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■関西ウーマンインタビュー(ドクター編)


林 寛子さん(形成外科医・美容外科医/烏丸姉小路クリニック)

 
林 寛子さん 烏丸姉小路クリニック院長
国立滋賀医科大学医学部卒業。滋賀医科大学附属病院 放射線科、大阪市立大学医学部附属病院形成外科を経て、平成9年より約8年間、冨士森形成外科医院に常勤医として勤務。2,000例以上の手術を経験。平成17年3月 烏丸姉小路 クリニックを開業。日本形成外科学会認定専門医/日本美容外科学会正会員(JSAPS)/国際美容外科学会会員(ISAPS)
烏丸姉小路クリニック
京都市中京区烏丸通姉小路下ル 場之町599 CUBE OIKE 3F
Tel:075-229-6388
※ 完全予約制
※ 休診日:日曜日・月曜日・祝日

http://www.dr-tomoko.com​
 
医師は目指されたきっかけは何ですか?
高校生の頃は絵が好きだったので、美大に行きたかったんです。美大にいくかそれ以外に行くかと考えていましたが、文系か理系かと決める段階になったとき、親から「好きなことを仕事にするのはなかなか門戸も狭いし、絵は趣味でも描けるから、手に職をつけたほうが堅いのではないか」と現実的な話をされまして、まあそれもそうかなと思い医学部に行きました。祖父や曽祖父、父の兄弟も医者なので、理系に行くなら医学部かなと漠然と決めました。
形成外科を選ばれたのはなぜですか?
医学部卒業時、子どもの頃から器用だったので外科に行こうと考えていました。外科でも細かい手術をしたいと探していたとき、形成外科という領域があることを知りました。形成外科というのは実はクリエイティブな外科なんですね。例えば内臓の外科だと、癌や腫瘍などの悪い部分を原則マニュアルに沿って切除するわけですが、形成外科にはマニュアルが無いんです。交通事故とか怪我、また、私はケロイドを専門にしていましていろんな傷跡を診ますが、同じ形の傷痕は無いので、応用力と独創性が必要になる。そういう外科って他には無いんです。

「プラスティックサージェリー」というのは、リコンストラクションでもあり、リノベーションでもある。形成外科は外見の修繕屋さんです。唯一、クリエイティブな部分が必要な外科であると。そこがやっぱり美大に行きたかった私には、マニュアルの無いところで自分のクリエイティブな要素が使えることが非常に魅力的に思い、形成外科にいきました。
形成外科と美容外科は、どのように違うのですか?
疾患を扱う場合は形成外科です。例えば、癌で何かを取ったときや、先天奇形など、もともと生まれ持った問題がある状況を治すとか、あるいは交通事故や火傷で失ったものを治すなど、再建したり修繕するというのは形成外科ですが、老化によって崩れたものを治すというのは美容外科です。美容外科は形成外科の一部という捉え方を私はしていまして、見た目の改善や修繕することにおいて、その原因が疾患なのか事故なのか、あるいは老化現象なのかで分かれると思います。
美容外科はどのように学ばれるのですか?
日本では美容外科は健康保険の対象外ですから、大学病院では学べない部分もありまして、形成外科と美容外科の両方をされている開業医に就職しました。私の師匠が、京都駅前で開業されている、冨士森形成外科医院の冨士森良輔先生という方で、京都大学に形成外科を作られた日本の形成外科のパイオニアです。その先生に師事して8年間勉強しました。

今は東京大学でも大阪大学でも神戸大学でも、形成外科の中に美容外科がありますから、徐々に勉強できるようになりつつありますが、そうじゃない人のほうが多いですし、大学よりは開業医のほうが進んでいますから、今も自分で勉強に行くしかないでしょうね。
クリニックを開業されたのは、どのようなきっかけですか?また、どんなクリニックにしたいと思われましたか?
冨士森先生の師事する際に、将来どうするつもりかと聞かれましたが、師匠のところで充分学んで、自分でできる自信がついたら開業しようと思っていました。専門医を取るには6年かかりますが、6年経ってすぐに開業するというのも、いろんな状況が揃っていなかったこともあり、その2年後にここの物件を見つけて、ここだったら良いな、そろそろそういうタイミングだな、と思い開業しました。

