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■関西の企業で働く「キャリア女性インタビュー」


米田 妙子さん(株式会社ダスキン/人事部 人事労務室)

今回は株式会社ダスキン 人事部に勤務されている米田 妙子さん。ミスタードーナツショップのアルバイト時代が楽しくて同社に就職。結婚・お二人のお子さんの出産を経て、キャリアアップされてきています。育児をしながら働く女性が諦めずに長く続けるためには?数々のエピソードを交え、勇気づけられるメッセージをいただきました。
株式会社ダスキン 〒564-0051 大阪府吹田市豊津町1-33
http://www.duskin.co.jp/
米田さんはどのようなお仕事をされていますか?
人事労務室で、人事異動や就業規則の改訂、海外赴任者、産休・育児休業取得者、定年される方のお世話など、労務管理を主として幅広くいろいろな業務を担当しています。 
ダスキンさんといえば働く女性に優しい企業というイメージがありますが、どのような制度がありますか?
両立支援制度の一つに「よつ葉シフト」(所定労働時間を守りながら個人の事由にあわせ、始業終業時間を変動することが可能)という制度があります。小学校6年生までの育児をしている社員や妊娠中、介護中の社員、単身赴任をしている社員など、自己都合事由でも使えるシフト勤務の制度です。産休育休というと女性のイメージが強いのですが、男性も子どもを保育園に送って、9時始業のところを9時半に出社する方もいて、今では大勢の社員が使っています。

また、一定の条件やポストの空き状況にもよりますが、育児・介護などの理由でどうしても働き続けることが困難になって退社した社員が、もう一度復職できる「よつ葉Dターン」という制度も導入しました。2004年に発足したダイバーシティ推進プロジェクトで、自分たちの経験を踏まえて、「長く働き続けられるために、こういう制度があるともっと働きやすくなる」ということで発案いたしまして、会社に認めてもらいました。
人事労務室には女性社員がたくさんいらっしゃるそうですね。
室長も女性ですし、どちらかというと多いですが、特に女性に対してのみポジティブアクションする会社ではないので、意図的に女性をということではありません。きちんと業務をこなせれば、男女関係なくどんどんポジションに就いていくことが会社の方針になっています。 
米田さんが入社された経緯をお伺いすると、学生時代のミスタードーナッツのアルバイトからの始まりだそうですね。
高校卒業後にアルバイトを探していたところ、友人から一緒に行こうと誘われたんです。当時のユニフォームは赤いギンガムチェックにキュロットだったのですが、「私、このユニフォーム着るの?」と最初は少し不安でしたが(笑)、実際に入るとすごく楽しかったんです。

ドーナツも大好きでしたが、常連のお客様に「いつもの頂戴」と言われると、このお客様がお好きなドーナツはこれとこれ。そこで「いつもありがとう」と言われるともう有頂天になっていました。接客業って楽しいなと思いましたね。昔なので時給は520円だったことを覚えていますが、その頃は賃金ではなくて、仲間とその空間にいることが本当に楽しかったです。
大学時代というと、やはり就職が気になる時期ですが、やはり就職もダスキンさんを希望されていたのでしょうか
一番入りたかった会社でしたね。他にもいくつか受けてはいましたが、やはり大好きなミスタードーナツの会社に行きたいと思い就職試験を受けました。 
入社後はどのようなお仕事をされていましたか?
希望の部署には迷わず「ミスタードーナツ」と書きましたので、念願のミスタードーナツに配属されました。ミスタードーナツはフランチャイズ展開していますので、新しく加盟店になられる会社に対して、ドーナツの作り方や、名前や価格、ドリンクの出し方、接客の仕方など全てお教えする部門に配属されました。その中で私は主に接客を担当していまして、「ミスタードーナツとは何か」「お客様に喜んでいただくためには」といったトレーニングをする仕事をしていました。

