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■関西の企業で働く「キャリア女性インタビュー」


金馬 由佳さん(京阪神エルマガジン社 「Richer」編集長)

今回は京阪神エルマガジン社 の金馬由佳さん。関西人なら誰でも知る「Meets Regional」(ミーツ・リージョナル)の編集長を経て、現在は関西のママ向け情報誌「Richer」(リシェ)の編集長として活躍されています。雑誌が大好きな女の子が編集長になるまでのお話をお伺いしました。
この業界で働くきっかけは何ですか?
中学生くらいの頃から雑誌が好きで、ずっといろいろ読んでましたね。その頃は編集者という仕事があることも知らなくて、こういう雑誌に出てくる人になりたいなあと漠然と考えていました。高校生の頃は仕事内容も全くわからずですけど、雑誌に拘わる仕事がしたいと思うようになってました。

私の就職活動時代はいわゆるバブル世代で、たまたまうちの会社で新卒採用があったので応募したんですが、その後三年くらいしか新卒は採ってないんですね。なので運良く入れたんです。もう同期の人たちはフリーになったり退職したりしていて、残っているのは私だけですけど。
憧れの編集者になってどうでしたか?
当時ミーツが創刊されて、そこに新入社員として入ったんですけど、その時の副編集長が江弘毅さんといって、後にミーツの名物編集長で有名な人なんですが、隣の席だったので直にいろいろ教わりましたね。初めて取材に行くときも「大丈夫やんな?行けるやろ?」って感じで(笑)

新人の頃は編集の仕事の右も左もわからないので、新しいお店を取材するのも、カメラマンさんのほうが先輩で慣れてらっしゃるから、「こちらから撮る方が、いい感じになるよ。」など、アドバイスをいただいていました。ミーツは地元情報を扱う雑誌なので、あそこに面白いもん売ってましたよと聞けば行ってみるとか、広く浅くミーハーな感じで街のいろんな情報を集めてましたね。
その頃はまだ、飲食店のことはそれほど詳しくなかったですね。やっぱり学生時代はお金を持っていませんから、親に頼んで、「ラ・ベカス」(フレンチの老舗)のランチ連れていってと頼んだりしていました。

食べることより、どちらかというとショッピングのほうに興味がありましたね。洋服や雑貨のお店にはよくリサーチに行きました。飲食店と違って買わなくても、入るのはタダですし(笑)

まだセレクトショップという言葉がない時代だったんですが、それでも当時はトンがったインポートものをセレクトしたショップが大阪や神戸、京都にあって、オーナーもお店にいらっしゃる店が多く、仲良くなっていろんな情報を教えてもらいました。

ミーツは今もそうですけど、ターゲットは30~40代の男性なのですが、当時は読者層を深く考えずに、自分が面白い、かわいいと思うものをピックアップして、取材したり商品を借りてスタジオ撮影したりしていましたから、楽しかったですね。今思えば、とんでもないことですけれど。
その後女性誌のSAVVYの担当になられて、何か変わりましたか?
雑誌は編集長によって作り方が違いますから。ミーツのような男性誌は、ノリ一発的なところがありますけど、女性誌のほうが丹念に作らないといけない感じはします。誌面の見せ方ひとつにも、綿密な仕込みというか、作りこみが必要ですね。
その時代から何か変わりましたか?
80年代や90年代って雑誌全盛で、何やっても売れた時代でしたから、若い頃のほうが苦労していないかもしれないですね。だんだん雑誌が売れない時代になって厳しくなりましたし、興味の対象も変わってきていますね。

90年代はファッションが全盛で、大阪でも「大阪コレクション」が開催されたり、ヴィヴィアン・ウエストウッドやシビラのデザイナーが来日したりしていました。若手で同世代のデザイナーたちが大阪からデビューしたり。雑誌だけでなく個人的にも応援していましたが、だんだん食のほうに興味も変わってきました。
この業界を目指す女性にアドバイスをお願いします。
何でも広く浅くでも良いから知っておくべきですね。先日、新聞社の人と話をしていたんですけど、今ネットしか見ませんという若い人が増えています。たとえば辞書を引くとき、ある単語を調べようと思うと、その横に、あ、こんなのもあるんだ、知らなかったという「おまけ」がついてくるのが紙媒体の良さなんです。

同じものをネットで調べると、深掘りはできるけれど、横に広がらないので「おまけ」がない。それがネットの良さでもあるんですが、広く浅くなんでも知るには、紙媒体もネットも両方必要じゃないかと思いますね。

あとは自分の得意分野を作ること。この知識は誰にも負けないというものを持つのは必要かなと思います。でも雑誌はいろんな情報が必要なので、今流行ってるのは何だろうと、ミーハーにいろいろ知っておいて欲しいなと思います。
編集長のお立場から、キャリアアップを目指したい方へひとこと
編集部の仕事って外部スタッフとのチームワークなんですね。社内のスタッフがそれぞれ外部の人たちとチームを組んでいますから、どちらかというとフリーのスタッフとの情報交換が重要になります。やはりコミュニケーション能力が必要ですね。
貴誌Richerのご紹介をお願いします。
imgRicherはSAVVYを卒業した大人の女性向けに2008年に創刊しまして、2013年2月号からママ向けにリニューアルしました。関西のママとパパ、子ども、家族が一緒になって楽しめる情報を毎号お届けしています。

リニューアルしてもうすぐ1年、子どもと一緒に行けるカフェやレストランなど、やっぱり「おでかけ系」が好評ですね。

今は以前に比べて街なかでもバギーを押して、ラクに行ける場所が増えていますし、ママもお子さんと一緒におでかけを楽しむ方も多くなりました。

いろいろお店を取材しても、オーナーご自身がお子さんができてママになったからと、子供服を扱われたり、カフェでもキッズスペースを作られたりする方が増えてきましたね。

そういうお店がどんどん増えていくといいなあと思います。Richerには「ママのいいね!」というコーナーがあるんですが、撮影にはパパも来ていただいたりして、家族で楽しんでいただいています。これからも、関西のママのライフスタイルを楽しめる情報をお届けしたいと思っています。
金馬さん、ありがとうございました。

imgRicher
最新号12月号発売中(毎月5日発売)
京阪神エルマガジン社
http://lmaga.jp/richer/index.html

関西主婦のコミュニティサイト
http://richer.jp/

 

初めてのキャリア女子編インタビューが編集のプロ、金馬さんとあってものすごく緊張しました。編集長を長年務めてらっしゃる方と伺って、取材中にダメ出しされたらどうしようとドキドキ。でもとっても気さくなお人柄の金馬さんにほっと安心。楽しくお話を聞かせていただきました。Rcherは私も大好きな雑誌。毎月楽しみにしています。これからも、関西の女性に楽しい情報を届けてくださいね。ありがとうございました。
取材レポーター:高橋 織江
(株)アズスタイル商品開発部 部長兼社内マネージャー
阪急百貨店、資生堂を経て現職。美容師資格を持ち、現在キャリアコンサルタント技能資格に挑戦中。毎週地域のバレーボールクラブチームに所属。
 

 

 

 


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