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■関西のウェディング業界で輝く女性たち


松岡 ゆりなさん(シンガー/ボイストレーナー)

松岡 ゆりなさん シンガー/ボイストレーナー
有名アーティストのバックコーラスとしてテレビ、コンサート出演の他、シンガーとして数多くのLIVE、コンサート、ディナーショーに出演。 また、ボイストレーナーとして、ナレーター、俳優、アニソン歌手、ミュージカル俳優、アイドルなどを様々なジャンルのアーティストを指導中。
歌の世界へ進まれたきっかけは何ですか?
音楽が大好きな姉の影響や、姉の友人のライブを見にいって感動したことが大きなきっかけです。歌の道に進もうと思った時、応援してくれる人や協力してくれる人も多くて本当にありがたかったです。
いつからプロを目指されたのですか?
「歌いたい」そう思った14歳から音楽教室に通い始めて、すぐにプロになることを決意しました。といっても、当時は特別歌が上手かったわけではなく、とにかく歌が好きでたまらない!そんな想いひとつでプロを目指しました。
プロになると決めてから、どんな動きがありましたか?
教室に入った後、結成したバンド仲間のひとりが、すぐにでも入学できる音楽専門学校のパンフレットを持ってきてくれたんです。 中学生当時、先生からは「音楽なんかでご飯は食べていけないわよ」と反対されましたが、決意は固く迷わず夢への道を選びました。

高校も夜間制に通い、昼間は専門学校でひたすら歌について学びました。 今、あらためて良かったなと感じるのは「プロになる」そう決めてからすぐに行動したことです。その甲斐あって、通常よりも早く人前で歌えるチャンスを貰うことができたと思っています。
どんな専門学校時代でしたか?
入学後、偶然にも超有名な先生から学べることになって。 MISIA・安室奈美恵・大黒摩季・久保田利伸(敬称略)といった数多くの実力歌手を指導した名ボイストレーナー亀渕友香さんです。そんな方から習えるという本当にラッキーな展開で、亀渕先生は私の生涯の師匠となりました。

今思えば、友人から専門学校のパンフレットを貰っていなかったら、そのまま高校に行ってからプロを目指していたと思うので、夢に早く近づけたのは、友人のおかげだと感謝しています。 姉含め、家族皆が芸術関係の仕事に携わっているので、歌の活動をしていることをとても喜んでくれています。
初めて人前で歌った時のことを覚えていますか?
音楽教室に入ってすぐに結成したバンドのライブです。男子高校の学園祭だったのですが、すごく好評で嬉しかったですね。11月にノースリーブで頑張りました(笑) 仕事として初めて人前で歌ったのは17歳の時で、京都のRAGというライブハウスでした。超大御所のアーティストの前座で、その時のプレッシャーは凄かったですね。若かったこともあり、人生の中で一番大変な時期だったと記憶しています。
ボイストレーナーになるまで、どんな道のりを歩んで来られましたか?
師匠の影響や、19歳の頃地元の音楽教室のアシスタントをしていたことも重なって、このままトレーナーになろうかと考えた時期もあったのですが、「もっと歌の現場を知ってからにしよう」と、テレビのVTRやコンサートのバックコーラス等、色んな現場で経験を積みました。 本格的にトレーナーの仕事をスタートしたのは、とある舞台がきっかけなんです。

