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■関西ウーマンインタビュー(レッスン教室)


上杉 真由さん(上杉真由バレエスタジオ主宰)

 
上杉 真由さん (上杉真由バレエスタジオ主宰) 
3歳よりバレエを始める。ロシア国立ワガノワバレエアカデミー短期研修。四天王寺高等学校特技コース卒業。大阪芸術大学舞台芸術学科舞踊コース卒業。数々のコンクールで受賞、ダンサーでありながら振付も精力的に行い『ダンサーの特性を瞬時に捉え作品に織り込んでいく』と定評があり、宇宙の一片を捉え森羅万象を切り取るアーティスト、コレオグラファーとして賞賛される
上杉真由バレエスタジオ
大阪市中央区森ノ宮中央1-3-13 森ノ宮中央ビル1階
http://uesugimayu.com/
小さい頃からバレリーナを目指しておられたのですか?
3歳からバレエを習い始めて、保育園の頃にはもうバレリーナになると決めていました。14歳で岡本バレエ団に移籍し、高校はバレエで四天王寺高校の特技コースに進学しました。四天王寺高校では、オリンピックのメダリストやアスリートなど、クラスメートはそんな子たちばかりでした。
ロシアの名門バレエ学校にも研修で行かれたそうですね。
高校生の時、2週間の短期間でしたが、ロシア国立ワガノワバレエアカデミーの研修を受けに行きました。高校を卒業すれば、ロシアに留学しようとオーディションを受けましたが、だめだったんです。ロシアにいけなくなったことで、「私ってバレエに向いてないんじゃないか」「努力しても絶対叶うわけじゃないんだ」と、かなりショックを受けてしまいました。

そのままもう、附属の四天王寺大学(IBU)の介護コースに進学する予定でしたが、母の薦めで急きょ、大学に行きながらバレエができる芸大の受験を決め、大阪芸術大学舞台芸術学科舞踊コースに進学できました。芸大に入って初めてコンテンポラリーやモダンを学びましたが、舞踊の歴史や創作も教えてもらえるし、良い仲間と出会えるしで、大学生活はすごく楽しかったですね。
スポーツクラブのインストラクターになられたきっかけは?
大学を卒業後、その当時所属していたバレエ団の助手としてアルバイトしながら、バレエを続けていましたが、自分自身の身の置き方に不安を感じていたんです。舞台に出るのもお金はかかりますし、お給料もそんなに無いから、なかなかお金も貯まらず大変でした。そんな時、あるスポーツクラブでバレエのインストラクター募集の話があって、すぐに面接を受けに行ったんです。まずは、週1回45分クラスからスタートしてみようということになりました。

20代から70代くらいと年齢幅も広く、当時は大人を対象にしたバレエが流行り出した頃だったので、昔バレエを習えなかったから習いたい、痩せたいから習いたい、といった方たちがたくさん来られました。その後、クラスも増え、多い時は週六日、13本のクラスを担当することもあり、集客率No. 1の人気インストラクターとして12年間勤めました。
これまでのバレエのキャリアと、スポーツクラブのインストラクターとの違いはありましたか?
これまでの私はバレリーナを目指す為のバレエを学んできましたが、「バレリーナを目指していない方たち」に指導する難しさはありました。私が良かれと思って提供するレッスンは、果たして大人の趣味の方たちがそれを求めているのかなと、少しズレを感じ出したんです。

スポーツクラブですから、生徒さんたちはヨガやエアロビクスなど、いろんなレッスンも受けておられます。バレエの達成感というより、身体がちょっとやわらかくなったとか、姿勢が良くなって、まっすぐ立てるようになったとか、身体の変化を喜ぶ方が多い。そこから身体のことを勉強し始めようと考えました。

夫は同じスポーツクラブでパーソナルトレーナーをしていて、私自身も彼のトレーニングを週に1回受けるようなったんです。トレーニングといっても、筋肉をゴツくするんじゃなくて、正しい身体の動かし方を知り、怪我をしにくい基本的な力を持っていないと、どれだけ練習してもパフォーマンスは上がらない。「生徒に指導するなら、身体のことをもっと知らないとあかんよ」と教えてくれました。そこから私自身、軸も安定し出し、怪我も全然しなくなって、コンクールでの結果も変わりました。

インストラクターとして働いていた12年間は、現役ダンサーとしても踊っていたので、生徒さんたちも私の舞台を応援しに来てくれたりして、すごく楽しかったですね。いろんな方たちがいて、指導法にも悩んだことがあるけれど、心理学の本を読んで学んだり、人生の先輩方にたくさんお話を聞かせてもらったりすることで、自分の弱点も、「個性」と考えられるようになり、私にしかできないことをやればいいと思うようになりました。
ご夫婦で「自分たちのスタジオを作ろう」と思われたいきさつを教えてください。
夫と二人で、いつか自分たちのバレエスタジオを創るという夢を持っていました。「バレエスタジオ」と言っても、バレリーナになるためだけのスタジオではなくて、身体のことも勉強できて、ここに来れば夢中になれる。純粋に一生懸命になれる。良い仲間に出会える場所。そういう人たちの夢を叶えるお手伝いをしたい。そう考えていたので、所属バレエ団の退団を機に、思い切って独立し、スタジオ設立のために動きました。

今生徒さんのうち6割は大人の方ですが、プロになりたいという夢を持つ子ども達も増えてきています。一人ひとりに合ったことを徹底してやるというスタンスなので、ミュージカルスターを目指したり、海外のバレエ団で踊りたい、そうしたいろんなところで活躍できる子を育成することから、60代、70代の方が、身体が固いから柔らかくしたいというのも全部やります。

夢中になれるものは人それぞれ。いろんな道があって、そこに向かって夢中になってもらいたい。バレエはそのツールの一つなのかもしれません。生徒さん一人ひとりのモチベーションを上げるためには、無理やり「頑張れ!」と言うことじゃなく、本人が自分で「頑張りたい」と思えること。そのためには一人ひとり、よく話を聞いて、同じ方向を見て、その人の人生に寄り添うような指導したいと考えています。
上杉さんの「夢」は何ですか?
「世界で一つのスタジオ」を作ること。そして、このスタジオにしかできない舞台を創ることです。「世界で一つのスタジオ」とは、身体も安全で、心も安心できる場所。それを創ることが私たちの夢です。

私の道は、夢に向かって頑張っている方のドリームサポーター。失敗して、気づいて、学んで、苦しいことや悩むことも多いけど、今思えば全部自分に必要なこと。いろいろあったけれど、私がするべきことは、これだったんだと思っています。
ありがとうございました。
 
(取材:2015年11月 関西ウーマン編集部) 
 

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