷うことは無かったですね。弁護士が登場するドラマや映画も見ていました。「アリー・マイ・ラブ」とかも見ていました(笑)
2007年に念願の弁護士になられましたね
弁護士の仕事はやはり、なってみないとわからないこともあります。中学生の頃は、正義の味方というか、良い悪いは「ゼロか100」と思っていました。

でもやはり社会を見るにつれ、「ゼロか100」ということはなかなか無くて、どんな方にもそれぞれの言い分というものがあるんだなとわかってきました。

弁護士になる前はとにかく「なりたい」という思いで幅広いイメージを持っていましたが、弁護士になってから専門的に極めたい分野が絞られてきています。具体的には相続と労務問題を極めたいと思っています。
昨年(2013年)に独立されましたが、そのターニングポイントは?
2007年に弁護士登録して昨年独立するまで、大阪市内の法律事務所で勤務させていただいていました。そこはとても居心地良くて、ずっと居たかったのですが、労働問題に力を入れることも一つの目標だったので、それにはやはり経営者の立場で、経営とは何か、人を雇うことはどういうことかを体感しないとアドバイスできないと考え、独立しました。
独立されてからは、どういったところに力を入れておられますか
事務所として力を入れているのは、相続と労務問題です。相続については、モメないための相続対策や、モメてしまった後のトラブル対応のお手伝いをさせていただいています。労務問題については、特に最近企業様からのご相談が増えています。社員さんのメンタルヘルス問題など企業様として悩ましい問題が増えていますので、お力になれればと思っています。
女性弁護士というメリットはありますか
弁護士というと固いイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、女性であれば話がしやすいと仰っていただけることはあります。また女性の視点も交えたアドバイスをさせていただけることもメリットかと思います。
仕事の中で幸せに感じることは何ですか
やはりご相談に来られる方は問題を抱えておられますので、最初は皆さん、悩んでお辛そうにされていますが、その後解決される段階になると元気になられます。

特に女性は回復力が強いですね。中川先生にお願いしてよかったと仰っていただけると、本当に幸せに感じます。

離婚のご相談も多いので、女性からのご相談の場合、プライベートのお話も話しやすいよう心がけています。

離婚問題は、養育費や親権、財産分与など法律的に解決しないといけないこともありますが、それ以上に心の再生が必要なので、周辺の会話が大事になります。

いろんなお話をして不安を取り除いていただいて、再生していただけると、やっぱり弁護士になってよかったなという気持ちになります。
ブラッシュアップはどんなことをされていますか
法律に関する専門分野に関しては日々研鑽していますが、経営者の会に参加して、どんなふうに人を育てていけばいいか、どういう理念を掲げるかといった経営の勉強もしています。また、人にお伝えすることが自分の学びにもなりますので、積極的に相続や労務のセミナーをさせていただいております。

セミナーに関しては、例えば、社労士さん、税理士さんや司法書士さんといった他の士業の方と一緒にセミナーをさせていただくことも多いのですが、他の士業さんの立場からの「ここが大事」というポイントも教えていただけて、自分にとっても学びの場として勉強させていただいています。
ご自身のライフワークバランスは?
私は「切替ベタ」なので、仕事をしはじめるとずっと仕事をしてしまうタイプなんです。そこで一昨年からトイプードルを飼い始めました。仕事から疲れて帰ってきても、愛犬が「おかえり!」と歓迎してくれるので、一気に気分も切り替わり、すごくリラックスモードになるので、それが癒しのひとつになっています。

もうひとつは、昨年からヨガを始めまして、定期的に通うようにしています。仕事を離れてリセットできて、身体が整うと心も整うようで、それでまた仕事モードに入れます。
最近どんな本を読みましたか?
渡辺和子さんの「面倒だからしよう」です。

いろんな問題を抱えているご相談者の方たちに対して、単に知識をお伝えするだけでなく、こうした言葉掛けをすれば、すこしでも元気になっていただいたり、見方も変わって心が楽になるようなことが載っていますので、ぜひおすすめの本です。
弁護士を目指す女性へのアドバイスをいただけますか
自分自身の経験は、何ひとつ無駄なことは無いですし、その経験がご相談者に対して良いアドバイスになりますから、弁護士はやりがいのある仕事だと思います。

勉強中の方に対しては、司法試験に受かるために、どういう自分でないといけないかという理想と、現状の自分とのギャップを埋めるためには、今何をやるべきかをきちん紙に書いて、ひとつひとつ課題をクリアしていくことが大切だと思います。
KBC(関西ビジネスコンシェルジュ)という会の代表でいらっしゃいますね
もともとは女性士業の仲間同士が集まり、関西を元気にしたい、関西の女性を元気にしたいというコンセプトで立ち上げました。女性ならではのきめ細やかさという強みを活かして、関西の活性化に役立てるような企画を考え、さまざまなイベントや勉強会を主催しています。

月1回の定例会は女性のみですが、イベントは男性もたくさんご参加いただいています。イベントではとても和やかな雰囲気なので、皆さん「楽しかった、また明日から仕事に頑張ろう」と仰ってくださいます。勉強会あり、お楽しみありの会で、これからもっと広がれば良いなと思っています。
ありがとうございました。
 
(取材:2014年6月 関西ウーマン編集部) 
 

 

 

 


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