その後は、新しくレストラン事業を展開するということで、レストランのサービストレーナーとして異動したり、秘書を長くやっていた時期もありまして、長く同じ会社にいながらにして、いくつもの部署を経験してきました。2人目の子どもを出産後、育児休業を経て復職し、現在の人事の部署に就きました。人事は今年で10年、通算すると勤務20年以上になります。 
ご結婚された際に辞めることは考えませんでしたか?
全く考えていませんでしたね。昔はマタニティの制服もありましたから、お腹が大きくなっても出産後も働き続けている先輩たちを見ていましたし、夫も同じ会社なので、二人ともそういう意識は全くありませんでした。ダスキンでは結婚しても出産しても働き続ける女性が非常に多い会社で、そういう面では恵まれた環境だったなと思います。 
産休後に復帰されたあと、やはり子育てとの両立は大変でしたか?
やっぱりその時期はしんどかったですね。時短も取っていましたし、使える制度はできるだけ使わせてもらいましたが、それをもってしてでも、子どもって自分の思うようにいかないですから。朝、私が早く早くと思っていても、子どもは全然早くしてくれませんし、「この服イヤだから今日は保育園行かない」とか、ごはんを食べなさいと言っても、全然食べてくれず、ぐちゃぐちゃにしてしまったり。その頃はしんどいと思うことも多かったですが、でもそう言いながらも楽しくもありました。 
振り返ってみて、諦めずに続けてこられたのなぜだったのでしょう
常に全力投球でなくてもいいと思い続けてきたことでしょうか。一時的に全力で飛べなくて低空飛行になる時があっても、また全力で飛べる時が来る、辞めるのはいつでもできるし、辞める勇気があれば何でもできると考えるようにしていました。どうしてもだめだったら辞めよう。その時が来るまでとりあえずやってみようと思ったんです。

子どもを保育園に預けていた頃、通勤に1時間くらいかかるので、朝から一番長い時間預けていたんですね。時短が終わってフルタイムになるとき、「これからまた長くなります」と先生に伝えたところ、「もちろんお預かりしますけれど、子どももいっぱい辛い思いをしているのですから、かわいそうですよ。職場の近くに住むとか、他の仕事に変わるとか、何か子どものために考えてあげることも必要ではないですか?」と言われて、その言葉にすごくへこみました。

やっぱりそうなんだ。預かってくださる保育園の園長先生までそう仰るほど、そこまでして働かないといけないのかと。でもその翌日「昨日は言いすぎました。子どもさんのことを想って言葉がけをしてしまいましたが、保育園も責任持って一生懸命お預かりしますから、お母さんも一生懸命働いてくださいね」と言ってくださったので救われたのですが、やはりそうした「風当たり」というものはありますね。 
そこが一番ネックになりますね。女性に働き続ける気持ちがあっても、そうした周りの「かわいそう」という言葉にすごく揺れてしまいます。
「かわいそう」というのは本当にこたえますね。言われた瞬間、本当にかわいそうだと思ってしまいますけれども、逆にそうばかりでもないと思うんです。もし私がずっと家で一日中、子どもにかかりっきりになっていたら、こんなにたくさんの経験や、季節の行事を子どもに見せてやれたかなと思うと、きっとやらなかったと思うんですね。

そう考えると、この環境でたくさんの人に触れて、いろんな人に育てられた子どもですから、決して「かわいそう」ではなかったと思っています。いろんな経験をしてたくましく大きくなれたことを、逆に感謝してもらっても良いかもしれません(笑) 
子育て時代のエピソードに、娘さんが、バッグを片手にお人形を保育園に預けて会社に行くという遊びをされていたそうですね。
娘が3歳くらいの頃、お人形とおもちゃのベビーカーを買ったので、お母さんごっこをするかなと思ったんですが、バッグを持ってお人形をベビーカーに乗せて、「保育園の先生、ではお願いします。じゃママ行って来るからね」って言っていたんです。それを見たときは、この子が見ているお母さん像ってこれなんだなとショックでしたね(笑)

キッチンセットのおもちゃを買い与えたときも、トントンとまないたでお料理して、「ごはんができましたよ」と遊んでくれるイメージだったのですが、「何名さまですか?ご注文をどうぞ」って。娘にとってキッチンセットは「おままごと」ではなくてお店屋さんなんですね。おもちゃのレジでも「お支払いはカードになさいますか?」と言ってるんです。

確かに、私はいつも忙しくてどうやって時間を捻出するかばかり考えていたので、スーパーで買い物をするよりネット宅配で頼んでいましたし、買い物に行くといえば、週末に自分の洋服や靴を買いに行く百貨店だったんです。いつも働きに出て、週末にデパートで買い物をして、しんどいから外食する。私は娘にはこう映っているのねと大いに反省しましたね。