主催・音楽・シンガーを担当した舞台を見に来てくれた子供逹やお母さんから「あの先生から習いたい」と指名で依頼をいただいて。そこからレギュラーでトレーナーの仕事をすることになりました。 いまだに忘れられないのは、その子供立ちが「私達は一番弟子だ~!」と喜んでくれたことです。なんて可愛いんだ!と感激しましたね。 その時の教え子が数年前にデビューしたのですが、今でもずっと私のレッスンを受けにきてくれています。
ボイストレーナーとしてのやりがいは何ですか?
私や私の生徒さんの歌声を聞いて、「松岡先生から習いたい」といって貰える事が多く、やりがいを感じています。 生徒さんが子供の場合、私が何を言うかで人生が変わってくるので、 責任重大ですが、その分やりがいも大きいです。
ブライダルの仕事をスタートした時の状況を教えてください。
今から約10年前にスタートしたんですが、初めての現場はホテルのブライダルフェアで、確かクリスマスの時期でした。 あの時は、まだまだ若くて周りがほとんど結婚していないこともあり、ブライダルの仕事とライブとの違いは今ほどわかっていなかったと思います。 今は周りも結婚して、より一層感情がこもり、おふたりやゲストを身内のようにさえ感じて歌えるようになりました。
仕事で困った事や難しかったことはありましたか?
実は、ボイストレーナーになってすぐ壁にぶち当たったんです。 人によって性格や声の癖も違うので、どうしたら生徒さんが良くなるのか、最善策は何か、どんな宿題を出せば良いのか…わからず悩んだ時期がありました。 その他にも、音程の取れない人や声の出ない人、自分と声の性質が違う方への対応に困った時期もありましたね。
どうやって乗り越えていきましたか?
とにかく経験を積みました。次第に「こんな課題を出したらきっとよくなる!」と予想できるようになっていきましたね。 壁にぶちあたってから、すぐに喉の筋肉やボイストレーニングに必要な専門知識を学んで、どんな人にも対応できるよう勉強を重ねました。 先生からもアドバイスを貰いながら、とにかく「悩んだら勉強」を繰り返しました。 これはシンガーとしても同じで、壁が立ちはだかる度に、自分の土を耕すことを意識しました。

色んなものを見たり、聞いたり。ピアノを習いにいったこともありましたね。 歌を極める為に、色んなトレーニングもして、色んな方面から解決させていきました。 何度も何度も挫折を経験しましたが、やめたいと思った事は一度も無いです。 嫌な事があって辞めてたら、とっくに辞めています(笑)
ボイストレーナーとして大切にしていることは?
相手を“ちゃんと見る事”です。 自分の知識や経験だけでなく、相手がどうしたいか、どうしたら一番楽に声が出るか等、相手を一番に考えるようになりました。 トレーナーは先生であり、お医者さんでもあり、親戚のお姉ちゃんのような存在でもあります。自分の主観を入れないようにしてから、色々うまくいくようになりましたね。

押し付けはせず、まずは「どう思う?」と相手の気持ちや想いを大切にしています。それは、小学生であれ、60歳の方であれ同じです。 自分で凄く良いレッスンができたと思っても、相手の実になっていなければそれは良いレッスンではないと考えます。 自分が教えているようで、こちらも生徒さんから色々学ばせて貰っています。
ボイストレーナーの現場での感動エピソードを教えてください。
数え切れないほどあるのですが… 生徒さん達が、過去に大会でグランプリを取った時、「ボイストレーニングの先生に感謝します」と言ってくれたことは凄く嬉しかったですね。 まさかそんな事言ってもらえるなんて…と、かなりのサプライズでした。 私のレッスンに通い始めて、「家族の関係が良くなった」という方も多くいらっしゃいます。上達と同時に、声もハキハキと性格も明るくなって、周りから「凄いね」って褒められることも増えてくるようで。結果、「うちの子は凄い!」と、親御さんにとっても自慢のお子さんになるんですね。

コミュニケーションがうまく取れていなかったご家族が、レッスンきっかけで仲良くなったり、たくさん話すようになるケースも結構あって。 小さいお子さんだけでなく、大人の方が発表会に参加された時にも「親バカかもしれないけれど、娘の歌声にビックリしました!」と喜ぶお母さんもいらっしゃいました。娘さん自身もこれまでお母さんに褒めて貰った事があまりなかったそうで、心から喜ばれていました。大げさじゃなく歌で人生が変わった人がたくさんいらっしゃって、こちらも日々感動をいただいています。
シンガーとしての感動エピソードもぜひ教えてください。
これも本当にたくさんあるんですが… まず思い浮かぶのは挙式ですね。挙式の仕事って素敵な場面がたくさんあって。 これまで色んな場所で歌ってきましたが、これほど責任がある仕事は他にはないんじゃないかって思います。

