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■関西の企業で働く「キャリア女性インタビュー」


安部 文子さん(株式会社ヤマダ・エスバイエルホーム)

今回は株式会社ヤマダ・エスバイエルホーム 兵庫支店 阪神営業所に勤務されている一級建築士の安部 文子さん。一級建築士として働く一方、同社の「女性活躍推進チーム」のリーダーとして活躍されています。「キッチン収納」や「リビング収納」など女性社員の目線で商品を開発し、社内の情報交流など数々の実績を上げておられます。同社の活躍を講演会等、社外でも情報発信されている安部さんにお話を伺いました。
株式会社ヤマダ・エスバイエルホーム 兵庫支店 阪神営業所
〒658-0015 神戸市東灘区本山南町8-6-26 東神戸センタービル2階 TEL:078(414)6500
HP:http://www.sxl.co.jp  「女性活躍推進チーム」の取り組み
安部さんが入社されてから、こちらに来られるまでの経緯を教えてください。
ヤマダ・エスバイエルホームは、昭和26年に創業した住宅会社です。私が入社した当時は「小堀住研」という社名で、大阪市北区の曽根崎に本社がありました。現在はヤマダ電機と資本・業務提携を行い、社名はヤマダ・エスバイエルホームになりました。

私は大学卒業後、新卒で入社しまして、当時の本社(大阪北区・曽根崎)に勤務していました。本社にいた頃は、全国の支店でお客様から注文住宅のオーダーをいただいた後、設計の方とやりとりしながら家の構造図や構造計画を作っていました。その後京都支店を経て、今年(2014年)2月から阪神営業所に転勤になりました。
転勤は多いのですか?
当社では自分のエリア内で勤務する「エリア職」と、全国どこでも転勤可能な「ナショナル職」を、毎年自己申告できる制度があります。たとえば子育てや介護など、一定期間だけエリア職を申請することもできますし、その後ナショナル職に切り替えることもできるという、各自のライフスタイルに応じた制度になっています。
入社された頃は、いわゆる「男女雇用機会均等法世代」ですね
まさにそうですね。当時は男女雇用機会均等法が始まったばかりでしたので、どの企業も同じく試行錯誤だったと思います。でも私が入った部署の上司は、「男性も女性も、同じように扱うからね」といろんなことをさせていただいたので、部署としては恵まれていたと思います。

女性の雇用は一般職が多かった時代が続く中で、男女雇用機会均等法によって総合職の試験が受けられるようになりました。それまでは10年勤務してようやく総合職の試験を受けられたという方もおられましたが、私は入社してすぐに受けさせてもらえたのでラッキーだったと思います。
ご結婚後も仕事を続けようと思っておられましたか?
入社後10年ほどして結婚しましたが、主人は大学時代から知っていますので、仕事を続けることは理解してくれています。私はどちらかというと家事は苦手なので(笑)家に入るという考えは無かったですね。一緒にいるのは休日だけですから、定年後は何をしようかと今から考えています(笑)
安部さんは「女性活躍推進チーム」のリーダーとして活動されていますが、このチームが発足された経緯を教えてください。
以前、社内でいろんな横のつながりをもって、さまざまな改革をしていこうというプロジェクトがありまして、その一つに女性の活躍を推進していこうということになり、そのメンバーに参加したことがきっかけです。参加したメンバーとグループディスカッションしながら考え、女性の活躍を支援するチームの発足を提案したところ、役員会で認められ、2006年「女性活躍推進チーム」がスタートしました。
女性チームを提案するにあたり、どのような背景がありましたか?
本社には女性社員はたくさんいますが、支店、特に住宅展示場でお客様を案内する女性社員は、小さな規模の展示場ではとても少ない場合があります。そこで支店同士の情報の共有やさまざまな相談ができるようなつながりが欲しいという意見が社内でありました。また、住宅のご提案には女性の声も必要だという意識もありましたし、社内でそれらをうまく伝えることができればという思いもありました。
発足されてから、周りはどんな感触でしたか?
一般的に他の企業の方も同じかと思いますが、女性の活躍を推進することは、やはり男性社員の方たちも、それはすべきことだと思われていると思います。特に住宅を購入されるにあたり、お客様も奥様の意見は大事ですから、必要性は感じられるとは思うのですが、では具体的に何をすれば良いか、どうすれば効果的なのかということは難しいと思うんですね。そこは私たち女性が探すことから始めました。
最初に商品開発を始められました
まずこのチームの存在を社内で知ってもらいたいことと、女性活躍推進が会社に役立つことを認めてもらいたいこともあって、商品開発に所属する推進チームメンバーの女性が中心になり、女性の意見を活かした商品を開発しようと考えました。そこで開発したのが「キッチン収納」です。それをある住宅祭のイベント会場で展示して欲しいとお願いして、ブースを作ってもらうことになりました。会場では収納セミナーも開催し、とても好評をいただいて、たくさんお客様にお越しいただきました。

