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■関西のウェディング業界で輝く女性たち


川本 友紀さん(ビデオグラファー)

川本 友紀さん ビデオグラファー
北海道教育大学大学院を修了後、ブライダルビデオ業務に従事。 約10年2500組を超えるカップルのブライダルビデオ撮影や編集に携わる。 現在も関西を拠点に全国各地でビデオグラファーとして活躍中。
ブライダル業界に興味を持ったきっかけは何ですか。
実は、元々音楽教師を目指して教育大学に通っていたのですが、声楽を専攻したことをきっかけに、アルバイトで結婚式の聖歌隊をしていました。そこで「結婚式の仕事ってなんて素晴らしいんだ!」と感動したことがきっかけです。
ビデオグラファーの道へ進まれたきっかけは何ですか。
大学で音楽を学ぶ中、同級生同士でよくコンサートをしていたのですが、勉強のため、そして自分の記念のために「歌っている様子を動画で撮影してみたい」と思ったことがきっかけで、思いたってすぐにカメラを購入し、自分で撮影するようになりました。

撮影した映像を編集してDVDにした時、純粋に「楽しい!」と感じて、その後も撮影・編集を繰り返しながら、いつしかこれを仕事にできないかな?と思うようになりました。

とはいえ、当時住んでいた地域にはそういった会社もなくて、あきらめかけていたのですが、偶然にも新しい式場ができることになり、式場が提携する映像会社でアルバイトできることになったんです。 現場では、とことんブライダル業界や映像の知識・技術を磨き経験を積んでいきました。
「女性ビデオグラファー」は珍しいのでは?
確かに珍しいですね。でも、女性だからこそ喜んで貰えることも多々あります。 新郎新婦だけでなく、お母様からも「やっぱり女性は細やかさとか、男性と違った観点でしてくれるよね、センスいいわぁ~!」と喜んでいただけることも。凄く嬉しいことですね。
仕事での感動エピソードを教えてください。
仕事柄、結婚式当日に初めて会う新郎新婦様が多いのですが、結婚式が終わったその夜に感動メールが届いたことがあったんです。 メールには、「私達の記念すべき日に、映像という観た人みんなが笑顔になれる素敵な華(作品)を添えて下さり、本当にありがとうございました!!100%… いえ、数字では表せないほど 大満足の仕上がりで、本当にただただ感謝しかありません」と書かれていました。

こんなにも嬉しい言葉をもらえるなんて、本当に幸せな仕事だなと痛感しました。さらには、そのメッセージをくれた方の新郎様は、元々映像に否定的だったそうなのですが、ムービーを見て「やっぱりビデオっていいね~」と喜んでくれていたようで。新婦様も「思わず、ツッコミたくなる発言で笑ってしまいました」と楽しそうに話してくださったのが印象的でした。

その他、「何度観ても、飽きないですね。川本マジックです!」という感想をいただいたり、その後届いた年賀状にも「川本マジックがこれからも色んな人に広がりますように」と書いてくださっていて、感動と感謝に包まれました。 「主賓の挨拶など一字一句覚える位見ています」というメッセージを後日いただいたこともあり、そんなに何回も見てくれているなんて...と感激したこともありました。
打ち合わせでのエピソードはありますか。
意外かもしれませんが、打ち合わせの時、花嫁様は幸せそうじゃないんです。理由を伺うと、憧れていた式場に決めたものの色々制限があって、諦めることが多いとのこと。「せめてビデオだけでも満足したい!」と私のところに来られる方が結構多いんです。最後の頼みの綱として私を頼っていただけるのは、ありがたいことですし、こちらも「力になりたい!幸せになってもらいたい!」そんな思いが溢れます。
印象に残っている結婚式はありますか。
挙式の時、新婦様がお父様と入場して、途中でお父様と新郎様が入れ替わる時に、新婦様がお父様に抱きついたことがありました。夕日も差し込こんできて、凄く美しいシーンで、あまりにも素晴らしくてドラマチックだったことを覚えています。 編集する時も画面を見ながら号泣でした。
撮影中、もらい泣きしてしまうことはありませんか?!
めっちゃもらい泣きしますよ。ほとんどの撮影で泣いてるかもしれません。 プロだから我慢しなきゃいけないという考えもありますが、気持ちが入らなくなったら良い映像を撮影できないと思っているので、常に自分の感覚を大切にして撮影しています。
どんな時に仕事のやりがいを感じますか。
「撮って出しエンドロール」の編集に一番やりがいを感じます。 撮って出しエンドロールは、単なる一日の振り返りではなくて、もう一つの物語だと考えています。 ゲストもご家族もそれぞれのシーンを生で見ていますが、ご本人も気づかなかった部分をカメラで捉えて、それを編集で物語を築いていきます。

「あ、こんな瞬間があったんだ」そんな物語を生み出せるのがエンドロールの魅力だと思っています。 私自身も大きな幸せを感じますし、「生きている」という実感も生まれるほど、今では生き甲斐そのものとなっています。

