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運を支配する(桜井章一・藤田晋)



 
運を支配する
桜井章一・藤田晋(著)
出版社:幻冬舎(2011)【内容情報】(「BOOK」データベースより)勝負でたまにしか勝てない人と、勝ち続ける人ではいったい何が違うのかー。麻雀でも、ビジネスの世界でも、懸命に努力したからといって必ず勝てるわけではない。勝負に必要なのは、運をものにする思考法や習慣である。その極意を知っている人と知らない人とでは、人生のあらゆる場面で大きな差がつくのだ。「『ゾーン』に入る仕掛けをつくる」「パターンができたら自ら壊せ」「ネガティブな連想は意識的に切る」「違和感のあるものは外す」等々、20年間無敗の雀鬼・桜井氏と、「麻雀最強位」タイトルを獲得したサイバーエージェント社長・藤田氏が自らの体験をもとに実践的な運のつかみ方を指南。(出典:楽天ブックス
宝塚歌劇団で再再演されることになったミュージカル『ガイズアンドドールズ』。
主人公の通り名はスカイ・マスターソン。
賭けっぷりが天にも届きそうだというので
ついたあだ名がスカイなのです。
そんなスカイが、ここ一番絶対に負けられない勝負を前にして歌うナンバーが
「Luck Be A Lady」。
宝塚歌劇でのタイトルは「運命よ、今夜は女神らしく」。

運命の女神に、
「今夜だけは他の男たちに良い顔をしないで
淑女らしく俺一人を応援してくれ」と祈る歌です。

そう、スカイ・マスターソンですら、
運命の女神には頭を垂れて祈るしかないというのに、
この本のタイトルときたら「運を支配する」。
なんという上から目線!

著者の一人は桜井章一。
大学時代に麻雀を始め、裏プロ(そんなのがあるの?!)デビュー。
引退するまで20年間無敗、雀鬼と呼ばれた人だそうです。
引退後は麻雀を通して人としての道を後進に指導する
「雀鬼会」を始めたとのこと。

もう一人の著者は、株式会社サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋。
2000年には当時史上最年少で東証マザーズに上場、
私でも名前と顔を知っている成功者と言えましょう。
その藤田さんも大学時代には麻雀にはまり、
1年ほど雀鬼・桜井氏に習ったそう。
20年ほどのブランクを経て、去年(2014年)、
麻雀界の日本一を決める大会「麻雀最強戦2014」で
プロの雀士を抑えて堂々優勝したというのですから
あらゆる意味で「運を支配する」男と言って良いかもしれません。

この本の章立ては
「ツキを整える」
「運をつかむ人の習慣」
「悪い流れを断つ」
「ツキを持続させる」
「運をまねく作法」
の5つ。

それぞれの章では
「自滅」「勝ち続ける極意」「スランプ」「努力」…など、
より細かくテーマ分けし、
桜井氏が麻雀の勝負に即した意見を述べ、
そのあとそれをビジネスの世界に置き換えて藤田氏が語る形式になっています。

20年間麻雀で負け知らずだった人と、
ビジネス界での若き成功者、
活躍の場所は違えど、二人ともほぼ同じことを言っています。

不思議なことに、ほぼ同じ内容のことは
美輪明宏の著書でも読んだことがあります。

どういうことか、
たくさんある中で一つだけあげると、
自分が得をすればそれで良い、と思っているような人に
運は向いてこない、ということ。
こすっからしく立ち回り、当面はそれで得をしたようでも
(勝ちを収めたようでも)
長い目で見ると、運気は下がってくるのだと。

麻雀界のナンバーワン、ビジネス界の成功者、
芸能界の重鎮が揃って同じことを感じているというのは
きっとそれが人生の真実だということでしょう。

この本のいいところは、麻雀を知らなくても、
ベンチャー企業を立ち上げた人でなくても
今日から自分に応用できることが満載なところだと思います。

働いている人は仕事に活かせるでしょうし、
学生さんは勉強や、今後の就活に、
家庭の奥様はおだやかな人間関係や家族関係を築く助けになると思います。

私が心しようと誓ったのは、
「準備・実行・後始末」を大事にすること。
特に準備は、あらゆる場面を想定して綿密に行うこと。
そうすればどんなハプニングが起ころうと頭が真っ白になったりはしない。
そして、ただ一生懸命行動するだけではなく、
結果をフォローすること。

それともう一つ。
自分が、自分が…と自己表現したいのが初級者。
上級者は相手の立場に立つことができる。
そして、相手から見た自分が見えるのが最上級者という言葉にも
ううむと唸りました。
私はまだ初級から中級の間をうろちょろしている気がします。
相手から見た自分の姿か〜。
客観視というやつかしら。

自惚れているようですが、私はもともと運がいい方だと思っています。
でも、「準備・実行・後始末」を地道に行い、
さらに常に自分を客観視できたなら、
「運が良い」を超越して、
「運を支配する」ことができそうな気がしてきました。

あ、同時に「謙虚さ」も必要だと、書いてありましたワ。
さじ加減が難しい〜。(でも、なんだか楽しい)

この本は、図書館で借りて読もうと思っていたけれど
あまりに待ち行列が長いので買って読みました。
税込864円だけの値打ちは十二分にありました。
一種のバイブルとして、ずっとそばに置くつもりです。

性別に関係なく、
あらゆる年代の方に、
おおいにお勧めします。

【おまけ】
私も大学生になった時に、麻雀を覚えました。
家族麻雀で、当時健在だった祖父の相手ができるように。

車の運転と同様、麻雀には人柄が出ますねぇ。
日頃気が小さいように見えた叔父の一人が
意外とサバサバと勝負に出るのを見て意外な一面を見た気がしました。

池田 千波留
パーソナリティ・ライター

コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、
ナレーション、アナウンス、 そしてライターと、
さまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
BLOG ⇒PROページ

著書:パーソナリティ千波留の読書ダイアリー
ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。
だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。

「千波留の本棚」50冊を機に出版された千波留さんの本。
『私の視点で好き勝手なことを書いていますが、ベースにあるのは本を愛する気持ち。 この気持ちが同じく本好きの心に触れて共振しますように。』購入サイトはこちらAmazonでも購入できます(8月8日発行)


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