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■関西の企業で働く「キャリア女性インタビュー」


川原 理恵子さん(パナソニック株式会社 エコソリューションズ社)

今回はパナソニック株式会社エコソリューション社で宣伝・広報のお仕事をされている川原理恵子さん。結婚後早くに出産。産休育休を経て会社に復帰するとすぐ、一般職から総合職へキャリアアップされました。育児との両立に悩む方が多い中、さらにステップアップをされたいきさつをお伺いしました。
川原 理恵子さん
パナソニック株式会社 エコソリューションズ社
宣伝・広報グループ メディア開発・管理チーム主事

短大卒後1995年松下電工株式会社に入社、執務職(一般事務相当の職種)として働き始める。1999年結婚、2001年出産。産休・育休を8ヶ月取得後に復職。2003年に執務職から企画判断職(総合職相当の職種)に職掌変更。2005年女性躍進推進室 2009年広報部を経て、2012年よりパナソニック株式会社 エコソリューションズ社 宣伝・広報グループ メディア開発・管理チーム主事として勤務。 愛読書は「道をひらく」(松下幸之助) 「悩んだ時に読み返すたび、その時に合ったアドバイスに出会える気がします」
パナソニック株式会社 エコソリューションズ社
大阪府門真市大字門真1048番地 http://panasonic.co.jp/es/
川原さんのお仕事内容を教えてください。
パナソニック株式会社のカンパニー(グループ内分社)の一つ、エコソリューションズ社(ES社)で、広告を出す際の、メディア(TV、新聞、雑誌、WEBなどの媒体)プラニングや、発注・出稿管理を行っています。

エコソリューションズ社は、システムバス、システムキッチン、太陽光発電システムなどの住宅設備機器を扱っておりまして、宣伝・広報グループでは、それら商品ごとに、伝えたいターゲットは誰か、どの方法が一番効果的かなどを考える仕事をしています。
川原さんが入社されたのは1995年。いわゆる就職氷河期の直前ですね。当時は入社後数年の勤務で寿退社される女性が多かった時代では?
短大卒業後に新卒で入社しましたので、当時は就職氷河期との境目でした。入社2、3年後は、一般職の新卒採用がなくなって、どんどん派遣社員の方が入ってこられた時代でしたから、4年生大学を卒業した同級生の就職は大変だったようです。

結婚後、出産で辞めていく先輩はいましたが、私は結婚して早い時期に子どもができたので、経済的な事情を考えて会社に戻ってきました。産休・育休は8ヶ月でしたが、どちらかというと少ないほうです。工場で勤務される方は産休・育休を取って戻ってこられる方が多かったですし、長くて約2年の方もおられましたが、当時、事務職の社員が取るのは少なかったと思います。
戻ってこられてから、育児と仕事の両立は大変だったと思いますが、川原さんはその頃に、一般職から総合職へと変わられました。それはなぜですか?
このまま5年10年と、私はこの部署で同じ仕事を続けていくのだろうかと、働き続けることに先が見えなくなってしまって。それなら、子どももまだ小さいし、会社を辞めて子どもに専念しようかなと思い始めたんです。

上司に相談すると「なんでそんなこと言うんだ。君はまだまだ働き続けると思っていたのに」と引き止めてくれました。そこで、「もっといろんな仕事がしたいなら、こういう制度があるから受けてみないか」と総合職への試験を勧められたんです。

ずっと家にいる生活は私には向いていないと思っていたので、会社を辞めてもパートで働こうと考えていましたから、どうせ子どもを預けて仕事に時間を使うのなら、できるだけ内容の濃い時間を使いたいと思うようになったんです。
総合職に就かれて、仕事の内容はどのように変わりましたか?
部署は同じですが、指示された仕事をする執務職から、企画判断職という職種に代わり、社外の方や社内のいろんな方と話し合いながら企画を立て、新しいアイデアを出していく仕事に変わりました。
御社には女性が使う商品が多いので、ご自身のアイデアが活かせますね。
その考えが特に大きくなったのが、女性躍進推進室ができた時です。総合職になって、仕事の幅が広がって面白くなってきた頃、松下電工(当時)の中に女性躍進推進室という部署ができました。

住設建材、照明といくつか事業部門がありまして、私は住設建材事業部門の事業企画のメンバーの中から、女性躍進を考える委員として選ばれました。
その女性躍進推進室は、どのような目的で作られたのですか?
当時の松下電工では、会社としてグローバルに戦っていくためには、もっと女性の力を活かさなくてはいけないということで、ダイバーシティ推進の一つとして女性躍進推進室が立ちあがりました。

今何に悩んでいたり、何が問題なのかについてアンケートを集め、働き続けてもらえるためにはどうしたらいいかを考える両立支援と、キャリアアップの両方を考えていこうと。まずは社内の風土改善が目的でした。

私が仕事を続けていこうかどうか悩んだ時、上司から総合職へキャリアアップできる制度ができたことを教えてもらえて、やりたい仕事を任せていただけましたが、はたと周りを見渡すと、そういう働き方をしている女性社員が少なかったんですね。それに、うちの商品は女性が使うものが多いので、すごくもったいないと思っていました。

女性躍進推進では、当時の松下電工本社にも選任のスタッフがおらず、人事部の何人かが兼任されていましたが、会社としても、もっと本気で女性躍進を推進しようということで、選任を公募することになり、「私、やってみたいです」と希望を出して、住設建材事業部門から女性躍進推進室に異動しました。
川原さんは勤務されて約20年と伺いますが、ずっと働き続けていける気持ちの持ちようとは?
この人と一緒に働きたいと思ってもらえるよう、会社から必要とされるよう、日々の仕事に打ち込むことが大事だと思います。働き続けることは大変なこともありますが、仕上げた達成感というのは、仕事をしていないと感じられない感覚であると思うんですね。

それをできるだけ早い時期に味わって欲しいです。それを重ねていくことで、「こんな良いこともあるから、もうちょっと続けていこうかな」という気持ちになるんじゃないかなと思います。
川原さんも育児との両立や働き方に悩まれましたが、同じ悩みを持つ働く女性が相談するには、上司と同僚、どちらが良いと思いますか?
同僚は悩む心を分かってくれるかもしれませんが、解決策を探そうと思うのであれば、上司のほうがいいでしょうね。客観的に見てくれていますし、いろんなアイデアが出てくると思います。

とはいえいろんな人間関係もありますから、直属の上司に相談しにくい場合は、その上の上司でもいいですし、他部門の上司もいいかと思います。 悩むことも大事ですが、自分の中の壁や、行き止まりのように感じていることも、ちょっと誰かに話すことで、回り道や抜け道が出てくることもあります。

一人で悩みすぎず、まずは周りを味方にしていくことで、仕事の進め方もラクになりますし、仕事が楽しいと思える時がきっと来ますので、周りの協力をうまく引き出しながら、働き続けて欲しいです。
ありがとうございました。
(取材:2014年9月 関西ウーマン編集部) 



 

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