あとは、撮って出しエンドロールを見たゲストやご家族の反応をその場で見られるのも嬉しいです。喜んでくれていたり、涙されていたり、頑張った成果を自分の目で確認できるのって本当に幸せなことですよね。 ビデオグラファーは、常におふたりの一番近いところにいられるので、きっとこんなステキな仕事は他にはないと思っています。
仕事に対する考え方やポリシーを教えて下さい。
結婚式の仕事って絶対失敗できない!そんな想いは誰よりも強いと思います。 この仕事で大切なのは、良いものを作るのはもちろんですが、それ以上に、ミスをしないことなんです。そこに対する意識や覚悟は誰よりも強く持っていると思っています。 今考えるとその意識は、学生時代の聖歌隊から始まっていましたね。

自分の歌が失敗してしまうと結婚式が台無しになってします、結婚式=失敗できない、その感覚はあの時から芽生えていたと思います。学生だからといって甘えられない世界で、新郎新婦様にしてみれば、一生に一度のもの。その頃から既にプロという自覚がありました。

といっても、実は、昔も今も「仕事をしている」という感覚はなくて、撮影も編集も仕事というよりも「好きなことをしている」という感覚です。 好きを仕事にできて、そこから収入を得られていることは本当にありがたいことですね。
仕事で困った事や難しいと感じたことはありますか。
「とにかく現場で慣れろ」の世界でありながらも、失敗は許されない仕事なので難しいと感じたこともありました。 もちろん自ら学ぶことで、次につながることの方が多いのですが、お客様にとっては一度きりの大切な結婚式。迷惑は絶対にかけられない分、常に大きなプレッシャーはありますね。

あとは、扱っているものが「機械」だということです。カメラも編集機材も結局は機械。定期的なメンテナンスは行い、現場には必ず予備は持っていきますが、撮影中に壊れるかもしれないという不安は常にあります。
この10年、映像業界の変化はありましたか。
昔は、ほとんど大きな肩乗せタイプのビデオカメラでしたが、ここ7年位は中型タイプのカメラが増えてきましたね。ハイビジョンの普及と共に編集関係の機材も充実してきました。今や4kといった超高画質な映像も登場しています。一眼レフで動画を撮るケースも増え、スチールカメラマンさんが動画を撮影するサービスも多くなってきています。
ブラッシュアップのためにしていることはありますか。
この仕事を始めたころは、音楽のプロモーションビデオをよくチェックしていました。私自身スキマスイッチが大好きで、PVを見ては撮影・編集技術の参考にしたこともありました。

PV以外でも、結婚式に使えそうだなと思うものは、これまでどんどん取り入れて来ました。 海外の動画作品集や映像会社のサイトを参考にすることもありますね。

ブライダルに関係がなくても、映像に関する良いスキルがあれば、まず取り入れてみることを大切にしています。
これからの夢や展望はありますか。
これからもブライダルの仕事はずっと続けて行きたいです。 来年は、より余裕を持てる自分になれたら嬉しいですね。 売り上げを追求するのではなく、むしろ仕事を減らして、その時間をおふたりが幸せになるアイデアや資料・ツール作りに充填していこうと思います。 “川本友紀”を売ることよりも、予算が少なくてもあきらめずにビデオ撮影を依頼できる、そういう存在でありたいです。 ビデオって本当に良いものなので、絶対あきらめて欲しくないんです。
この仕事を目指される方へのメッセージをお願いします。
とにかく思い立ったらすぐに始めてみて欲しいです。 どんなことでも同じだと思うのですが、やりたいと思ったら、色々考える前にまずはやってみることが大切だと思っています。 私自身考えるよりも行動派でここまで来ましたが、後悔したことは一度もないです。 あとは、想いと覚悟があれば絶対大丈夫です!
ありがとうございました。
 
生きているという実感が生まれるほどに、ビデオグラファーのお仕事に大きなやりがいを感じていらっしゃる川本さん。日々、熱意と奉仕の心を持って、たくさんの新郎新婦様を幸せへと導いていらっしゃいます。 “好き”を仕事にしたい女性が増えている昨今、まさに希望の星といえるお話でした。 プロフェッショナルを作る要素は技術だけでなく、心や意識にもあることをあらためて感じる取材となりました。
取材レポーター:まえだ 真悠子
ブライダルスタイリスト
カラーリスト
ウェディングプロデューサー
Te'al Bleu(ティール・ブルー) 代表
Blog:http://ameblo.jp/tealbleu/
PROページ
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撮影協力場所
グランドカフェ&レストラン
シャンデリアテーブル

圧巻のドーム型の店内、ゴージャスな大型シャンデリアの下、シンボリックなバーカウンターを囲むように、スタイリッシュな家具やアートが配置されたモダンミクスチャーな空間。

大阪府大阪市北区角田町8-7 阪急うめだ本店13F
TEL:06-6313-1530/FAX:06-6313-1529
http://www.chandeliertable.com/
OPEN 11:00 / CLOSE 23:00(※日曜日のみ22:00 CLOSE)
ランチ:11:00 - 15:00(L.O.)
カフェ:11:00 - 22:30(L.O.)
ディナー:17:00 - 22:00(L.O.)
席数:350席(喫煙席あり)

 

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