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■関西の企業で働く「キャリア女性インタビュー」
上杉 雪恵さん(株式会社藤井大丸 業務推進部課長)
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■関西の企業で働く「キャリア女性インタビュー」
上杉 雪恵さん(株式会社藤井大丸 業務推進部課長)

今回は京都「藤井大丸」業務推進部課長(人事担当)の上杉雪恵さん。上杉さんは新卒で入社されて18年。その間に社会保険労務士試験に合格され、結婚、出産を経て管理職として働いておられます。事務職に向いていないと思っていた就活時代から、キャリアアップ、子育てをしながら働こうと思った出会いやきっかけなどをお伺いしました。 |

藤井大丸さんに入社された動機は何でしたか? |
実は元々百貨店や小売業界に興味があったわけではないんです。大学4回生になって就職活動を始めた当時、周りが大手企業や銀行にせっせと就活している傍ら、以前から洋菓子作りが好きで、ケーキ職人として採用してくれるところばかり探していました。 自営業の家に育ちましたので、父親が毎日会社に行くという姿を幼い頃から見ていなかったこともあり、自分のオフィスワーク姿が想像できなかったんです。でも実際は就職試験を受けても見事に全部落とされまして(笑) 両親からも少し視野を広げて探してみたらと言われて、たまたま立ち寄った学生課の掲示板に藤井大丸の募集があったんです。自宅から近いということもありましたし、入社後は販売職からスタートと書いてありましたから、売り場での仕事だから良いかなと思い受けてみました。そうしましたらトントンとすぐに内定をいただいたんです。 父は昔からことあるごとに「自分がこの先々いろんな道を選ぶだろうけど、ご縁のあるところが自分にとって一番良いと考えれば、人生絶対うまくいく」と言っていましたので、ご縁をいただいて私を採用してくださった藤井大丸さんに入社を決めました。 |
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入社後、販売職からスタートされたのですか? |
売り場での勤務は入社した4月の1ヶ月間だけで、当時の人事部長に呼ばれまして5月から人事に異動と命じられました。自分は事務職には向かないだろうと思っていましたから、びっくりして予想外ではあったんですけど、そこから今に至って18年になります。 |
思ってもみなかった人事の仕事はどうでしたか? |
最初はやはり人事の仕事にすぐ携われたのではなく、細かい仕事が多かったですね。当時パソコンも1人1台ある時代ではなかったので、住所書きも何もかも、ほぼほぼ手書きの仕事でした。 |
実際の人事の仕事にはいつから携わるようになりましたか? |
入社当時5つ上の女性の先輩がおられて、その方が結婚されて出産を機に退職されることになったので、それからですね。当時担当していたのはアルバイトさんの給与計算や、中元や歳暮の時期になるとたくさん採用しますから、採用にあたっての受け入れ準備、あとは社会保険実務ですね。新しい人を採用した際の社会保険取得や、退職された際に離職票を書いてハローワークに届け出したりと、主に労務管理をしていました。 |
当時も事務職は向いていないと思っておられたのですか? |
それがその頃はもう、自分には向かないと思っていたことが無くなっていまして、逆に向いているんじゃないかと思い始めていましたね。元々集中力はあるほうだと思うので、じっと座って何かを書いたりすることは、思いのほか自分に向いていたようです。 |
これまでの中で、自信に繋がったことは何ですか? |
30歳を目前にした頃、長年労務管理や社会保険実務に携わってきましたが、これといった資格も持っていないですし、本格的な知識があるわけではないので、ちょっと一度真剣に勉強してみたいと思い、仕事に関連する社会保険労務士の資格を1年かけて勉強しました。 |
![]() 上司には事前に学校に行きたいと伝えていましたので、週2回だったんですが、試験合格に繋がる支援を会社からいただいたと思っています。 勉強したことを仕事に活かせるということもありますが、新しい人との出会いも自信に繋がる大きなきっかけになりました。 |
きっかけになった出会いとは? |
20代後半の頃でしたが、21世紀職業財団主催のセミナーで、女性が結婚出産しても仕事を続けるためのライフプランを考えましょうというセミナーに参加したんです。そこで2人目の育児休暇中という女性に出会いまして、その方は休暇を活かしてアロマテラピーの資格の勉強されていると聞いて、すごいなと。 今後結婚して出産してとなったとき、自分もこんなふうに活き活きと仕事を続けていければいいなと感じた出会いでした。そのセミナーで同じ班になった方々も、子育てしながら仕事を続けていらっしゃる女性が大半でしたので、非常に良い刺激を受けましたね。 積極的に外に出て、他の会社で働く方たちとの出会いや情報交換、そこでいろんなことを教えていただいたりすることが、自分のモチベーションアップに繋がったと思います。 |