基本的に師匠に習った基軸は変わりませんが、当院のフィロソフィーとして全ての患者様にいつまでも自分らしく前向きに人生を楽しんでいただきたいという理念を全面に出していきたいと考えています。
美容外科に来られる患者さまに対してどのような想いを持っておられますか?
よく患者さんに言うのは、患者さんの描く理想と、私がそれを聞き取って、こういうふうに持っていくという到達点が一致しないといけないんですね。一致すればお互い幸せですが、一致しなければ、たとえ手術が成功していても患者さんは満足ではないわけです。言葉のコミュニケーションで読み取っていくのですが、そこを一致させることが美容外科には重要で、形成外科でも微細なものを治すときとは、非常に神経を使う部分です。

よくある例が、未成年の過剰な要求に応えるかどうか。美容外科のドクターショッピングしてしまうという患者さんというのは、過剰な要求をすることがあります。例えば、すごくパッチリした目にしたいという場合。鼻も小さいし全体のつくりも大づくりじゃないと、目だけ西洋人になってしまうから、鼻も入れないとバランスが悪くなる。するともう別人になってくるんですね。それを10代で精神的にその変化についていけるかということなんです。

「私はモデルになって芸能界に出る」という固い意志があるなら良いんですけど、親も親戚にも誰にも似ていないということになりますから、結婚するときにもいろいろ影響してきたりして、いろんな副産物を産むわけです。

10代でなくても大人でもそうですが、技術的にはできるけど、過剰な変化をしたら必ずそうなる。それで良いですか?それが幸せかどうかよく考えて下さいと言うことはよくあります。実際にそれを引き受けられるだけの精神性が備わっているかどうか、それで本当に幸せかどうかなので、患者様お一人お一人の幸せの価値観の問題なんですね。

そこのところが美容外科もいろいろあって、患者さんが要求するんだから、それに最大級応えるのがプロだろうという考え方もあります。それはそれで筋が通っているとは思います。でも私はそうでなくて、やっぱり患者さんの本当の幸せというものを一緒に考えて、その到達点が一緒になればやりましょうということにしています。

私は美容外科も含め、形成外科は心療外科だと思っているんです。それで死ぬわけでもないし、毎日生きていけますが、それがあるばっかりに荷物が重くて、なかなか前向きに人生を歩けないという、非常に重圧な悩みになることがあります。人によってはたった一つのホクロかもしれない。でも「そんなの気にしなくていいじゃない」と言うわけにもいかないんですね。このホクロがどうしても許せないから来られているのですから。そのホクロを取って差し上げることは、心を軽くしているということでもあるんです。
今後どのような展望を考えておられますか?
私自身、学会の評議員もしていまして、論文を書いたり、これからの日本の美容外科、形成外科をどうしていくかということに対する発言権を持つ立場でもあります。美容外科というのは、昔は特殊な人しかしないという認識がありましたが、これだけ一般化してくると、モラルなどいろんなことが問われるようになってきています。医療として美容外科をどういう位置づけとしていくことが望ましいかということを、周りの先生と一緒に考えてきたいと思っています。

あと、やっぱり若々しさというのは健康美。健康あっての美しさですから、まず身体の中から健康でなければいけないですね。私は漢方医でもあるので、食事指導や体質改善指導も行っていますが、身体の中からどう若返るかということも、もっと掘り下げていきたいと思っています。
女性医師として働くことを目指す方に、メッセージをいただけますか。
キーワードは母性です。母性は無償の愛です。母性で仕事をしてください。若い先生にもよく言っていますが、企業でも、特に上の立場に立つ女性は、母性を意識して仕事されるのが一番皆を幸せにするんじゃないかと思っています。だから「男に負けない」というんじゃなくて、母の気持ちで、すべて受け入れて頑張って欲しいと思っています。
ありがとうございました。
(取材:2014年10月 関西ウーマン編集部) 

 

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