歌の最中に、目の前で泣いてくれることもあって、私もよくもらい泣きしていています。 おふたりの人生で一番大事なシーンだと思って、毎回、親友のつもりで歌わせていただいています。

他には、ライブでファンになってくれた女性が、東京へ転勤後も大阪でのライブにわざわざライブ来てくれたこともありました。さらに凄いのはここからで、ある時、全く知らない方から手紙をいただいたんですが、実は、差出人はそのファンの方の婚約者だったんです。

手紙には、「彼女に秘密で結婚式にサプライズゲストとして来てください」と書いてあって、驚きながらも感激でした。もちろんお引き受けして、結果は大大大成功! 「えー!なんでなんで?!どういうこと?!」と驚きを隠せない奥様。凄く喜んでくださったことが今でも強く印象に残っています。

結婚式で歌うということは、こんなにも喜んでもらえるものなんだって、その時あらためて強く感じました。今も毎年年賀状に「ゆりなさんの歌は一生忘れません」って書いてくれていて、本当に嬉しい限りです。
ブライダルの現場への想いを聞かせてください。
責任が大きい仕事ですが、携わらせていただいている事自体とても光栄なことだと思っています。

結婚式って、おふたりにとって「これだけすごく良い結婚式をしたから、なんとしてでも幸せになろう!」っていう部分があると思っていて。

同時に、こちらも「なんとしてでもおふたり幸せになってほしい!」そんな気持ちで歌っています。 ブライダルは、生歌の良さが強く生かされる現場です。

シンガー、おふたり、ゲストの想いが重なり合う瞬間は何物にも変えられないほど素晴らしくて、どんな素敵なCDやレコードも叶いません。
ブライダルシーンで歌われるようになって、何か心境の変化はありましたか?
マイナスな発言をしなくなったり、パワーを貰えたり、自分自身も幸せになりました。幸せのお手伝いをしながら自身もまた幸せを貰う、人ってそういうことを望んでいるんだなと思うようになりました。
ブラッシュアップのためにされていることは?
常に、自分の視野を広げるため、定期的に固定概念は外すようにしています。 例えば、今まで考えていたことをやめてみること、やったことがないことをやってみることなど、枠にとらわれず色んなものを見たり聞いたりしていますね。
今後の夢や展望を教えてください。
関西には才能あるシンガーがまだまだたくさんいるので、しっかり育成して世界に羽ばたくシンガーを生み出していきたいです。 あとは、とにかく自分の歌でたくさんの方が元気になって貰いたいですね。 歌を聞いてくださった方が、自分の中のパワーを最大限に出せることが目標です。 ゆくゆくはニューヨークや、広く世界へ行けたら嬉しいですね。
シンガーやボイストレーナーを目指されている方へメッセージをお願いします。
とにかく歌うことが好きかどうか、それに尽きますね。好きならきっと大丈夫です! 私自身、好きだけで20年やってこれているので(笑) トレーナーを目指す人には「音楽が好きで、人が好きだったらなれる」といつも伝えていて、どちらかだけの場合は難しいと思っています。 シンガーにとっても同じことかもしれませんが、目の前の人に対して心を許す、心を開くことが何よりも大切だと考えています。
ありがとうございました。
 
シンガーとして、トレーナーとして、ひとりの女性として、奉仕の心とゆるぎない意志をお持ちの松岡ゆりなさん。 まさに“好き”を仕事にする素晴らしさと同時に、数え切れないほどの努力を目の当たりにしました。 「歌を極めたい」その想いひとつに、日々自らに課題を与え、夢を現実に変えてこられた姿に、ただただ尊敬の念と感動を覚えました。 なぜ人は仕事をするのか、そういった核の部分も感じられる取材でした。
取材レポーター:まえだ 真悠子
ブライダルスタイリスト
カラーリスト
ウェディングプロデューサー
Te'al Bleu(ティール・ブルー) 代表
Blog:http://ameblo.jp/tealbleu/
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