HOME
■関西マスコミ・広報女史インタビュー
山田 麻未さん(MBS毎日放送ラジオ局編成センター部次長)
前のページへ戻る
■関西マスコミ・広報女史インタビュー
山田 麻未さん(MBS毎日放送ラジオ局編成センター部次長)


山田 麻未さん:株式会社毎日放送ラジオ局編成センター部次長(プロデューサー) 1990年、毎日放送入社。宣伝・広報の部署を経て、9年間ラジオ営業職に従事。現在はMBSラジオ早朝番組「子守康範 朝からてんコモリ!」(月~金 朝5時~8時の生放送)制作プロデューサー。 |

ラジオ局のプロデューサーとはどんなお仕事ですか? |
![]() 生放送のタイムキープをしたり、毎日のネタをパーソナリティーに提案したり、選曲したりなどは、その曜日の担当ディレクターがするんですが、各曜日のディレクターを束ねているのがプロデューサーです。 私自身も全体のプロデュースをしながら、月・火・木曜のディレクターでもあるんですけどね(笑)。 「子守康範 朝からてんコモリ!」という番組全体をみるという意味で、生放送をきちんと聞くようにしています。何か急な対応が必要になったときのためにも、勤務日、休日に関係なく、毎日聞きますね。 連日の番組なので、ルーティンに陥らないように、定期的にパーソナリティーの子守さんと番組内容について話し合うようにもしています。 自分自身の体調管理も大切なのですが、子守さんの体調管理にも気を配ります。それもプロデューサーの仕事ですね。 |
放送業界で働くことになったきっかけは? |
生まれ育った関西の情報を女性の視点で取材し全国に発信したい、と報道記者を志望して放送局の入社試験をいくつか受けました。 第一志望だった毎日放送に、運よく入社することができました。 毎日放送はテレビとラジオの両方を放送しているラ・テ兼営局で、入社してどちらに配属されるのかわかりませんし、定期的に人事異動があります。テレビの人間がラジオに行ったり、ラジオの人間がテレビに行ったりという感じです。 |
![]() |
もともとマスコミ志望だったのですか? |
女性がきちんとキャリアを積んで働いていける場所がいいなと思って受けたのが、放送局と百貨店でした。単なる補助業務とかだけではなく、将来的に仕事を任せてもらえ、自分で何か提案できる職場がいいと思っていました。 結局毎日放送に入社したわけですが、新人の頃から多岐にわたって 勉強させてもらえたんです。最初の配属先の広報では当時、関西民放初の女性部長と いわれた方が直属の上司だったこともあり、色々細かくご指導いただきました。たくさん怒られもしましたが、その時のことが今でも仕事のベースに なっていて、すごく勉強させてもらったなと感じています。 |
![]() |
ラジオ番組制作で気を付けていらっしゃることはなんでしょうか? |
朝の番組制作で非常に重要なのは、この時間帯に何が求められているのか。そのことをパーソナリティー、スタッフともに日々考えています。その中で、早朝の番組で必要とされているのは、お天気や交通などのベーシックな情報なんですよね。朝ラジオを聞いて、「じゃあ傘を持って行った方がいいな」と次の行動につながる情報の出し方を心がけています。 単につらつらと天気の情報を言うより、「洗濯物を干して出た方がいい」など、具体的にわかりやすく伝えるようにしています。 あと交通情報も重要です。電車やバスが不通になっている、工事規制や渋滞情報で道路が混んでいる、ということを出かける前のリスナーさんが先に知ることができれば、次の行動が変えられますよね。 そういうことを、「みんなできっちり正確に出来るだけ早く伝える」というのは、早朝番組の使命だと思っています。 ということは、その作業に関わっているスタッフワークというのはすごく大事なんですよ。 ![]() いろいろな情報を準備しても、最終的に電波にアウトプットしていくのはパーソナリティーなので、その方がやりやすいような仕方、システムはどうなのかということを考えますし、番組のクオリティーをあげるためには、きちんと話ができないとダメなんですよね。 ラジオは人数もTVほど大所帯ではなくて、スタッフとも話合いがしやすく、出演者とも近い、営業的にも近い、リスナーさんとも近い。「こうした方がいいんじゃないか」ということが実現しやすいというんでしょうか。何かを自分たちで実現するというところのしやすさ、可能性、仕事としてのおもしろさがあります。意見が反映できる可能性が大きいのがラジオ制作の醍醐味ですね。 |
ラジオ番組のプロデューサーという仕事のおもしろさとは? |
ラジオはリスナーさんとの関係がすごく濃いんですよ。逆に映像が無い分、声だけで伝わるところが非常に大きいし、リスナーさんからの返りも大きいんです。そこがラジオのおもしろいところです。 毎日3時間の中で、段取りしていること以外に転がる面白さというのは、ラジオの生放送ならではです。リスナーさんからの声をピックアップして呼びかけると、また違う話の方向に行ったり。まさに生放送のライヴ感です。そこが面白いですね。 |
![]() |
この業界を目指す人へのメッセージをいただけますか? |
好奇心が常に旺盛で、なんでもやってみよう、知ってみようと思わない人は、ちょっとしんどいかもしれないですね。電話やメールだけでなく、会って話をするのがベストだったりすることも多いので、やはり人と会って話をするのが好きじゃないとこの仕事は厳しいと思いますね。 なんでも好奇心を持って、常にいろいろなアンテナを立て、さまざまな切り口を提案するためにも、常に何かをインプットするようにしておくといいですね。 |
山田麻未さん、ありがとうございました。 |

