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これだけで、幸せ(小川糸)

自分らしさってなんだろう?

これだけで、幸せ
小川糸(著)
『ツバキ文具店』ですっかり好きになった小川糸さんのエッセイ写真集『これだけで、幸せ』を読みました。

今流行りのミニマリスト、とはちょっと違うように見えます。「一生添い遂げたい」と思える日用品やお洋服など、お気に入りのものたちに囲まれた生活ぶりは、非常に気持ちよさそう。

小川さんは、物も人生も「軽さ」を大切にしていらっしゃいます。それはモンゴルやベルリンで暮らした経験からきているそう。

物の多さが豊かさではないということと、最低限の物さえあれば地球上のどこでだって生きていけるという自信、そういった心が支える「身軽な生き方」を大切にしておられるのです。

一生添い遂げたいものってなんだと思われますか?

それは例えばバターナイフであり、布巾であり、靴であり……日常のあらゆるジャンルにわたって、自分にとってしっくりするものです。

小川さんにとって、そういうものと出会う楽しさは、次々と出てくる新製品を試す楽しさを上回るものなのですって。

小川さんの愛用の品々は見ているだけで楽しくて、癒されます。

特に気になったのは小川さんが日常で使っている調味料。特にお味噌はさっそくお取り寄せしたいと思っています。

ところで、この本では「物」だけではなく、小川さんの生活習慣についても書かれています。

作家として、家でお仕事をされている小川さん。夕方になると、ほぼ毎日スーパー銭湯に行くんですって。歩いて行ける距離に銭湯があるなんてうらやましい。 小川さんは、大きなお風呂に入って疲れを取るだけが目的ではないとおっしゃっています。毎日の習慣が、生活のめりはりになり、自分を助けてくれるんですって。

そして、銭湯通いに限らず、数分で済むことでもいいから、毎日の小さな習慣を大切にしませんかと、読者にも語りかけておられます。

それがきっと、心の切り替えになり、1日にめりはりをつけてくれるはずだと。

私は、100%小川さんの真似をしたいとは思わないけれど、「私は私」というぶれない軸を持って、自分の感性で住みやすい空間を作る姿勢を大いに参考にしたいと思いました。
これだけで、幸せ
小川糸(著)
講談社
一生添いとげたい日用品やお洋服など100点以上の写真で紹介。 出典:楽天
profile
池田 千波留
パーソナリティ・ライター

コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、ナレーション、アナウンス、 そしてライターとさまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
BROG:「茶々吉24時ー着物と歌劇とわんにゃんとー」

パーソナリティ千波留の
『読書ダイアリー』

ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。私の視点で好き勝手なことを書いていますが、ベースにあるのは本を愛する気持ち。 この気持ちが同じく本好きの心に触れて共振しますように。⇒販売HPAmazon

 



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