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■関西ウーマンインタビュー(女性経営者編)


井上 ゆき子さん(チェルカトラベル株式会社 代表取締役)

井上 ゆき子さん
チェルカトラベル株式会社 代表取締役
20年以上の旅行業界勤務で、様々なカテゴリーの旅行業務を経験。 (ハネムーンデスク、国際航空券発券、海外旅行デスク、企業出張渡航手配担当、学術渡航営業及び国際学会手配等)。 その実績を活かし2006年12月、旅する女性のための旅行会社、チェルカトラベルを設立。 「女性が身体も心もキレイになる旅」をキーワードに、世界中の観光スポットや宿泊施設を独自目線でリサーチ。 気に入ったホテルのオーナー達とも直接交渉し、オリジナリティに富んだサービス提供を試みて、自らも「女性の旅」を楽しみ、息子二人を持つママ起業家でもある。 2012年「京都おもてなし大使」にも任命されています。
チェルカトラベル株式会社 京都市中京区壬生賀陽御所町8番地2
女性をキレイにする旅をコーディネート
チェルカトラベル

http://cerca-travel.co.jp/
『恋するドレス』~ウェディングドレス編
~(ソロ・ウェディングの旅)

『失恋タクシー』
井上さんはもともと旅行が好きでこの業界に?
旅行というより海外のアーティストに興味があったんです。それで中学生の頃から英語に興味がありました。高校でアメリカへの短期留学生を募集していたので、「ちょっと行ってみるか」という感じで応募したんです。その時の行き帰りに同行された添乗員さんを見て、それまで旅行会社というものがあるという認識が無かったので、「こんな仕事もあったのか」とすごく印象的でした。
初めての海外旅行ですから、不安な気持ちに優しくしてくださったとか?
いいえ。ひたすら「オレ様」的な感じでした(笑)30人ほどの団体で行ったのですが、みんな海外旅行は初めてですし、引率の先生方もあまり海外に詳しくないですから、何でも自分の好きなように動かせたと思うんですね。右と言えばみんな右へ行くし、左と言えば左へ行くし。主導権をがっちり握っていて、まるで天下を取ったような感じでしたね(笑)
カッコいいリーダーのようなイメージだったんですね
全然カッコ良くも無かったんですが、現地で英語を使われるし、「なんてすごい人なんだろう」と羨望のまなざしで見ていましたね。しかも彼らは仕事で海外に来ていて、いえばタダで世界中どこでも行けるんですから、こんな美味しい仕事はないだろうと(笑)そこから旅行業というものに興味を持ち、旅行会社に勤めたいと思うようになりました。

高校卒業してすぐに旅行会社に就職しようと思ったのですが、当時の旅行会社は人気の職業でしたから、高卒の就職枠が少なくて、しかたなく旅行学科のある専門学校に行きました。大学に入ればそこからまた4年も待たなくてはいけませんし、一番短くてしかも旅行業に近づける専門学校を選びました。
専門学校の旅行学科ではどのようなことを学ぶのですか?
旅行の約款や法律の勉強、それと歴史や地理と一般的なことです。あとは英語もありますし、運賃計算の授業もあってかなり専門的でしたね。そこは旅行会社の関連校だったので、実際に添乗員をされてきた年配の先生も多く、添乗された頃の話をおもしろおかしく教えていただいたりして勉強になりました。でもこの2年は長くて、早く就職したくてじれったい気持ちはありました。
卒業されるとすぐに旅行会社に就職されたのですね
大手の旅行会社の出版会社に就職しました。旅行パンフレットやガイドブックなど旅行雑誌を統括する仕事をしていましたが、そこは早めに退職しました。というのも、現地で取材するには、経験が無いとできないので、構成をしていた私はいつまで経っても現場には出られないんです。

大手に入るといろんなことができるだとうと思って入ったんですが、意外と分業化されてしまうので、専門職はそこにずっと居る可能性が高いんです。そこではなく旅行の現場を見たかったので、別の旅行会社に入りました。

