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■関西ウーマンインタビュー(女性経営者編)


井川 智子さん(有限会社ヴォイラ 代表取締役)

井川 智子さん
有限会社ヴォイラ 代表取締役/宝塚情報誌Voila編集長
元 日清食品株式会社 広報。在職中には「トムソーヤプロジェクト」など数々のプロジェクトを実現。生まれ育った街「宝塚」と女性を元気にしたいと、マチ・ヒト・モノにこだわった情報発信やイベントなどのプロデュースを展開する。
有限会社ヴォイラ 宝塚市逆瀬川1丁目11-1 アピア2-305-1
宝塚ROSE
http://www.zuka-rose.com/
宝塚ローズ倶楽部
http://www.zuka-og-club.com/
宝塚パンケーキ専門店「Voila cafe」
兵庫県宝塚市川面5丁目10−25 ユニベール宝塚1F
http://voila-cafe.com/

ジュエリーボックス宝塚
http://www.rakuten.co.jp/jb-takarazuka/
井川さんは日清食品(株)の広報におられたそうですね
学生時代から文章を書いたり本を読んだりすることが好きだったこともあり、大学卒業後は、企業のPRをする広報を志望して日清食品に入社しました。広報の中の新しいイベント部署に配属でしたので、主に外向けのイベントを広告代理店さんと一緒にゼロから作り上げていくという感じでした。

食品会社なので、子どもたちの健康をテーマにしたイベントを作ろうということで、「トムソーヤープロジェクト」という企画を考えました。当時の会長(故・安藤百福氏)と直接やりとりできる環境でもありましたし、若かったので怖いもの知らずで、「こんなのがあればいいな」「あんなことできればいいな」と、やりたいことをやらせてもらえる、寛容な会社でした。
さまざまなプロジェクトを達成されてこられて、その経験は今に繋がっていますか?
アイデアはアイデアの段階、そのまま通るわけではありませんから、それを形にするまでは何度も推敲していかなければなりません。チームの意見や代理店の意見、上司の意見など、いろんな考えに揉まれて、実現のために形を変えていくプロセスがありますし、いろんな苦労をクリアして実現できた達成感はありましたね。

その経験があるからこそ、今も何かしたいと思えば「必ずできるから」と言っています。最初は小さな芽でも、思い続けていれば、いろんなことがくっついてくる。そうして周りの想いが繋がって形になっていくというのは、起業した今も同じです。よく「何の根拠があるの」と言われますが、「私を信じて」と言うしかないですね(笑)
ご結婚を機に退社されましたが、もったいないような気がしますね。
時代ですね。今の日清食品は違いますが、当時の女性社員はほとんど寿退社でした。後に男女雇用機会均等法ができましたが、ちょうど過渡期の時代だったようです。仕事はすごく楽しかったですが、続けることにあまり執着しませんでした。

自分の人生にとって次のステージに行くためにも、結婚もしたかったし、子どもも欲しいと思っていましたから。結婚後すぐに子どもが産まれましたが、子育てしながらも社会と繋がっていたいと思っていましたので、文章を書くことを勉強したり、ライターとして新聞社のお仕事をいただいたりしていました。

そうしているうちに主人の転勤で東京へ行くことになったんです。新しい環境ですし子育て中でもあるので、子どもと親同士の関係性も知っておこうとお母さんたちと仲良くなりつつも、1年経つとやっぱり子どもを預けて働こうと思いました。その世界にどっぷりいたいと思わなかったので(笑)
東京では脚本の勉強をされていたそうですね。
せっかくだから東京でしかできないことをやってみようと、ものを書くといえば「脚本家」がいいなと思い、脚本家養成学校に通いました。ちょうどトレンディドラマが流行していた頃で、山田太一さんなどの名だたる脚本家の先生が直接教えてくれるので、半ばミーハーな気分で通いましたが、書くことを学ぶ傍ら、いろんな人に出会いましたね。

やっぱり脚本家になろうという人は、基本的に自分というもの持っている人たちですし、表現者なんですね。書いた内容について議論したり、議論がケンカになったり。日々子育てが大半だった私には、違う世界の扉を開けたような感覚でした。3年で卒業ですが、プロット書きのアルバイトをしたりしながら4年程通いました。

