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きょうも箸袋でラブレター(歌代子)

きょうも箸袋でラブレター
歌代子 (著)
この文章を読んでくださっているあなたは結婚なさっていますか?
既婚だとしたら、ご結婚何年めですか?

結婚して何年も経つのに、ほぼ毎日ラブレターのやりとりをしているご夫婦がいると言ったら、すぐに信じられます?しかも50代のご夫婦で。

そんな、なんとも羨ましくも信じがたい(?)ご夫婦のラブレターを写真で一挙公開しているのが、歌代子さんの『きょうも箸袋でラブレター』です。

歌代子さんと、旦那様のケンジさんはバツイチ同士。
結婚して約10年のご夫婦です。

ケンジさんが出勤するときに渡すお弁当。
一緒に渡すお箸は、歌代子さんお手製の箸袋に包まれています。

まずはその箸袋を、歌代子さんが毎日折って作っていることにビックリ!!
その上、イラストや文字を書いているんですよ。
朝の忙しい時間に。

一方のケンジさんはというと、お弁当を食べたあと、歌代子さんからのメッセージやイラストへの返事をしたため、帰宅したら、空になったお弁当箱と一緒に箸袋を返すわけです。

捨てずに置いておいた箸袋が400枚近く。
それが一冊にまとめられたのがこの本。

私が気に入っているのは、
歌代子さん「口内炎に効く豚肉弁当です。痛いの痛いのトンでいけ~」
イラストの豚さんが「まかせて ブヒブヒ」

に対して
ケンジさん「トンでもなくトントン調子で」
イラストの豚さんが飛んでいるという会話(?)。

お二人とも、もともと絵の素養はなかったのに、だんだん上手くなっているのがわかります。

ケンジさんなんか、こっそりイラストの描き方の本を買って研究していたそうですよ。

箸袋だけではなく、歌代子さんのお弁当の写真も多数掲載されていて、お弁当本としても楽しめます。

それにしても、毎日箸袋を介してのコミュニケーション…
何かを思い出させると思ったら、交換日記でした。

私が中学生の頃、交換日記がはやりました。
1冊のノートに、互い違いに文章を書いては、相手に渡すアレです。

中学生ながら 付き合っているカップルはもちろん、女性同士でもやっていましたっけ。
私も友達(女子)とやっていましたワ。

あのころほぼ二日に一回周ってくる日記に何を書いていたんだか。
今だったら早々にネタがなくなって自然消滅しちゃうかもね。

歌代子さんとケンジさんは、箸袋という、限られたスペースに少しずつ書くからこそ、毎日続けられたのかもしれませんね。

いやいや、書くスペースの問題だけではなく、お二人の仲が良いから続けられたのだと思います。
見ているとほのぼの、楽しくなる本でした。

いろんな意味で「ごちそうさまでした」。
きょうも箸袋でラブレター
歌代子 (著)
マガジンハウス (2015)
さりげないやりとりや気遣いこそ、最高のごちそう!50代夫婦による箸袋を使ったユニークなコミュニケーションと幸せの作り方を大公開。 出典:amazon
profile
池田 千波留
パーソナリティ・ライター

コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、ナレーション、アナウンス、 そしてライターとさまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
BROG:「茶々吉24時ー着物と歌劇とわんにゃんとー」

パーソナリティ千波留の
『読書ダイアリー』

ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。私の視点で好き勝手なことを書いていますが、ベースにあるのは本を愛する気持ち。 この気持ちが同じく本好きの心に触れて共振しますように。⇒販売HPAmazon

 



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