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■関西ウーマンインタビュー(美術・芸術編)


川瀬 みゆきさん(書道家)

 
川瀬 みゆきさん 書道家
雅号/川瀬碧水。日本書芸院一科審査員、日本書芸院教師、東洋芸術院師範。
滋賀県大津市在住。7歳より書道を始める。長年の古典書道経験をベースにした、流麗かつ凛としたしなやかな書風が持ち味。日本を代表する公募展に入選・入賞多数のほか、テレビ番組のタイトルや商品ロゴの揮毫、インテリア書道、ライブ書道、てん刻(落款印)の制作も行う。現在、書道・てん刻教室「かわせみの学校」、「かわせみ書道サロン」を主宰。京都の細見美術館や大阪の老舗ギャラリー、情緒あふれる町家など、洗練された空間で質の高い教室を展開中。<メディア出演>MBS「知っとこ!」おけいこごと特集、NHK「ルソンの壺」奈良・呉竹の墨特集。

かわせみスタイル http://www.kawasemi-style.com
※上写真/川瀬さんが手にする「書」に書かれている文字は『心如水』。上質なボックスの額装は川瀬さんオリジナルです。
川瀬さん:「水が流れるような繊細なイメージの中にも、線の強さとにじみとかすれのバランスを意識し、一息に書き上げました。」
「かわせみゆき」さんなので、「かわせみ」なのですね。
ニックネームで呼ばれていたので、教室の名前とブランド名を「かわせみ」で統一しました。かわせみって、鳥の宝石と言われるほどブルーの羽の色が綺麗で、一直線に水の中に入っていく潔さ、りりしさに、自分を重ね合わせたいという想いを込めています。
就職された営業職から、編集プロダクションやフリーでライターをされていたそうですね。
短大卒業後、印刷会社に就職し事務や営業職として5年勤務していましたが、退社後、アルバイト先で文章を書く仕事をさせてもらったんです。文章書くのって面白いなと思って、編集プロダクションに転職しました。取材ライターとして、主にグルメやインテリア、建築関係の雑誌や新聞に書いていました。その後独立し、フリーランスのライターとして10年くらい続けていました。
書道家になることを決断されたのはなぜですか?
自立した女性として一生できる仕事をやっていきたいと思ったんです。ライターの仕事にもやりがいは持っていましたが、一生できるかと考えると、私にはできないと思ったんですね。どんどん若い人が出てきますし、自分がもっと歳を重ねた時、今持っている媒体の仕事をそのままできるかというと、できないと思ったんです。媒体自体もあるかどうかわからないですし。

そう考えると、私には長年ずっとやってきた書道が一番向いているのではないかと思いました。7歳から始めて、これまで一度もやめようと思ったことはありませんし、これから先も死ぬまで、きっとやめることはないと思ったんです。やはり私には書道しかない。筆一本で生きていくことを決めました。それと、書道で社会に貢献したいというか、自分の生きてきた証として、書を残していけたらいいなと思ったのもあります。
書道教室と創作書道の両方をされていますね。
ベースは古典書道なので、教室では基本、スタンダードな「書道」を教えています。公募展に出品して賞を頂いたりしているのも古典書道の活動です。でも古典的な書道だけでは、表現の幅が限られてしまうんですね。人知れず黙々とお稽古することも大事ですが、個展などでお披露目していくには、創作書道のほうが、一般の方に興味を持っていただきやすいというのはあります。

私は古典書道も創作書道も両方好きなんですね。今も師匠についてお稽古を続けていますが、書道のお稽古は一生の勉強だと思っています。やはりどの職人さんも、何を言っても技術が一番と仰るように、そこをおろそかにしてはいけない。基本をしっかり踏まえたうえで、創作の世界にチャレンジしていきたいと思っています。
川瀬さんの書は、どんなことにこだわっておられますか?
私の書の持ち味は、しなやかで流麗な筆致ですが、一番好きで得意だと思っているのは直線なんですね。線の中でも直線は非常に難しいんです。縦横の直線がきっちり引けることによって崩した流線も冴えてきます。それにはテクニックが必要になります。