息子の参観日に行ったときも、自己紹介カードが教室に貼ってあって、好きな食べ物はプチトマトとカップヌードルって書いてあったり(笑)せめてお母さんの作るハンバーグとかカレーとか、子どもらしいこと書いてよと思いましたけれど、それも子どもの目に映る私なんだと複雑でした。家でクッキーを一緒に作るようなお母さんになりたかったけれど、やっぱり難しいですよね。
でも割り切られたのですね。
お母さんも一生懸命働いているんだということは、息子や娘たちには当たり前のことだと映っていますから、それもいいかなと(笑)。娘には女性も働き続けるということ、息子にも、自分も同じように家庭を担い、パートナーと協力しながら一緒に共存共栄していくんだという姿勢はきっちり伝わっているかなと思っています。そう考えると自分が働き続けてきて良かったかなと思いますね。 
子育てしながら働くことで得られたことは何ですか?
子育てしながら働くことによって、段取り力、予知能力、共感力、自分とは違う個性を認める力など、いろいろなことを学びました。特に、同時にいくつもの仕事をこなす力は、結婚した時点で少し上がったと思いますが、出産してパーンと上がりました。

保育園のお迎えの時間は決まっているので、必ず時間内に業務を終えなければいけない。そのためにはまず、今日の仕事をどの順番でするか。朝会社に行く前に、歯磨きしながら考えていました。自分一人で完結できることは後に回して、人と協力してやっていくことを先に声をかけて進めておくとか。その時間に帰るための段取り力はすごく上がったと思います。

それと、予知能力というとエスパーみたいで変ですが、母親って「この子はもうすぐ熱を出すかもしれない」と予知する力が備わってくるんですよね。子どもってどうしても休めない日に限って熱を出したりしますから、予め怪しいと思ったら、母に「明日来てくれる?」と電話してみたり、最悪、私が会社に行けなかったときのために、明日困らないようにここまで終えて帰ろうとか、誰かに頼めるように仕事の共有化、見える化をしておくことでお客様や周りの方に迷惑をかけないようにする、といったことができるようになりました。これらは子育てしながら働くことによって身に着いた能力だと思います。
キャリアアップのためにはロールモデルをもつことは必要だと思われますか?
ダスキンでは定年まで働く女性の先輩がたくさんいますので、働き続けることが普通だと思える環境は大きいと思いますが、社外でもロールモデルをたくさん持つことは必要ですね。

ロールモデルといっても完璧な人である必要はないと思っていて、パッチワークのように、この人のこの面はすごく尊敬できるから取り入れてみよう、この人はここが素晴らしい、とツギハギでもいいので、自分のものにしていけると良いと思います。

また私は「J-Win」というダイバーシティ・マネジメントを支援するNPO法人に参加したことが大きな転機になりました。月1回の定例会やアウトプットの場としての分科会、海外研修や合宿など、2年間ここでいろんな刺激を受けまして、女性だからと尻込みせず、どんどんキャリアアップして活躍していこうという意識を教えてもらいました。

それからは、少し難しい仕事を頼まれてもNOは言わないことにしました。この人ならできると思っているから声をかけてくださるわけですから、まずは受けて立つ。そこからどのようにしてゴールにたどり着くかは、引き受けてから考えます。それは結果的に自分のスキルアップにつながっています。

でも年齢を重ねるとだんだん責任も大きくなりますし、一人でやりきろうとせず、周りをうまく巻き込んで一緒にチームとしてやっていくことが、最大の成果を出すことだと思っていますし、今の自分の課題はこれだと感じています。これは子育てしながら働くことにも共通していますね。 
働く女性へのメッセージをお願いします。
これからの女性は、一つの会社だけでなく、形を変えながらでも、ずっと働き続けなくてはいけない世の中ですから、若い年代の女性が、結婚するので辞めますというのは非常にもったいないですね。

結婚しても、終生、その男性と添い遂げられるかどうかはわかりませんし、ご主人の会社もいつまで安泰かどうかもわかりません。またずっと元気でバリバリ働いてくれる保証もありませんから、やっぱり女性も経済力を持つことは必要だと思います。

仕事での達成感は、子育てだけでは味わえないやりがいがありますから、そういう世界をいくつも持てることは女性の得な部分だと思います。そのためにも一生働き続けるために必要な知識や力を養って欲しいと思いますし、諦めずやりたいことは全部やって欲しい。それは私の娘にはもちろんのこと、後に続く女性にも伝えていきたいと思っています。 
ありがとうございました。
(取材:2014年7月 関西ウーマン編集部) 



 

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