当時の先生から「あなたは書くこともできるけど、話すことも得意だし、どちらかというとプロデューサーに向いてる」と言われたことが、ずっと残っていますね。
その後、地元「宝塚」に戻ってこられました。
東京には7年いましたが、関西に転勤になったので、地元の宝塚に戻ってきました。 東京にいた頃、宝塚出身というと「宝塚って良いわね」とずっと言われていて、たぶん見たことないのに「良い街よね」と勝手にイメージを膨らませているんですね(笑)でもそれはすごく嬉しかったんです。

なのに帰ってきたらもう、私のイメージしていた宝塚でなくなってしまっていたんです。震災やバブル崩壊の影響のせいか、まず宝塚ファミリーランドが無くなってしまったことは大きいですね。それに伴ってホテルもどんどん無くなって、静かなこじんまりとした街になってしまい、本当にショックでした。

皆がせっかく良いイメージを膨らませてくれているのに、イメージ通りじゃないとダメでしょう。私自身は転勤族で各地を転々としてきましたが、やっぱり地元の宝塚が大好きですし、子どもも大きくなっていましたので、そろそろ何か始めたい、地元宝塚のために何かできないか・・・と思い始めました。
地元を元気にするために、まずは「フリーペーパー」だったのですね。
2003年頃は全国でもフリーペーパーが流行りだした頃で、東京でもたくさんのフリーペーパーがありました。東京にいた頃、フリーペーパーのライティングのお仕事もしたことがありましたし、私もとても活用しましたから身近に感じていましたが、こちらに帰ってくるとそういう媒体が無かったんです。

街をPRするために手段として何がいいだろうと考えたとき、宝塚にこそ、こうした情報誌があってもいいし、これは作れるんじゃないかと思いました。 1年ほどでしたが、住宅情報誌の会社にライターとして所属し、仕組みなどを勉強させていただき、そこでのネットワークをベースに起業しようと、商工会議所の起業セミナーに通い、形にしていきました。
スタートするにあたり、営業や資金面はどうされましたか?
フリーペーパーは広告収入の媒体ですから、まず営業に行かなければいけない。そこで紙面のダミー版を作って、市内100件くらい周りました。

当時はフリーペーパーという媒体自体が新しかったこともありますし、市内全域にポスティングするというのが良かったのか、「それならたくさんの人が目にするよね」と、感触も良く、すごく興味を持ってもらえましたね。とりあえず数を周ろうと、とにかく市内全域周りました。

資金もゼロからのスタートでは無理だと思っていましたので、もちろんある程度は用意しましたが、この資金は無くなってもいいという気持ちはありました。

そうでないと進められませんし、利益率よりもまずスタートしたかったので、価格設定も、印刷がこれくらいかかるから、これぐらいでトントンかなというざっくりしたものでした。

資金が無くなっても「後から回収すれば良いんでしょ」と思っていましたから、あまり不安はありませんでしたね。そうして動き出したのが2004年の夏で、その年の秋に第一号を創刊しました。
2004年に創刊されて今年10年目。リニューアルされた背景は?
これまでタブロイド版を年4回発行していましたが、2014年4月号から名前も「Voila」から「宝塚ROSE」に変え、年6回発行になりました。配布方法も、10年間ポスティングしてきましたが、設置型に変えました。

というのも、配布エリアを広げていくことが目的ではなく、私がやりたいのは「宝塚をPRすること」。その手段の一つが情報誌を作ることですから、今後は街やお店のイベント情報を掲載してPRし、いろんな形で街がにぎわうしくみに役立てていきたいので、そうした需要に合わせた展開に変わりつつあります。そのために観劇、観光に来た方にも手にしていただけるように、市内各所に設置するようにしました。
カフェやアンテナショップの運営も、その一環なのですね。
創刊当初から編集部の中にスペースを作り、プチセレブイベントといって、プリザーブドフラワーやビーズアクセサリーなどの講習会を行っていましたが、それがだんだん大きくなって、イベント情報を発信できるカフェを2010年にオープンしました。その後、カフェは宝塚ブランドとして、宝塚パンケーキ専門店に変わり、今年から、別の場所でも宝塚ブランドとして宝塚市が選定したアンテナショップ、ジュエリーボックス宝塚の運営も任されております。
宝塚といえばやはり歌劇。元ジェンヌさんとのつながりもありますね。
創刊当時の表紙は、市内の読者モデルさんを起用していたのですが、やはり宝塚には元ジェンヌさんがたくさんいらっしゃいますから、モデルになって出ていただくと、もっと宝塚らしいんじゃないかと思ったのが、そもそものきっかけです。

