正しい目玉焼きの作り方(森下えみこ)
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![]() きちんとした大人になるための家庭科の教科書 正しい目玉焼きの作り方
森下えみこ(著) 私がパーソナリティを担当している大阪府箕面市のコミュニティFMみのおエフエムの「デイライトタッキー」。その中の「図書館だより」では週に一度、箕面市立図書館の司書さんが選んだ本をご紹介しています。
今回ご紹介するのは、『正しい目玉焼きの作り方』。 この本は「14歳の世渡り術」というネーミングで、河出書房新社が出版しているシリーズの中の一冊。 サブタイトルは「きちんとした大人になるための家庭科の教科書」とあり、”きちんとしていない大人”の私などはギクッとしながら手に取りましたよ。 学校で習う家庭科。名前の通り、本来は家庭の中で教わる生きるためのテクニックなのですが、それぞれの家庭にやりかたがあり、どれが正解とは言い難い。 しかも日常生活の中で、しっかりと教えてもらいながらやっているご家庭がどれくらいあるのでしょうか。だいたいが年上のご家族の見よう見まね、じゃないでしょうか。 だからこそ、先生にしっかり教えてもらえる家庭科の授業は貴重な時間のはずが、振り返ってみるに、私は完全になめてかかっていました。息抜きの時間……は言い過ぎにしても、本気で取り組んでいなかったなぁ。 のちに、家庭科の教科書を処分したことを後悔したことが何度かあります。「これってどうするんだっけ、家庭科の教科書に書いてあったのに」……と。 本気で、家庭科の教科書を改めて取り寄せようかと思ったことも。でも教科書ってやっぱりとっつきにくいというか、杓子定規。 『正しい目玉焼きの作り方』は非常に読みやすく作られています。まず、つかみは漫画。春から同居を始めた新社会人の姉と大学一年生の弟が登場。家事万事にいい加減な姉と、しっかり者の弟の日常生活は「あるある」の連発で、非常にわかりやすいです。 「洗濯」「料理」「片付け・掃除」「裁縫」すべてダメな姉を導くべく登場するのは、それぞれのジャンルのプロたち。 洗濯は家事アドバイザーの毎田祥子さん、料理は管理栄養士の井出杏海さん、片付け・掃除は木村由依さん、裁縫はソーイング教室主宰・デザイナーのクライ・ムキさんが先生として登場。 書籍の監修にあたっておられます。森下えみこさんの ちょっと力の抜けたイラストが親しみやすくて良いんですよ。 それは私でも知っているワということもありましたが、私が考え込んでしまったのは、次の一文。 ”レシピ、正しく読めますか” (『正しい目玉焼きの作り方』P95から転記)
これまで数え切れないほどの数のレシピを読んでいるけれど、正しく読めているかと改めて考えると自信がないワ。
たとえば、言葉の違いをはっきり説明せよと言われると迷うものがいっぱい。 ・適量と適宜 ・湯がく、さっとゆでる、ゆでこぼす、下ゆでする ・煮込む、煮詰める、煮からめる、煮付ける、煮含める、炊く いかがでしょう。 自信を持って人に(お子さんに)説明できますか? 「14歳の世渡り術シリーズ」には、『ちゃんとわかる消費税』、『学校では教えてくれないお金の話』、『学校では教えてくれない人生を変える音楽』、『リセット』など、他にもたくさんあります。14歳だけに読ませておくのはもったいない気がする! ![]() ![]() 池田 千波留
パーソナリティ・ライター コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、ナレーション、アナウンス、 そしてライターとさまざまな形でいろいろな情報を発信しています。 BROG:「茶々吉24時ー着物と歌劇とわんにゃんとー」 パーソナリティ千波留の『読書ダイアリー』 |
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