最初、商品開発には商品開発以外のメンバーも参加して女性たちだけで提案をまとめたので、本当にお客様に喜んでいただけるのか不安でしたが、とても嬉しかったですね。これは絶対いけると確信を持つことができました。その後「リビング収納」「玄関周りのおでかけクローゼット」「美楽洗面収納」と4箇所の収納を開発してきまして、今はいろんな住宅商品にセットしたり、それぞれの機能をさらにバリエーションを増やして展開していく段階です。
女性活躍推進チームの皆さんは、普段のお仕事をされながら活動されていますが、どのように時間を工夫されていますか
やはり普段の業務をしながらですから、すごくパワーは要ります。仕事がそっちのけになると上司も了解しませんので、そこは各自時間を工面して行っています。ですが無理をしてしまうと続けられませんし、このチーム自体が尻つぼみになってしまいます。

「いつのまにか、女性活躍推進チームって無くなったんじゃない?」と思われるのはイヤですし、「あんなに無理しなくちゃいけないなんて、私なんて無理」と思われると新しいメンバーも増えません。なのでなんとか無理しない範囲で協力し合うよう心がけています。

それぞれのメンバーの業務もチームでの役割担当も違いますし、一人でできる量は限りがありますから、自分だけで完結しようとせず、常に周りと情報交換しながら、手伝ってもらったり協力し合いながら、とにかく繋げていこうと考えています。
この活動に力を注げるエネルギーの源は何ですか?
楽しいことですね。会社にとって費用対効果や結果を出すことは、絶対に外せないのでプレッシャーもありますが、楽しいです。女性社員の横の繋がりが自分たちの力になりますし、お客様が喜んでくださるといった「返ってくるもの」があります。それに社外にこの活動のお話をさせていただく機会もあり、それらが活力となっています。
女性活躍推進チームとして、社外で活躍されることも増えたそうですね。
この女性活躍推進チームに携わるようになって、社外のさまざまな方と知り合う機会も増えました。そのきっかけになったのが、2011年10月に開催された「大阪ピンクリボンキャンペーン2011」に実行委員会として参画したことです。

資金集めから運営まで、大阪市女性協会(当時)の方々にノウハウを教えていただきながら行いましたが、そこからさまざまなイベントや講演会に参加させていただく機会が増えました。社外の方、特に活躍されている先輩女性と知り合う機会も多く、私自身が大きなパワーをいただいています。
将来このチームでどんなことを希望されていますか?
今はみな、自分の仕事と兼務で活動していますが、どんどん女性の活躍を推進していくことで結果を出し、将来的には業務・部署の一つになっていけたらと思いますが、そのためにはまず、自分たちで地盤を固めていかなければと思っています。
御社の「女性活躍推進チーム」のような活動をしたい方へアドバイスをお願いします。
やはり「無理せず」ですね。「やらなくちゃいけない」と思うより、楽しみが大きくないと続けられませんから、そのためには仲間と周りの応援も必要だと思います。ヤマダ・エスバイエルホームでは、皆が仲間ですし会社も応援してくれていますので、もっと一緒にできる仲間を増やしたいと思っています。
ありがとうございました。
(取材:2014年7月 関西ウーマン編集部) 



 

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