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きょうも箸袋でラブレター(歌代子)

きょうも箸袋でラブレター
歌代子 (著)
出版社:マガジンハウス (2015)【内容情報】(「BOOK」データベースより)さりげないやりとりや気遣いこそ、最高のごちそう!50代夫婦による箸袋を使ったユニークなコミュニケーションと幸せの作り方を大公開。(出典:amazon
この文章を読んでくださっているあなたは結婚なさっていますか?
既婚だとしたら、ご結婚何年めですか?

結婚して何年も経つのに、
ほぼ毎日ラブレターのやりとりをしているご夫婦がいると言ったら、
すぐに信じられます?
しかも50代のご夫婦で。

そんな、なんとも羨ましくも信じがたい(?)ご夫婦のラブレターを
写真で一挙公開しているのが、
歌代子さんの『きょうも箸袋でラブレター』です。

歌代子さんと、旦那様のケンジさんはバツイチ同士。
結婚して約10年のご夫婦です。

ケンジさんが出勤するときに渡すお弁当。
一緒に渡すお箸は、歌代子さんお手製の箸袋に包まれています。
まずはその箸袋を、歌代子さんが毎日折って作っていることにビックリ!!
その上、イラストや文字を書いているんですよ。
朝の忙しい時間に。

一方のケンジさんはというと、
お弁当を食べたあと、
歌代子さんからのメッセージやイラストへの返事をしたため、
帰宅したら、空になったお弁当箱と一緒に箸袋を返すわけです。

捨てずに置いておいた箸袋が400枚近く。
それが一冊にまとめられたのがこの本。

私が気に入っているのは、
歌代子さん
「口内炎に効く豚肉弁当です。
痛いの痛いのトンでいけ~」
イラストの豚さんが「まかせて ブヒブヒ」

に対して
ケンジさん
「トンでもなくトントン調子で」
イラストの豚さんが飛んでいる
という会話(?)。

お二人とも、もともと絵の素養はなかったのに、
だんだん上手くなっているのがわかります。
ケンジさんなんか、こっそりイラストの描き方の本を買って
研究していたそうですよ。

箸袋だけではなく、
歌代子さんのお弁当の写真も多数掲載されていて、
お弁当本としても楽しめます。

それにしても、毎日箸袋を介してのコミュニケーション…
何かを思い出させると思ったら、交換日記でした。
私が中学生の頃、交換日記がはやりました。
1冊のノートに、互い違いに文章を書いては、
相手に渡すアレです。
中学生ながら 付き合っているカップルはもちろん、
女性同士でもやっていましたっけ。
私も友達(女子)とやっていましたワ。
あのころほぼ二日に一回周ってくる日記に何を書いていたんだか。
今だったら早々にネタがなくなって自然消滅しちゃうかもね。

歌代子さんとケンジさんは、
箸袋という、限られたスペースに少しずつ書くからこそ、
毎日続けられたのかもしれませんね。

いやいや、書くスペースの問題だけではなく、
お二人の仲が良いから続けられたのだと思います。
見ているとほのぼの、楽しくなる本でした。

いろんな意味で「ごちそうさまでした」。

池田 千波留
パーソナリティ・ライター

コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、
ナレーション、アナウンス、 そしてライターと、
さまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
BLOG ⇒PROページ

著書:パーソナリティ千波留の読書ダイアリー
ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。
だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。

「千波留の本棚」50冊を機に出版された千波留さんの本。
『私の視点で好き勝手なことを書いていますが、ベースにあるのは本を愛する気持ち。 この気持ちが同じく本好きの心に触れて共振しますように。』購入サイトはこちらAmazonでも購入できます


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