元ジェンヌさんに表紙に出ていただくととても好評ですし、彼女たちはやはり難関をくぐりぬけてきた方たちですから、素晴らしい能力を持ってられる方ばかりなんです。退団後もいろいろ活躍されている方もいますが、なかなか自分で営業活動するのも難しい。そこでもっと彼女たちをフィーチャーしていきたいと考え、「宝塚ローズ倶楽部」を発足しました。

表紙に出ていただいたり、宝塚コレクションというイベントを開催したり、クライアントさんのモデルになっていただいたり。今年は宝塚100周年ということもあり、市の観光協会とタイアップした「元タカラジェンヌが案内する街歩き」は大変好評を得ています。もっと彼女たちのことを知ってもらいたく、今年5月末には、宝塚ローズ倶楽部からヒアリングした「タカラジェンヌのすべて」という本も出版しました。全国書店で発売中ですので、是非ご覧ください♪
「ヴォイラ」さんとして今後どんな展開を考えておられますか?
今は「宝塚ROSE」編集部が逆瀬川にあり、アンテナショップが阪急宝塚駅 ソリオ宝塚にあり、カフェがJR宝塚駅と点在していますが、これら発信拠点を一つにまとめたいですね。ひとつになることでもっと相乗効果を出していけると思いますし、そこに行けば宝塚のことが全て解って美味しいものもあるというイメージを妄想しています(笑)
これからの「宝塚」に期待することは?
宝塚は全国区のネームバリューがありますから、それを活かさない手はないと思っています。歌劇があるから華やかなイメージがあり、そこが一番の強み。外から宝塚という街の価値を知っていただくほうが、にぎわいも作れますし、そこから改めて地元の人にも良さに気づいてくれると思います。

歌劇を楽しんでいただいて、宝塚の街にはこんなお土産やお店もあるよと、両方の良いところをうまく組み合わせて、全国に発信していけたらと思います。
地元活性の仕事をしたい方へのアドバイスをお願いします。
まず情報にアクセスする能力を如何に高められるかが大事だと思います。情報を集める、いつもアンテナを張る感度というのは、年齢に関係なく好奇心ですね。

それを持ち続けられるか、どう加工して表現するかを追及することです。たとえば街の情報を集めるにしても、街を表現することはすでにいろいろありますから、そこに乗っかかるには、自分は何に強くてどう表現したいかを明確にする必要があります。

「やりたい」と思うことは誰でも思いますが、ゼロからというより、いままでの経験を活かしたことで自分の強みを出さなければ、どんな仕事も難しいかと思います。自分の強みって案外自分では気がつかないこともありますから、人に聞いてみることも良いかと思いますよ。自分ではたいしたことないと思っていても、案外強みになることってありますから。

それと一番大事なことは、信念を曲げない、ぶれないこと。本当にそれがやりたいことなのか突き詰めてからスタートしないと、「エイ、ヤー」でやってしまうと、続けていくのは本当に大変です。やっぱりいろんなことが起こりますから、それをクリアしていくには、たとえ全員に嫌われても一人になっても、「これがしたい」と思えること。それが無ければ、ただの腰掛けになって続けていけないですね。
信念を持ちつつ、仲間を巻き込むには?
夢を見せてあげることだと思います。私はこんなことをやりたい。だからあなたもこの夢に乗っかからない?って。そこに関われる楽しさや、こんなことができるようになるわよという夢。もちろんしんどいこともありますけど、特に女性はそういう夢を一緒に見ることは必要だと思います。

信頼できる仲間が集まると、1+1は3になるので、夢のパワーが広がってきます。もちろん「私の夢じゃない」ということもありますが、最終的には同じ夢を見る仲間でないと良いチームにはならないですから。

9割しんどくても1割夢に近づくことで、次のステージが見えて頑張れますよね。逆にしんどい時こそ、次のステージに行くためには絶対必要なんです。未来があると信じてクリアするしかない。一人ではクリアできなくても、仲間や仕事以外でも助けてくれる関係性や精神的な支えがあれば、必ずできると思います。一人ではない組織力を発揮できるかどうかだと思います。
井川さん、ありがとうございました。
 
(取材:2014年7月 関西ウーマン編集部) 
 

 

 

 


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