そこではハネムーンデスクや発券事業などいろいろさせていただきましたが、3~4年経ってくると大体仕事の全容が見えてきてしまって。それ以上のことをするとなると、やっぱり知識も必要かなと思い、働きながら大学に行ったのですが、途中で結婚して、子どもが産まれたのを機に退職しました。
子育てしながら、また旅行業界に戻られたそうですね。
上の子が1歳までは家にいましたが、前職の旅行会社からアルバイトに来て欲しいと言われて行きました。結局その会社は無くなりましたが、潰れる前にあちこちから引き抜きの話があったんです。それで結局いろんな旅行会社を渡り歩き、それぞれ違う特色があっていろいろ勉強になりましたね。最後は学術渡航専門の旅行会社に4年間勤めました。
起業しようと思われたきっかけは?
業務渡航センターにいて4年目、当時は課長職だったんですが、ここから上は部長になって・・という流れが見えてきたと同時に、ここでずっと骨を埋めたいかというと、ちょっと違うかなと思ったんですね。学術渡航業務というのは、迫られて渡航する人たちのお世話ですから、楽といえば楽なんですけど、「楽しい」じゃないんです。

本来私がやりたかったのはこれじゃないなと思い、転職しようかなと知人に相談したんです。 すると、「それだけ売り上げがあるんだったら、自分でやってみたら」と言われて。それまで独立することは全く頭になかったんですが、そこで始めて自分の選択肢の一つになりましたね。「そんなこともできるんだ」って。

でもその時の売上げといっても業務渡航の売り上げですから、よく考えたら、その成績を持っていたとしても、そのまま持って行けないですよね(笑)難しいことは解っていたんですが、それまでの自分の実績を良いように思っていたんでしょうね。そのきっかけの一言から起業するまで1年かかりませんでした。

独立しようと思うとすぐに「京おんな塾」(※1)に登録して、講座が終了したと同時に会社に退職願を出しました。管理職なので半年間は拘束されますから、半年後に向けて準備をして、退職後に法人登録しました。その後に旅行業の登録を2ヶ月かかって終えました。
(※1) 「京おんな塾」
公益財団法人京都高度技術研究所が主催する、起業を目指す女性を対象として女性起業家セミナー
起業するにあたり、どんなコンセプトをお持ちでしたか?
「京おんな塾」でプレゼンテーションしたのが、女性をターゲットにした旅行会社を作りたいということだったので、これは初志貫徹です。旅行業を分解してみると、国内業者と海外業者にまず分かれて、さらに地域別に分かれるんです。

それってありきたりだなと思って、私はどちらかというと海外畑の人間なので、海外の「国」にスポット当てた形でやろうかなとも考えたんですが、それには現地に住んでいるくらいの深い知識が必要になりりますし、一番わかりやすい分け方として、ジェンダーかなと。それで女性に特化することにしました。
女性に特化した旅行会社というのは、いままで無かったですね
まず、他に無いということも特化した理由のひとつです。そもそも女性は旅行を決めるとき、相談という過程が必要なんです。相談に来られる時も、男性の場合は目的が明確ですが、女性はニュアンス。ウィンドーショッピングができるのは女性で、男性はできないというのと同じです。

あるところから1個選ぶというんじゃなくて、写真や雑誌、テレビを見ながら、イメージで「ああ、ここ」という感じです。その時間を充分取った上で導入してあげると、そこにスッと入ってきてくれますから、その道筋をつける方法さえしっかりあれば決まります。そこがうちのウリかもしれませんね。

うちに来られるお客さんは、目的や場所は決まってない方が多いんです。「旅行したいんですけど、どこがいいですか?」みたいなところから始まるんですが、それって普通の旅行会社さんだと「・・と言われましても・・」となるじゃないですか(笑)

でもうちの場合は、「ですよね。」から始まって、「お休みはいつからいつまでですか?」とか「予算はどのくらいですか?」「暑いところがいいですか?涼しいところがいいですか?」「街中がいいですか?それとも・・」とどんどん押し込んでいって、最後に「じゃあここしかないですね」とご提案するんです。そこでうーんとなった場合、写真とかブックとかをお見せして、「ここが良い気がしてきた」と盛り上げていくっていう感じです。
お客様ご自身は、すでに答えを持っておられるのでしょうか
それも本人が解っておられないことのほうが多いですね。癒されたいのか、発見したいのか。その場のインスピレーションに合うものに決めていかれます。人にもよりますが、全くアイデアなしで来られる人は、こちらの誘導のままに決められる方が多いですね。

納得されてスイッチが入るともう、そこしか見ないようになって、それ以外は入ってこなくなるようです。後からやっぱりこっちがいいかなと思って別のご提案をしたこともありますが、やっぱり最初に決めてスイッチが入ると、そこにはいかないですね。
どんなところに行かれることが多いですか?
うちでコーディネートさせていただく1人旅は、全く初心者の方と、2~3回目の方と、上級者に分かれるんです。初心者の方は、最初は全く右も左も解らないという状態でご相談に来られるので、「ここは日本人もいっぱいいますから日本語が通じます。でも異国情緒はありますよ」といって、ハワイや台湾やシンガポールなどのアジア。

