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■関西の企業で働く「キャリア女性インタビュー」


加藤 みゆきさん(株式会社 千趣会 マンスリー事業本部)

加藤 みゆきさん
株式会社 千趣会 マンスリー事業本部 販売管理部 販売編集チーム
大卒後平成3年千趣会入社、インテリア部門にて家具のバイヤーとして勤務。入社3年目で結婚、さらに3年後に出産、7ヶ月の育児休暇を経て復帰。平成6年インナー部門のプランナー、平成12年インターネット事業部門の立ち上げに携わり、平成23年マンスリー事業本部ネット販促担当リーダーとなる。平成26年7月よりマンスリー事業本部販促部門のマネージャーとして勤務。同社の女性の女性活躍推進委員会「Hana*maison(ハナメゾン) 」の初代スタッフとして参加し、代表を務めた経験も持つ。
株式会社 千趣会
〒530-0035 大阪市北区同心1-8-9 http://www.bellemaison.jp 
マンスリークラブネット http://monthly.bellemaison.jp/index.html
加藤さんのお仕事の内容を教えてください。
千趣会の創業事業である頒布会(マンスリークラブ)事業で、販売促進・サービス施策を立案・実行するチームでマネージャーをしています。具体的には、毎月お届けの雑貨・ファッション・食品などの商品をカタログやネットで紹介したり、毎月お届けするショッピングをたくさんのお客様に楽しんでいただけるようなキャンペーンを企画しています。
千趣会を志望されたきっかけは?
大学は法学部だったので司法書士になろうと勉強していましたが、当時はバブル時代の真っ只中で、金融関係に進む友人が多く、私も銀行や不動産などを中心に就職情報を収集していました。母が30年看護士として働いていたことから、私もずっと働き続けたいと考えていて、総合職を希望していましたが、男女雇用均等法の施行後間もない当時は、銀行系の総合職はまだまだ狭き門でした。

今日もダメだった・・・と就職活動がうまく行かずに帰宅したとき、自宅に「ベルメゾン」のカタログがポンっと置いてあるのが目に留まったんです。いつものように楽しく商品を見ていて、最後のページにあった、千趣会の会社案内を見て、「こんな仕事楽しそうだな」と思いました。大阪の会社ですし、就職の資料請求の雑誌を見ると募集していたので、ちょっと受けてみようかなと思ったのがきっかけです。面接の際に、他社で多かった「総合職か?一般職か?」といった質問がなかったことも新鮮で、自然体で長く勤められそうに感じました。
ご自身もずっと「ベルメゾン」のファンだったとか。
母が看護士として就職した年からずっと、毎月、職場で買っていたハンカチや食器などが集まっていくのを、子どもの頃から見ていました。中学高校時代になると、「これかわいいな、あれもかわいいな」と毎日毎日カタログを眺めていて、時々買ってもらっては部屋がどんどん可愛くなるのが楽しくて、とてもお気に入りでした。「私だったらこんな商品を企画したいな」とか考えていましたね(笑)
入社後、ご結婚・出産を経て復帰されたそうですね。
入社3年後に結婚しまして、さらに3年後に出産、育児休暇を7ヶ月いただいて復帰しました。育児休暇中って専業主婦ですから、掃除とか洗濯とか一日やることはもう、パパっと午前中で全部終わってしまうんです。あとは子どもと夜11時まで夫が帰ってくるのを待つというのが、もう退屈で退屈で(笑)

娘と遊ぶけれど他の誰とも喋らないので、すごく疎外感を感じていました。 社会と繋がっていないような気がしてすごく寂しくて、同僚が手紙をくれたりするととても嬉しかったことを覚えています。やっぱり私は、社会の中で自分が役に立っているという実感が無いとだめだなと思ったんです。できれば1日も早く会社に出たいと思って復帰しました。
その頃は出産後に復帰された先輩がおられなかったそうですが、両立の不安はありませんでしたか?
当時は結婚や出産で辞める方が多かったので、やっぱり「辞めないの?子どもがかわいそうじゃないの?」とは言われましたね。子育ては楽しいですし、ずっと子どもを守っていかなくちゃいけないという気持ちはありましたが、でもそれは私だけが頑張らなくてもいいと思ったんです。

