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ドラえもん名言集 のび太くん、もう少しだけがんばって(藤子・F・ 不二雄 )

ドラえもんが人生を教えてくれる

ドラえもん名言集
「のび太くん、もう少しだけがんばって」
藤子・F・ 不二雄(著)
私がパーソナリティを務めさせていただいているエフエムあまがさきの番組「昭和通二丁目ラジオ」木曜日。昭和の歌をお送りする番組です。

毎月第1週目の16時台にお送りするのが「千波留Library」。私が選んだお勧めの一冊をご紹介する時間です。

今回ご紹介するのは、『ドラえもん名言集 のび太くん、もう少しだけがんばって』

1969年、小学館の学年誌『よいこ』『幼稚園』『小学一年生』『小学二年生』『小学三年生』『小学四年生』で連載がスタートした『ドラえもん』。

昨年で50周年を迎えました。

ご存知のようにドラえもんは猫型ロボット。何をやってもドジばかりの のび太のために22世紀(誕生日は2112年9月3日)からやってきます。

22世紀ではドラえもんはのび太の孫・セワシの子分なのだそうで、過去に戻って先祖(?)を立ち直らさせるという話は、『バック・トゥー・ザ・フューチャー』と同じですが、1969年にそれを考えついているのが藤子不二雄さん(当時)のすごいところです。

1987年に二人で一人の「藤子不二雄」を解散。二人の合作であった『ドラえもん』の小学館少年雑誌への連載も1990年には完全に終了しました。

でも『ドラえもん』は1973年からテレビアニメ化され、映画も大ヒットし現在に至っています。

今や世界でも名高いドラえもん。彼の良いところは 愛嬌のあるところ。

どら焼きが好きだったり、自分自身もドジをしたり、「ロボット=完璧、冷静沈着」のイメージを大いに覆しています。

また、のび太に寄り添いながらも、甘やかさないところも素晴らしい。

のび太のためにならないことは拒むし、しかる。その言葉の深いこと!

選書家 幅允孝(はば よしたか)さんが、原作からピックアップしたドラえもんの名言に名場面(名コマ画)を添えたのが『ドラえもん名言集 のび太くん、もう少しだけがんばって』。

その中から特に私の心に響いた名言をご紹介しましょう。
「ほんとうに強い者はけっしていばらない。弱い者いじめなど とんでもない」

「悩んでる…?いや、悩んでなんかいないね、たんに甘ったれてるだけだ。

いっぺんでいいから本気で悩んでみろ!!

自分というものをしっかりみつめろ。悩んで悩んで悩みぬくのだ。そうすれば…そこに新しい道がひらけるだろう」

「うわべばっかりかざってる人間は、いつかはきっとぼろをだすさ。」

「障害があったらのりこえればいい!きみはかんちがいしてるんだ。

道をえらぶということは、かならずしも歩きやすい安全な道をえらぶってことじゃないんだぞ。

今の自分をふりかえってみろ。

たいした努力もしないである日突然えらい人になれると思う?

失敗しては反省し、また失敗して反省し…。そのくり返しの毎日さ。」
(「」内は全て小学館『ドラえもん名言集』より引用)
うーん、おとなの私でも思わず唸ってしまう言葉です。

読者を、小さくても人間性を持った相手とみなして、おとな(藤子不二雄さん)が本気で語りかけているのがわかります。

子どもに向けて描く漫画ではあっても、決して「子どもだまし」ではありません。

たとえ読んだ時に言葉の意味を100パーセント理解できなかったとしても、人生について本気で語りかけてくるから心を打たれるのだと思います。

ドラえもんは単なる「夢いっぱいのおもしろ漫画」ではないのですね。

読者を侮らず、誠実に向き合うこの姿勢は、鉄腕アトムを生んだ手塚治虫さん、アンパンマンの生みの親 やなせたかしさんにも通じると思います。

しかし耳の痛い言葉を言われる のび太は原作では小学4年生、アニメでは小学5年生の設定ですから、10歳か11歳。

なかなか厳しいですね。

でも、事あるごとにこんな言葉を言い聞かせてもらったら、きっと立派な人に成長することでしょう。

ああ、私もドラえもんが欲しかったよ!

ドラえもんファンはもちろん、そうでない人も、おとなもこどもも、一読の価値がある一冊です。
ドラえもん名言集
「のび太くん、もう少しだけがんばって」
藤子・F・ 不二雄(著)
小学館
不朽の名作ドラえもんから選びぬいた、あなたの人生を変える名台詞と名イラスト。 出典:楽天
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池田 千波留
パーソナリティ・ライター

コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、ナレーション、アナウンス、 そしてライターとさまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
BROG:「茶々吉24時ー着物と歌劇とわんにゃんとー」

パーソナリティ千波留の
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ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。私の視点で好き勝手なことを書いていますが、ベースにあるのは本を愛する気持ち。 この気持ちが同じく本好きの心に触れて共振しますように。⇒販売HPAmazon

 



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