擦れ(かすれ)も、書いていて偶然かすれる場合もありますが、私は偶然に頼らないようにしています。偶然に頼ると書けない場合も出てきますし、「書けるかどうかわからない」じゃプロとして困るので、絶対書けないといけない。書道は線が命ですから、自分の思い通りの線を「必然」で書きたいと考えています。

また、書道に限らず、人に感動を与えたり、目を惹くためには、「強さ」って大事だと思うんです。書は平面ですが、見る人の心にぐっと迫るような奥深い作品を書きたいと思っています。作品の持つ力強さでそれを表現したいですね。
「書は人なり」と言いますが、書くときは自分に向きあうことなのでしょうか。
書はその人の内面が出る芸術なので、ある意味怖いですね。線そのものに性格が出てしまいますから、ひとつひとつ、おろそかにできません。自分の感覚にブレがあったり迷いがあると、絶対に線に出てきます。仕事ですからお金儲けも必要ですが、作品を書くことに対して打算的にはなりたくないと思っています。やはり、技術をしっかり磨くことと、自分の感覚を信じることですね。
「自分の感覚を磨く」ために、どんなことをされていますか?
それは日々のお稽古です。一つのことを継続することって、簡単なようでエネルギーが要ると思うんですね。

仕事が忙しい時、お稽古の時間を作るのはしんどい時もありますが、どんなに忙しくても、自分のために筆を握ることで心が落ち着くんですね。

自己満足かもしれませんが、お稽古の後には達成感があります。やはり自分との対峙なので、そこを怠るといけないと思っています。
女性はいろんなことを時間に盛り込んでしまいがちですからね。つい、スケジュールをいっぱい埋めてしまって、自分のための時間を作ることができない人が多いと思います。でもプロとして活躍されている人は皆、そうした時間を作っていますね。
自分磨きというより「鍛錬」ですね。技術を高めるための努力と鍛錬。そういう意味での「自分磨き」を怠らす達成できていると、自ずと自信に繋がってくると思います。
これからの展望は?
私にしか書けない書風を出していきたいですね。古典的なものの中に、現代に生きる女性のエッセンスのような、新しい感覚も入れていきたいと思っています。

例えばこのオリジナルの額装。これもいろんな方とのコラボレーションでできた作品ですし、こうした、私にしかできないオリジナリティなコラボや作品を発表していけたらといいなと思っています。「自分の主張は作品で語る」と考えていますので、それを見てたくさんの方が共感してくださると嬉しいです。
ありがとうございました。
(取材:2014年11月 関西ウーマン編集部) 
撮影協力場所
細見美術館
京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
TEL:075-752-5555
「東山駅」2番出口より徒歩約7分
http://www.emuseum.or.jp/
 
<細見美術館教室>
かわせみ書道サロン 大筆/小筆コース 美術館という非日常空間で毛筆をたしなみ、墨の香りに癒されながら、お茶とお菓子も楽しめるサロン的な書道教室。書道を軸に、感度の高い人々がともに学び、集い合う空間です。初心者の方も気後れしないよう、個人のペースに合わせてじっくりとおけいこを進めます。
 

 

 

 


■関西ウーマンインタビュー(美術・芸術編) 記事一覧

  • 「既存の型に縛られず、独自の書を追求したい」現代アートの世界で書道家として生きることを選んだ田面さん
  • 「自分の絵をこよなく愛し執着する」「マリブルー」と称される青を基調とした絵が印象的な青江鞠さん。
  • 「日常の視座と違う視点を持って生きたい」見る側にさまざまな想起を投げかける風景画を描き続けている安喜さん
  • 「自分の生きてきた証として書を残していきたい」技術を高める鍛錬が自分の自信になると話すみゆきさん

 

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