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■「私のサロン」オーナーインタビュー


成岡 玉江さん(鍼灸スノルノ)

成岡 玉江さん
鍼灸スノルノ
京都市中京区富小路通 夷川上ル大炊町363
ネオガーランド御所南101
TEL:075-708-7489(予約優先) 定休日:水曜日
http://www.suno-luno.com
なぜ鍼灸だったのですか?
鍼灸治療は子どものときから受けていたので、私にはとても身近なことでした。一番最初に治療を受けたのは小学校4年生の時。膀胱炎になって学校を1ヶ月ほど休んだことがあるんです。いろんな病院で治療を受けていましたがなかなか良くならなくて。母が知人の鍼灸院の先生のところに連れていってくれて、鍼灸治療で良くなったんです。
鍼灸治療はこわくなかったのですか?
それが全然こわくなかったんです。先生の奥さんに人形で遊んでもらいながら、「怖くないよ」って優しくしてもらったので、針を刺されるという意識は全くありませんでした。何か治療を受けているというのは分かっていたんですけど、遊びに来ている感覚で楽しかったなという思いが今もあります。父の知人にも鍼灸師をされている方がいましたし、周りにそういう方が何人かいたので、ちょっとなんかあると鍼灸治療に行くという環境が子どもの頃からありました。
鍼灸師になろうと思ったきっかけは?
大手下着メーカーに就職して商品企画の仕事をしていましたが、30歳で退職し、その後も大阪で同業種の会社に10年くらい普通のOLをしていました。仕事はすごく好きでおもしろかったんですが、もっと好きでする仕事があるんじゃないか、何か自分でやってみたいという思いをずっと持っていたんです。

ある日実家に帰った時、90歳で鍼灸師をされているおばあちゃんに治療してもらったんですが、その年で現役で仕事をされていることにすごく感動したんです。そこから心の中に何かが芽生えはじめたんですね。その後知人のカイロの先生から、「興味があるならやってみれば?」と鍼灸の学校の資料をいただいたんです。それでちょっとやってみようかなという思いが出てきて、昼間はOLで働きながら、夜間の学校に3年間通いました。
働きながら3年間通学するのは大変でしたか?
京都に住んでいましたが、会社が大阪だったので、学校も会社帰りに行ける大阪の学校を選びました。朝に普通に会社に行って、会社が終わると学校に行って、夜10時くらいに自宅に帰ってきて晩ご飯。それから学校の宿題をするんです。

学校は毎日あるので、出張先からそのまま学校に行ったり、学校が終わってから会社に戻って残業することもありましたね。

でも学校はすごく楽しかったんです。学ぶことがすごく楽しくて。仲間は若い方ばかりで、普通の会社のOLをしながら通学しているのは私だけでした。

がんばらないといけないと思っていましたから、必死すぎてストレスも無かったです。会社で仕事が忙しいとストレス溜まりますが、会社と学校の両方で上手に緩和されていたのかもしれませんね(笑)
開業されて思うことは何ですか?
お店を始めてみて、この仕事は究極の接客業だと思いました。学校では、あの疾患はこう、この疾患はこうと勉強するので、そんなに思わなかったんですが、患者さんと接していると、この人の辛さってどこから来ているのかと考えるようになったんです。

疾患で痛いというのもありますが、会社の人間関係や家族との関係が辛いという、心のストレスから由来する不眠やめまい、耳鳴りを感じる方がすごく多いんです。例えば、噛み締めがひどくなっておきる顎関節症やメニエールなど耳まわりの疾患は、加齢が原因もありますが、私たちの世代の女性にはストレス性がすごく増えていると思います。
それは仕事が忙しいからといった外的なことが原因なのか、それとも不安などの内的なものが原因なのかというと、どちらが多いと思いますか?
内なるものが先にあって、そこに付随してくるような気がします。子どもの頃の生い立ちみたいなもの、例えば、「子ども頃、ずっと寂しかった」といったことにたどり着くこともあります。

こちらから聞きませんが、何回も通って来てくださるうちに、患者さんからぽつりぽつりといろんなことを話されるんです。「辛いのもその一貫かもしれないね」と言うと、何か自分で納得されて安心される方も少なくありません。

心療内科に行くと、「更年期なので仕方ないですね」とか、「ストレスですね」とか言われて、薬をもらって終わることが多いですが、このままずっと薬を飲み続けていいのかなと思う人が多いんです。

ハリは自律神経を整えていく治療なので、その人が持っている自然治癒力を高める治療なんですね。ハリを刺したから治るんじゃなくて、ハリを刺すことでその人の機能がアップする。話をすることはそれと同じだと思います。

「傾聴」することで、患者さん自身の中で気付きが起きてくる。すると「ああ、そうか。やっぱり私は幸せなんやな」とだんだんほぐれていくんですね。すると落ち着いてきて眠れるようになったという効果が出てくるんです。プラシーボ効果というのもあると思いますが、皆は元気で仕事できるのに、なんで自分だけこんなにしんどいんだろう、何が悪いんやろう、と悩んでおられる。でも、自分の心のありようが分かれば、少し前向きになって身体も変化するんじゃないかと思います。
鍼灸で症状を軽減しながら、「対話」というアウトプットすることで、気持ちの持ち方も変わってくるということですね。
そうなんです。患者さんが来られると、脈診して舌診して、顔の色や目の色を見て、「この人は肝の経絡が弱いからストレスが強いな」とか、「腎の経絡が弱っているから体力的に疲れているな」と東洋医学的に五臓六腑のどこが弱っているかなという体質を見るんですね。

でも今すごく顎関節痛を訴える人が増えているので、なぜだろうと思い、患者さんたちに「歯を噛み締めるクセがありませんか?」と聞いてみたんです。すると大概の人が「噛み締めています」「マウスピースをしています」とおっしゃる。そういう方の多くがストレス由来の摂食障害だったり不眠だったりするんです。

ずっと我慢しているから噛み締めてしまう。だからここがこんなに痛いんだとか、耳がジンジンするんだとか、こんなところに理由があったのかと分かったら、なんとなく安心されるようですね。それから「聴く」ということに重きを置くようになりました。
女性の悩みに対して女性だからこその応え方ができますね。
ホームページやブログを見て来てくださる方の多くは、女性の鍼灸師を探していましたとおっしゃいますね。

ハリは衣服を脱いで素肌に触りますし、生理痛だと男性には言いにくいですから。身体を触りながらお話するので、皆さんすごく素になってくれます。

「ちょっと聞いて」と愚痴ってみたり。誰でもみんなしゃべりたい。聞いてもらいたいんですね。分かってもらえるって大事じゃないですか。そんな人や場所を求めているんじゃないかと思います。
今年5年目ということですが、これからの展開は?
ただ治療して痛いところを治すというより、もっと深いところというか、今やっとその入り口に辿りついた気がしています。そこをもっと掘り下げておもしろい鍼灸院にしたいですね。
おもしろい鍼灸院とは?
この人にとって本当の幸せというか、元気になるには何が必要なのかと考えると、もしかしたら話を聴くだけでもいいのかもしれないし、食べ物を変えたほうがいいよというアドバイスなのかもしれない。また人によっては、話は要らないからハリと灸だけが良いという人もいらっしゃる。そう考えると、鍼灸は一つのコミュニケーションツールなのかもしれませんね。やっぱり女性は母性が強く受け入れる懐も深いと自分でも思いますし、持って生まれた母性をとても活かせる仕事だと思っています。
ありがとうございました。
(取材:2014年11月 関西ウーマン編集部) 

 

 

 


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