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■関西ウーマンインタビュー(士業)
小礒 ゆかりさん(税理士/税理士法人KTリアイランス)
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■関西ウーマンインタビュー(士業)
小礒 ゆかりさん(税理士/税理士法人KTリアイランス)

小礒 ゆかりさん 税理士CFP 税理士法人KTリアイランス代表社員 福井県鯖江市出身。大阪大学人間科学部卒業。阪神電気鉄道株式会社ほか一般企業数社、事業承継などを得意とする掛川会計事務所をはじめ数か所の会計事務所に勤務後、2008年6月 小礒会計事務所を開業。2013年1月 税理士法人KTリライアンス代表社員就任 税理士法人KTリアイランス http://www.ktr.or.jp 〒530-0047 大阪市北区西天満2-5-2 H2Oタワー4階 TEL:06-6362-0506 Blog::http://kam-tax.at.webry.info |

税理士になる前はどんな仕事をされていましたか? |
大学卒業後は一般企業に勤めましたが、自分には合わないと思って3年で辞めてしまいました。当時はまだ若かったこともあって、会社の中で何を求められているかとか、自分の立ち位置、仕事をするということの意味など、何もわかっていなかったんでしょうね。その後専門学校の営業職に就いて、いろんな資格を取るために来られた方たちに、こんな講座がありますよと説明する仕事をしていました。 |
税理士を目指されたきっかけは? |
その専門学校でいろいろな資格を見ているうちに、簿記がおもしろそうだと思ったんです。ちょうどその学校が簿記のクラスを新設するタイミングで、簿記の先生たちから「簿記がわかると社会の動きが解る」という話を聞いたり、「日経新聞を読めるセミナー」などもやっていて、すごくおもしろそうだったんです。でも簿記だけでは食べていけないと思い、じゃあ税理士をめざそうということで勉強をはじめました。 |
将来の生活のための資格だったのですね。 |
社会人経験を何年かしましたから、資格を取るだけじゃだめだということは何となくわかっていましたね。せっかく頑張って資格だけ取っても、仕事が自分に合わなければもったいないですから。その後、税理士の資格に合格しても実務を知らないと仕事ができないと思い、専門学校の営業を辞めて会計事務所に勤めることにしました。そうしたら会計事務所の仕事がすごく楽しかったんです。 |
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最初から独立を考えておられましたか? |
試験になかなか合格できなくて、このまま続けるかどうしようかと思ったとき、資格を取って独立した自分を想像してみたんです。独立するためにはまず資格が要る、実務経験も要るし、人脈も営業力も要るなと。そういう風に考えていると、何かすーっと見えてきた感があって、すごく楽しくなってきたんです。 私にとっては難しい試験でしたが、「じゃあがんばろう」という気になって、なんとか最後まで頑張り続けることができました。どうしても独立したい、と思っていたわけでもないんですが、勤務となると自分がこうしたいと思ってもできないですし、自分でいろいろ構想できることがおもしろいと思ったんでしょうね。 最初に勤めた会計事務所は記帳代行が主な仕事だったので、企業合併・分割や資産税といった難しい税金対策の経験がありませんから、それをやらないうちは独立はできないと思い、試験合格後は資産税や組織再編も手がけている税理士事務所にお世話になりました。そこで経営者の方の相談を受けられるノウハウを身につけて独立しました。 |
その独立した姿を想像して、これが自分だと思われたのですね。 その将来の自分に近いロールモデルは周りにおられましたか? |
その頃の私の周りにはいませんでしたから、探しました。税理士になるぞと決めていましたが、なかなか試験に合格できずどうしようと思っていたとき、勤めていた会計事務所に出入りされていた保険の営業の方に、「どなたか女性で税理士として独立されている方を紹介してください」ってお願いしたんです。 そこで紹介された方にお会いして、どんなふうに経営されているのかなど、いろいろお話を伺ってイメージを創っていました。その方はすごく優しくて素敵な女性だったので、「やっぱり税理士になって独立したい」と思いました。 |
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独立後1人でされていましたが、昨年法人化されました。 |
平成20年に独立した時は、法人化など考えてもいませんでした。実は子どもが欲しいと思ったことが法人化するきっかけです。お客さんも増えたところだったので、いきなり産休というのもどうかと思い、法人になれば、しっかり仕事ができるパートナーに頼むこともできると思ったんです。そこで今のパートナー、東元に相談すると、すぐに受けてくれました。 法人化するといろいろ難しいこともあると聞いていましたから、子どもを産もうと思わなかったら、チャレンジしていなかったかもしれないですし、東元がいなかったらできていなかったでしょうね。主人も別会社ですが同じオフィスにいますし、事務を手伝ってくれているのも大学時代や税理士試験受験時代の友人ですから、周りに恵まれて本当にラッキーです。 |
もうすぐご出産ですね。お子さんが生まれてからの仕事は? |
来月(2014年7月)出産予定で、産休あけから保育園に預けて復帰します。お客様が待っていますから、かわいそうと言ってられないですね。独立して思うのですが、事業を現状維持するためには、絶対前を向いていないとできないですよね。それを考えると、子どもがいるからって停滞してしまうのが自分でくやしいんです(笑) 仕事が好きなので、今は夜の10時11時まで働いていますし、時間を使えばそれだけ報われるということを続けてきましたが、子どもがいるとどうしても時間は取られてしまうので、そこで同じ効果を出すにはどうすれば良いか、やり方を変えていかなければいけないと考えているところです。 |
これからの目標は? |
![]() 独立した頃、得意分野を作りたいと考えていて、ちょうど公益法人の法律が変わる時でしたから、これはチャンスと公益法人をメインにしてきました。今は少し落ち着いてきているので、次の一手を考えているところです。 最近相続税法が変わったので、資産税がブームですが、そこも視野にいれつつ、中小企業の事業承継や、会社が伸びていくためのコンサルタントに力を入れていきたいなと思っています。 |
税理士を目指す女性へアドバイスをお願いします |
「まず実務経験をどこかで積みましょう」ですね。実務を積むには、パートでも良いからとりあえず現場に入っていけばステップアップできます。雇う側からしても男性よりも女性のほうが雇いやすいので、女性のほうが有利かもしれません。資格はとりあえず簿記2級は取って、半年でも働けば自分の適性もわかります。試験になかなか合格しなくてどうしようとなれば、この仕事が自分に合っているかどうか見極めて、おもしろいと思えば頑張れます。 試験勉強は辛いですが、最後まで資格が取れれば絶対仕事はありますし、仕事は楽しいです。逆に勉強はできるけど実務ができないという人もいますから、税理士の仕事について知ることは大事です。それとやはり独立するなら、すでに独立している方を探して、話を聞くことも大事ですね。 |
ありがとうございました。 |
(取材:2014年6月 関西ウーマン編集部) |
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