結婚された当時、仕事の継続に悩みましたか? |
私の母は専業主婦でしたから、子供の頃、学校から帰ると家に母がいる環境で育ったのですが、やはり仕事を続けていきたいという気持ちが大きかったのか、自分が専業主婦になることは考えませんでした。結婚当時、義理の母が「子供ができても応援するから、仕事は辞めるともったいない」と言ってくださっていて、それが大きな支えになりました。と |
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子育てしながら働くことについて、どう感じておられますか? |
育児休暇を1年とって復帰しました。本来百貨店は遅番早番がありますが、私は後方部門ということもあって6時40分が定時ですので、短時間勤務ではなく通常勤務で働いています。 自宅のすぐ近くに夫の実家があって、子供は義父母に私が帰宅するまで預かってもらっています。 今子供が小学生になりましたので一緒に帰りますが、まだ小さかった頃は、連れて帰っても抱っこしてくれとか泣いたりして、なかなか食事の用意ができないこともあって、ごはんの用意ができてから迎えに来たら良いよと言ってくれていました。 すぐ近くに夫の妹家族もいて、妹の子供二人とうちの子とで両方の親が迎えに来るのを待っています。子供にしてみれば常に兄弟のような従兄弟と仲良く過ごしていますので、義父母の存在は非常に大きく、恵まれた環境にいると思います。 |
昇進されたことで変わったことは何ですか? |
課長という職を命ぜられてから、人事政策や賃金制度の改訂などにも携わるようになりましたので、仕事の幅は増えました。やはり人事制度を変えるとなると、社内でいろんな反響がありますから、いただいた意見によっては時に落ち込むこともありますが、まず素直に受け止めようと心がけています。 至らないところは素直に反省して、いろんなご意見も人事に対する期待であると、前向きに捉えようと考えています。まだまだ苦労は味わっていないと思いますが、できるだけ良いほうに発想しようと努めていますね。あと、一晩寝て朝になるとイヤなことは大半忘れる性格にも助けられていると思いますが(笑) 課長職について5年目ですが、人事はやはり人との拘りですから、従業員一人ひとりいろんな考え方があるので難しいなと思うことは多々あります。 |
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藤井大丸さんの「働く女性」サポートは |
藤井大丸では小学校3年生の修了時まで短時間勤務が利用できますので、子育て中の方の大半は短時間勤務です。限られた時間の中で、自分のできることを精一杯やろうという意識を持っている人が多いのですが、やはりそれぞれの境遇は同じ立場にならないとわからないので、これもいろんな考え方があります。 でも藤井大丸は昔から家族的な社風が特徴ですから、私も含め社員も、そうした会社の風土に助けられていることは大きいと思いますね。 |
ご自身にとって「マイパワー」になることは何ですか? |
やはり家族、子供の存在ですね。物心ついたときから両親の帰りを待つということを経験しているからかもしれませんが、ある時子供が「大きくなったら仕事して、自分の子供もおばあちゃんに見てもらう」と言ったそうで、子供なりに自分も働きながら子育てすることをすでにイメージしていると知ったときは、ちゃんと私の背中を見てくれているんだなとうれしかったですね。よく「お仕事がんばってね」と声をかけてくれたり、手紙を書いて「おまもりやし」と渡されたり。ことあるごとに子供からそういうものを貰うので、それが励みになっています。 あとは先ほどお話しました父の言葉ですね。自分の選んだ道に間違いはないという。父はまた、ダメだと思ってしまえば必ず悪い流れになってしまうから、いつも頭の中で良いイメージを持つようにとも言っていました。今本当にそう考えて良かったと思いますし、父の言葉は正しかったと思っています。 |
働く女性に向けて、メッセージをいただけますか? |
社内でいろいろ話せる人を見つけることも良いのですが、やはり外に出て、社外のそれもいろんな業種の方と出会う機会をたくさんみつけると良いと思います。それと何でも良いので自分の強みを一つ持つことでしょうね。それが自分の自信にも繋がりますから。 |
今日はありがとうございました。 |
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