いろんな人に関わってもらって、いろんな人に愛されて、お母さんの言ってることとおばあちゃんの言ってることは違うなあと思いながらも、それぞれの価値観に触れることは、多様性を受け入れる力を身につけることにも繋がるので良いんじゃないかなと。

夫もサポートしてくれましたし、ちょうど母が私の出産を機に退職したので、環境には恵まれていたと思います。当時は時短が無かったので、子どもが1歳になるとフルタイムになりますから、そのために実家の近くに引越して保育園も変わりました。
加藤さんは御社にとってロールモデルのような存在ですね。その後「ハナメゾン」という女性活躍推進委員会ができたそうですが、どんな内容ですか?
当初は同じタイミングに両立支援制度が刷新されたので、「働き続けたい人が働き続けられるよう」妊娠・出産・復帰後にどういう制度があり、どういう働き方ができるかというWEBマニュアルを、本人向け、マネジメント上司向け、周囲の同僚向けのものを作成しました。

また制度の啓蒙とともに、女性社員同士の繋がりを深めるために、悩みを共有できる場を作ろうとランチミーティングも行いました。立ち上げ当時の初代スタッフをさせていただき、その後7年目に代表を2年間務めさせていただきました。
「ハナメゾン」ができてから、どのような効果がありましたか?
ハナメゾンができた当初、女性社員の比率は14%で88名、そのうちママ社員は9人しかいませんでした。ハナメゾンができてちょうど10年になりますが、今年4月の時点で女性社員も3倍に増え、ママ社員の比率も1割から2割になって46名と5倍に増えました。

ママ社員が増えたことで、育児関連商品の開発にも、「そこの部署の誰々に聞いてみよう」といったことが自然発生的に増えてきています。お客様も同じ世代の方々からの支持が多いので、かゆいところに手が届くようなアイデアが行き交っていますね。今は商品開発のほぼ半数が女性なので、とても元気でにぎやかです(笑)
勤務23年でいらっしゃいますが、いろんな部署を経験することによって得られたこととは?
インターネット事業立上げのメンバーに選ばれた際、カタログに掲載している商品すべてをECサイトで買えるようにするというミッションが与えられました。カタログ用の必要最小限の画像しかない色展開のカットを補うために、現物サンプルを全色取り寄せて、自分たちで1枚1枚撮影したり、商品の説明文をネット用にリライトしたり、わかりやすくするためのカテゴリー分類など、一連の土台作りから、それをマニュアル化して大量生産できる仕組み作りも行いました。バイヤー時代の商品の仕入れ経験や、プランナー時代の商品を売る際の「切り口」の立て方の経験を活かせることができました。

この経験から2つのことを学びました。一つは、それまで経験したことは必ずどこかで活きるということと、もう一つは、目指す方向を共有することの大切さです。

ECサイトの立上げにあたり、いろいろな部署の方に自分たちの目指しているものをきちんと伝えることで、ネットへの意識や関心を高め、早期に協力体制を作っていただくことができました。この経験から、異動があり業務が変わっても変わらない仕事の仕方を身に付けることができ、今にも活かされていると思います。
いろんなジョブローテーションがあっても、普遍的に役立つことがあるということですね。
例えば新しい部署に配属されて、それが今までと全く違った仕事だったとしても、やっているうちに小さい成果が出てくると、そこで「よしよし」と嬉しくなりますよね。同時にまわりも一緒に「やったー」と喜びあえる。すると次の意欲が湧いてきて、うまくいけばまた仲間と一緒に喜べるんですね。

それが少しずつ大きくなり、絡む人が増えてくると、さらに喜びも大きくなって、そこで人間関係も築かれていきます。すると次の部署で何か新しいことをするときにも、相談できる人が増えてきますし、自分ができることがどんどん増えていきますね。仕事を通じて社会の役に立てるといった、自分の成長を実感できる達成感があると、どの仕事にも意義を感じることができると思います。
最後に働き続ける女性に向けてメッセージをお願いします。
千趣会には「ウーマン スマイル カンパニー」という企業理念があります。女性が笑顔でいると家族や周り人たちもみんな楽しくなります。それには女性自身がいろんなことに興味を持ち、いろんな人と接し、美味しいものを食べ、楽しく生き生きと暮らすこと。それが笑顔の原動力になるので、仕事もプライベートも楽しく!これが大切だと思います。
ありがとうございました。
(取材:2014年10月 関西ウーマン編集部) 



 

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