![]() 多忙な仕事で体調を崩しかけた時に出会ったのがバレエ。今では仕事終わりに週2~3回レッスンに通い、違う世界からもまた新しいエネルギーをインプットされているそうです。 人をまとめる力は、自分を管理する力でもあると感じたインタビューでした。 |
![]() S plus+h(スプラッシュ) 代表 フリーコーディネーター/コピーライター/プランナー マスコミ・出版メディアへの取材も多く、インタビューする方の人生にスポットを当てる取材を心がけている。舞台芸術、教育、医療、地域活性に関する取材など、そのフィールドは広い。 |
■関西マスコミ・広報女史インタビュー 記事一覧
-
「記者として一番大事なのは、他人の痛みへの想像力」さまざまな事件やニュースを追い、世の中に伝える木原さん
-
「記者は自分自身が丸ごと問われる仕事」どんな経験も仕事につながると言う新聞記者の寺尾さん
-
「新しい出会いを創造できるのも、この仕事のまさに醍醐味」同社初の女性管理職として働く田中さん。
-
「『聖域』を尊重しつつ女性目線を活かしていきたい」男性中心のプロ野球界で広報として働く香川さん。
-
「アナウンサーは良くも悪くも「人間性」が出る仕事」野球好きが高じてアナウンサーになられた市川さん
-
「どでかい好奇心と辞めない決意」フリーエディターから著名雑誌の編集長に。誰にも作れない記事を目指す中本さん
-
関西の番組らしい「おもしろい」を作りたいテレビ番組制作会社のディレクターとして働く日高さん
-
「職業人、家庭人、地域人三面性をあわせもつ女性が増えて欲しい」育休復帰後に希望の広報で活躍する渡辺さん
-
「必要なのは「達成意欲」の高さ」オフィスで働く女性のための情報誌「シティリビング」の編集デスク、村上敬子さん
-
「PRは情報を提供する企業の顔」人気チョコレート「カファレル」を扱う老舗輸入会社で広報PRとして働く山田さん
-
「目の前の仕事を全うすれば、いずれ自分のフィールドになる」神戸新聞社の記者として活躍する片岡さん
-
「裏方で働く人たちがメインに見えた」からテレビ業界に。打てば響く仕事環境が楽しいと話す弓奈さん
-
「人に伝えるというのは常にアンテナを立てていること」新聞記者から独立され、多くのファンを持つ旅行ジャーナリストの大野さん
-
「24時間夢の中でも仕事のことを考えていた」たくさん怒られたことが今でも仕事のベースになっていているという麻未さん
-
「70歳になっても続けたい」テレビ局のADからディレクターを支えるリサーチャーに転身、関西のテレビ番組の多くに携わる赤松さん。