ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある(西野亮廣)
やるべきことと捨てた方がいいことを教えてもらえる ゴミ人間
日本中から笑われた夢がある 西野亮廣(著) 西野亮廣さんはお笑い芸人であり、絵本作家であり、日本最大のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」の主催者であり、昨年(2020年)12月25日に公開開始となった映画『えんとつ町のプペル』の原作・脚本・製作総指揮の担当者でもあります。
私は公開初日に映画を観に行き、大いに感動しました。あんまりにも感動してしまい、実はその後もう一度見に行ったくらい。 このエッセーには 映画『えんとつ町のプペル』を世に出すまでのことが書かれています。 西野さんの、忙しすぎるほど順調だったお笑い芸人としての活動を縮小した理由について。 タモリさんに勧められてすぐに絵本を書き始めたこと。 映画『えんとつ町のプペル』の前に絵本『えんとつ町のプペル』を作った理由について。 また、絵本を書き始めたり、クラウドファンディングを始めたり、新しいことをするたびにバッシングされたことも。 私は西野さんのオンラインサロンメンバーです。日々、西野さんの書いている文章を読んでいてわかるのは、西野さんが「思いつき」で行動することは ほぼない人だということ。 何か目標を立てた時、闇雲に走り出したりしません。 目先の成功や利益で満足することもありません。 そもそもお笑い芸人としてデビューした西野さんが目指していたのは「頂上」でした。 しかし、できる限りの努力をして売れっ子になり、仕事が忙しくなったとはいえ、それは同世代の仲間から飛び出しただけのこと。 いつまでたってもタモリさんやさんまさん、たけしさんに追いつくことはできないと見切るのです。 西野さんはそこで、大きく方向転換することを決意します。 仕事は順調、周囲からチヤホヤされ、生活水準も上がり、欲しいものが手に入るようになったというのに。「芸人の頂上」ではなく、「エンタメの頂上」を目指すと。 私も、人に楽しんでいただくことが仕事なので、このエッセーはとても参考になりました。 最も胸に響いたのは「育児放棄」の話。文字通りの、子どもの育児を怠る話ではありません。 作品は、出来上がったら「ハイ終わり」ではない、とおっしゃるのです。 作者にとって作品は自分の子どもと同じ。 絵本や映画の完成は、子どもの誕生にすぎず、お客様に届けるところまで一生懸命努力するのが作者としての務めだ、と西野さんはおっしゃるのです。 ところが作品の販売に力を入れると、そこにはお金の問題がついてきます。 日本には、お金に関して一生懸命になったり口を出したりするのが、なんだか悪いこと、卑しいことのように捉えられる風潮があります。 ましてや芸術家となると、作品制作だけやっていて、お金には無頓着な方が麗しいというイメージがあるのではないでしょうか。 最初は西野さんも自分の絵本を売ることに積極的ではなかったそうです。 しかし「芸人が絵本なんか描いて」とバッシングする人の多くが自分の作品を読んでいないことに気がついて、考えを変えたそう。 作るだけ作って、読者の手元に届くように努力しないのは、「育児放棄だ」と気がついたというのです。 私の場合は、自分の担当するラジオ番組をとにかく一人でも多くの人に聞いていただけるよう努力するのが「育児」ということになります。 番組のために一生懸命準備すること、ミスせず放送を終えることだけで満足していたらダメなんですね。 今年は多くのリスナーさんに届くよう、今まで以上に努力するつもりです。 本音を言うと私は、若いうちにこの本を読める人に嫉妬しています。 私も、声の仕事をするという自分なりの夢を一応は叶えているけれど、あっちこっち寄り道してしまった気がするんです。 もちろん人生に無駄なことなど一つもなく、寄り道も私のためになっているとは思ってはいますが、まだまだたっぷり時間がある若い時にこの本を読んでいたら、もっと効率よく進めたかも。 何か目標を定めたばかりの人や、夢を追いかけ始めたばかりの人は、ぜひこのエッセーを読んでみてください。 頑張ろうという気持ちが湧くのはもちろん、やるべきことと、捨てた方がいいことを教えてもらえると思います。 ゴミ人間
日本中から笑われた夢がある 西野亮廣(著) KADOKAWA クラウドファンディング支援総額国内最高(5億円)。オンラインサロン会員数国内最大(7万人)。日本のエンターテイメントの中心にいる男の覚悟。 出典:楽天 池田 千波留
パーソナリティ・ライター コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、ナレーション、アナウンス、 そしてライターとさまざまな形でいろいろな情報を発信しています。 BROG:「茶々吉24時ー着物と歌劇とわんにゃんとー」 ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。私の視点で好き勝手なことを書いていますが、ベースにあるのは本を愛する気持ち。 この気持ちが同じく本好きの心に触れて共振しますように。⇒販売HP/Amazon
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