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■関西ウーマンインタビュー(レッスン教室)


檜垣由香里さん(京都町屋のパン教室YUKARI)

 
檜垣 由香里さん 
愛媛県出身。幼稚園・保母資格を持ち、幼稚園教諭を務めた後結婚。専業主婦になり 通い始めたパン教室がきっかけで自宅でパン教室を始める。現在京都の円町の町屋で教室を開設。2008年食生活アドバイザー取得・2009年パンコーディネーター取得
京都町屋のパン教室「YUKARI」
〒604-8491 京都市中京区西ノ京左馬寮町9-7
Blog:http://ameblo.jp/pan-yukari/
HP:http://yukari-bread.com/
お教室をされるようになったのは、どんなきっかけでしたか?
もともと愛媛で幼稚園の先生をしていたのですが、主人の転勤で京都に来ました。最初の頃は知り合いもお友達もいなくて、ずっとマンションの中で三人の子どもたちと居ましたね。

一番下の子どもが幼稚園に上った頃、新聞に入っていたパン教室の折込みちらしを見て、これならお友達もできるかなと思ってパンを始めました。

そこから自宅でパンを作っていくうちに、お友達に教えてと言われるようになって、自宅でお教室を始めたんです。それが10年程続きました。

お友達がお友達を呼んでくれて、生徒さんがすこしづつ増えてきましたし、子どもたちも大きくなって手狭になってきたこともありますが、ちょっと思いきりやってみたくなったんです。

50歳になった時、40代を振り返ってみて、やってみたかったのに、できなかったことっていろいろあるなと思ったんですね。でも今やらないと、60歳になったらきっと、また同じことを言ってるかもしれない。そこで、ただやってみたいという気持ちだけで、お教室の場所を探そうと考えました。

その時は経営のことも何も考えていませんでしたが、失敗してもいい、あとから後悔するのだけはやめようと思ったんです。そこでたまたまこの町屋に出会い、お教室を始めて3年半になります。
自宅以外でお教室を借りることで、ご主人とお子さんたちの反応は?
主人は「やりたいなら良いんちゃう?」という感じで反対はありませんでしたね。ずっと自宅でお教室をしていましたし、日曜日にレッスンがある時は、気をつかって外に出かけてくれていたりしましたから。子どもたちも賛成してくれて、やってみたら?と応援してくれました。
通ってこられる生徒さんたちは変わりましたか?
自宅から少し遠くなりましたが、ずっと初期からの生徒さんも通ってくれていますし、ブログを見て、和歌山など遠方から来てくださる方もたくさんおられます。自宅でやっていた頃より新しい生徒さんも増えて、年齢も若い方から、80歳近い方もおられますよ。
自宅でされていた頃と今とでは、お教室の内容は変わりましたか?
自宅で教室をしていたころは、大手のパン教室に所属し、そこのレシピを使ってのレッスンでした。レシピに忠実にお伝えしようと必死で練習していました。場所を変えての今は、自分でレシピを作っています。できるだけ型を増やさないよう身近な材料を四季を感じながらレシピを作っています。
生徒さんの中には、パン教室やお店をしたいという方もおられますか?
いらっしゃいますね。最初は講習料をいただくので、レシピを使っても良いよと言っていましたが、同じレシピでも1回習うだけだど、やっぱり違うものになってしまうこともありますから、教えたいということであれば、復習を兼ねて教えるためのものを伝えていかなければと考えているところです。

最近はカフェをやりたい方も多いですが、美味しいパンがあればやっぱりお料理も美味しくなります。でも自分で作ったこともないし、今から教室に通うこともできないという方のために、一緒にお店独自のパンを考えることもあります。

先日、お米にこだわったカフェをされている方からご相談があって、ごはんを使ったパンを作ろうという話をするとすごく喜んでくださって。それは生徒さんに教えるレシピとは違って、そのお店だけのレシピなんです。京都はカフェが多いので、そうした展開も増やしていきたいなと考えています。
お子さんのために毎日パンを焼いておられたそうですね。
毎日毎日作っていましたね。子どもたちが学校へ行くと、今日は何を作ってあげようと思っては、毎日作っていましたし、子どもたちが「ただいま」と帰ってくると、パンの香りがしますから、「今日はどんなパン?」といって食べながら話をすることが本当に楽しかったですね。

子どもたちも「お母さん天才や」「お店のパンみたいや」と、たとえどんなブサイクなパンでも褒めてくれるし、それがうれしくってまた作りたくなるんです。

今はお仕事されている方が多いですから、「ただいま」「おかえり」というのは難しいかもしれないけど、毎日でなくても、たまにちょっと手作りのクッキーでもあれば、家族や子どもさんとの対話が増えるんじゃないかなと、お教室をしていてそんな想いはあります。

子どもたちもいつも言うんです。「学校から帰ったらいつもパンがあったね」って。子どもたちもいろんな思いをして学校から帰ってきて、誰もいなかったらきっと、スッと自分の部屋に入って泣くなりして、私が帰ってきた頃にはもう自分の中で消化して、誰もその思いに気づかないかもしれない。

そこにひとつでも手作りのものがあれば、子どもたちも1人で抱えないで、食べながらいろんな話ができたり、また何も話さなくても、コミュニケーションのきっかけにもなります。やっぱり手作りってすごく大切なことなんだなと思います。
お教室を始めたい方へのアドバイスをいただけますか
時々お教室をしたいけれど、おうちが狭いからとか、テーブルが小さいとか仰る方もおられますが、2人しか入らなければ2人からでもいいんです。子どもがいて長い時間できないなら、試食せずに焼いたパンをおうちに持ってかえってもらって、家族で食べていただければいい。今そこでできることから始めればいいんです。あれが無いこれが無いと思い出すとなかなかできないですし、どんなに準備しても100%にはならないですから。

私も、オープンして3~5ヶ月してダメだったら、恥ずかしいと思わずに辞めようと思っていました。辞めることが恥ずかしいと思って続けてしまうと、お金もかかりますし家族や周りにも迷惑がかかります。でも、後から振り返って、やらなかったという後悔は一番いやなこと。一歩踏み出せば、人との出会いも出てくるので、そこからきっと流れが出てきます。
由香里さんにとって、お教室をする楽しみとは何ですか?
どのお教室でも同じだと思いますが、来てくれる生徒さんが喜んで帰ってくれることですね。

月に1回でも、皆さん仕事や子どもさんなど家族の段取りをつけて、せっかく来てくださっているんだから、ここで、ああ楽しかった、美味しかったと言って元気になって、帰りには、「また来月ね」と笑ってくれる、その顔がもうすごく嬉しいです。

レシピを考える時も、あの人はこれ好きだろうなとか、これ喜ぶだろうなと、皆さんの喜ぶ顔が浮かんできますし、それで喜んでもらえたら、「よっしゃー」と思いますね(笑)私が一番元気をいただいていると思います。

私のパン作りは、出来上がりだけじゃなく、過程を大切にして欲しいと思っているんです。パンをこねるのは五感すべて使いますから、それを楽しんで欲しいですし、それをまた家族やお子さんと共有してもらいたい。格好良いパンができればそれは嬉しいかもしれないですが、こういう風になるんだとか、こうなっちゃったねとか、香りを楽しんだり、そんな「時間」を楽しめるような人が増えていけば良いなと思っています。
ありがとうございました。
 
(取材:2014年6月 関西ウーマン編集部) 
 

 

 

 


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