2~3回目になると、「こんどはちょっと乗り継ぎをしてみましょう。電車にも乗ってみますか」という感じでニューヨークとか、乗り継ぎはしないけどロングステイで楽しめるところとか。上級になると2カ国になったり。そしてランクアップして上達すると、上級者になると大体卒業していかれますね。後はもうご自分で手配されて行かれます。
海外だけでなく、いろんな京都プランも出しておられますね。
「失恋タクシー」や「恋するドレス」などのプランは、テレビなどのメディアに出たこともあって、東京など関東や北海道、九州からも来られます。京都にある旅行会社は、京都の人を対象にしているところが多いので、「受け入れ」をするところが少ないんです。

うちは特殊なので、京都の中でどこへ行けばいいかとうちに問い合わせが入ることもあります。「京都着地型」と言っているんですが、京都に来てからの観光を、女性目線で斡旋する旅行会社として定着させたいと思っています。

今考えているのは男性。彼女と京都旅行に行きたいけど、どこに連れていってあげればいいか、男性はなかなか解らないですよね。自分でプランを作ったところで、女性が喜ぶかどうかわからない。そこで女性を喜ばせるためのプランをご提案しようと考えています。
そうしたユニークなプランはどのように発想されるのですか?その情報源は?
もう思いつきです(笑)基本的に女性誌や情報誌はあまり見ないんです。素材探しに参考にすることもありますが、やっぱり「作られたもの」というイメージはありますし、作られたものを参考にしてまた作る、というのもどうかなと思いますし。

私自身が影響されやすいということも解っているので、わざと見ないということはありますね。やっぱり自分が引っ張っていきたいという気持ちがありますから、「チェルカトラベルというもの」を作りたいと思っています。
シーズンになると京都特集の雑誌がいっぱいあって、目移りしてしまいます。
プロが撮った写真とキャッチコピーが並んでいますから、見せ方がキレイなのは当たり前で、全部いいように見えてしまいますね。そこで自分が一番と思うものはどれ?って聞かれても、突出したものが無いだけに結局選べない。

それってお客さんも同じだと思うんです。同じようなパンフレットを並べて、どれが一番良いかと言われても、よほどそこに対する思い入れや知識がない限り選べないと思うんです。
情報誌を見て、ココとココに行きたいと思っても、いざ現地に着くと時系列の時間が流れるわけですから、その間をどうするのと考えると、面倒になって「まあいいや」と結局行かなくなることもあります。
そうなんですよね。そこだけ行くとなるともったいないですから、やはりプランが必要になってくる。私はどちらかというと全部任せて欲しいんですね。

2泊3日なら2泊3日で、ポンと渡していただいて、ここだけは外せないというところ、たとえば舞妓さんを見たいとか、食事はこれを食べたいということだけ聞いていれば、あとは上手く組み合わせてご提案できます。

情報が多すぎるとセレクトできなくて、良いものがたくさん流れているのに、掴めないという感じはあるでしょうね。
海外旅行もユニークなプランが?
うちは第3種なので、一般公募ではなくFACEBOOKページ上の会員登録された方のみに告知しているものですが、海外1泊2日の弾丸ツアーというのをやっています。1回目は台湾に行ったのですが、うちのこだわりは、ホテルは絶対5つ星を使うので、ゆっくりホテルステイを楽しみながら、皆でわいわい食事も楽しめました。

こんど香港に行くんですが、インターコンチネンタル香港という、自分で行くなら高くてひるんでしまうような眺望の良いホテルに泊まって、1人や2人ではなかなか予約が取れないリッツカールトンのアフタヌーンティに行きます。パッケージツアーでは想像できない範囲なので、すごく豪華な割にお得だと思いますよ。

初めての海外なら安いパックツアーはラクですが、意外と時間が無いので、お土産屋さんに行って終わり。何も持って帰れないのはすごくもったいない。押さえるものは押さえたいし、持って帰るものは持って帰りたいですから、せっかく旅に出るなら絶対に「優雅な時間」を過ごして欲しいと思いますね。
楽しそう! お話を伺っていると旅に出たくなりました!
井上さん、ありがとうございました。

 
(取材:2014年9月 関西ウーマン編集部) 
 

 

 

 


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