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五年前の忘れ物(益田ミリ)

女の人生いろいろあるさ

五年前の忘れ物
益田 ミリ(著)
漫画家 益田ミリさん初の小説集『五年前の忘れ物』を読みました。収められている短編は十話。全て女性が主人公です。
・五年前の忘れ物
・二羽の鳥かご
・とびら
・セックス日和
・デニッシュ
・バリケン
・堤防の夕焼け
・角砂糖の家
・バタークッキーの紙袋
・ニリンソウ
(『五年前の忘れ物』目次より引用)
表題にもなっている『五年前の忘れ物』は以前働いていた職場の上司とばったり再会した女性の話。
当時、彼女は上司のことが好きで、もし誘われたら不倫関係になってもいいと思っていた。しかし、彼に気持ちをわかってもらうことなく退職。

あれから5年経ち現在36歳の女性は、酔っていることもあり、元上司にかなりエッチな話をする。どう考えても元上司を誘っているとしか思えない。もちろん元上司もだんだんその気になってきて……
(益田ミリさんの『五年前の忘れ物』を私なりにまとめました)
私なら絶対にそんなことを言わないワ、と思うようなことを男性に向かって話す主人公。

五年前の忘れ物とは、彼への想いを遂げることだったのか、上手くいってよかったね、と思っていたのに、あっと驚く展開が待っていて、とても面白かったです。

しかし、いくら面白くても、エッチな話ばかりだと辛い。

しかし心配ご無用。

後半はじんわりと温かい作品ばかりで楽しめました。

バリケンという名の鳥を通して、人に認められる喜びを描いた『バリケン』と、どこかに旅行したり、高価なプレゼントをもらわなくても、夫婦の幸せは日常の中にあることを描いた『堤防の夕焼け』が特にジンと来ました。

とても読みやすく、一気に読める短編集でした。
五年前の忘れ物
益田 ミリ(著)
講談社
五年ぶりに再会した元上司とのスリリングな会話に込められた“わたし”のたくらみとは?表題作「五年前の忘れ物」のほか、一戸建ての購入に悩む夫婦の機微を描いた「角砂糖の家」、上京してきた母と残された時間。母子の心を繊細に綴る「ニリンソウ」など十篇の物語。巻末特別・描き下ろし漫画も収録! 出典:楽天
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池田 千波留
パーソナリティ・ライター

コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、ナレーション、アナウンス、 そしてライターとさまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
BROG:「茶々吉24時ー着物と歌劇とわんにゃんとー」

パーソナリティ千波留の
『読書ダイアリー』

ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。私の視点で好き勝手なことを書いていますが、ベースにあるのは本を愛する気持ち。 この気持ちが同じく本好きの心に触れて共振しますように。⇒販売HPAmazon

 



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