魔法のコンパス(西野亮廣)
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![]() たいていのことは何とかなる 魔法のコンパス
西野亮廣(著) お笑い芸人だけど、ヒナ壇には登らない西野さん。
そのことを先輩に非難されても、改めたりはしません。そもそも「芸人」の定義が違うというんです。 西野さんは、これに限らず、常識だと思われていることを、一度自分で考えてみて、「そんなことないんじゃない?」とひっくり返してしまう名人だと思います。 これまでの日本では、子どもが音楽や美術、あるいは小説で生きていきたいなんて言えば、親は「好きなことでメシが食える人なんか一握りだ、世の中そんな甘いものじゃない」と諌めるのが普通でした。 「遊んでばかりいたら生きていけないゾ!」と。 西野さんはこう言います。 「仕事になるくらい遊べ」 確かに終身雇用制度が危うくなり、そもそも大企業であっても、倒産してしまうかもしれない今の日本。 勉強して、大学を出て普通に就職したら安定した生活が送れるとは限りませんもんね。 では、好きなことを仕事にするためにはどうすべきかというと、通知表で言えば、他が全部「1」でも良いから得意分野「4」を「5」に高める努力をするべきだと。 一番ダメなのはオール「3」ですって。 なるほどね、得意なことをさらに磨くべきなんですね。 西野さんは同時に、日本ではお金について語ることを良しとしない風潮があることにも疑問を呈しておられます。 生きていくには稼がねばならないというのに。 子どもでもお金について考えるべきだと思っておられるんですね、西野さんは。 とは言え、やみくもなお金儲けのノウハウの話ではありません。 どんな世の中でも、人は必要なものは買うのだから、人が何を求めているのか、自分の「商品(才能)」にどんな付加価値を付ければ売れるのかを考えるクセをつけるべきとおっしゃるのです。 これはあらゆる年代、あらゆる仕事に当てはまることだと思いました。 そして遠回りに見えても、人から信用されることが商売であれ人付き合いであれ、何においても成功する秘訣であるとも。 他にも、SNSの意義や、タブレットやスマートフォンなどについても、世の流れは止められないのだから、それをむしろ活用すべきだと述べておられます。 たとえば、授業中にスマートフォンを見るなと、目くじらをたてる学校の先生には、発声、姿勢、目線などを工夫し、生徒を引きつける面白い先生になる努力をするべきでしょう、とチクリ。 今年で四年目になる夏休み作文教室の講師として、大変参考になりました。 でも、西野さん流に言えば、この本に書かれていること全てに感心して丸呑みするのではなく、「西野さんはこう言っておられるけど、本当にそうかな?もっと良い方法があるんじゃないかな?」と、考えることが大事なのかもしれません。 最後に 「成功するまで努力し続ければ失敗などない」 「たいていのことは何とかなる」 と書かれていて、西野さんは優しい人だなと感じました。 魔法のコンパス
西野亮廣(著) 主婦と生活社 漫才師、絵本作家、イベンター、校長、村長、ついには上場企業の顧問にも就任!肩書きを自由に飛び越える芸人界の異端児が書く“レールからハミ出す人のためのビジネス書”。「自分だけの仕事の作り方・広げ方」、「本当のお金の話」「常識の覆し方」「エンタメの仕掛け方」まで必読! 出典:楽天 ![]() 池田 千波留
パーソナリティ・ライター コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、ナレーション、アナウンス、 そしてライターとさまざまな形でいろいろな情報を発信しています。 BROG:「茶々吉24時ー着物と歌劇とわんにゃんとー」 ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。私の視点で好き勝手なことを書いていますが、ベースにあるのは本を愛する気持ち。 この気持ちが同じく本好きの心に触れて共振しますように。⇒販売HP/Amazon
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