関西で働く女性のライフスタイルマガジン［関西ウーマン］

◎「厚生年金基金」加入していますか？
「厚生年金」と「厚生年金基金」名前は似ていますが、別物です。
通常会社員であれば、大抵厚生年金には加入していますが、厚生年金基金は勤めている会社により入っている場合とそうでない場合があります。

厚生年金
・ 国が運営する公的年金
・運営主体はひとつ
・管轄は年金事務所

厚生年金基金
・厚生年金に上乗せするために企業が運営する企業年金
・運営主体は各企業（複数の企業が同業種で運営している場合もある）
・管轄は各基金

◎もらい忘れの多い「厚生年金基金」

厚生年金と厚生年金基金はこのように運営主体から異なっているため、厚生年金基金に加入していた期間がある人は、年金の請求をする際年金事務所だけでなく、基金へも請求が必要となります。
年金事務所での手続きだけでは、もらい損ねが発生するおそれがあるのです。

けれど、この「厚生年金基金」は全ての企業にあるわけではない上に、名前も「厚生年金」と紛らわしいので、自分自身が厚生年金基金に加入していたという意識のないままの方も多く、請求漏れのケースが多いのです。

特に転職の多かった人は、その中の一部の会社で一定期間厚生年金基金に入っていただけでも請求できますので、ぜひともご確認ください。

先日年金手続をさせていただいた方も、結婚前に勤めていた会社で厚生年金基金に入っていたことを、すっかり忘れておられました。

たまたま見せていただいた資料の中にご実家に大分前に届いた厚生年金基金に関するものがあったので、気づくことができましたが…

結婚し、住所や姓が変わると、基金からの連絡も途絶えてしまいます。
そうなると、もう思い出す手がかりはどこにもありません。

◎厚生年金基金への請求は基金ごと

またＡ社（基金あり）から転職してＢ会社の基金に入った場合、原則的にはそれぞれの基金ごとに請求する必要があります。
（但し在職が短期間であったり、基金が解散した場合は企業年金連合会が窓口になる）
いくら転職しても、請求はひとつの厚生年金と異なる点です。

老齢年金をいざ請求する時になって、３０年も４０年も前の働いていたころの記憶を正確に引っ張り出してくるのは難しいです。

例えば年金定期便が送られてくるタイミングできちっと今までの自分の年金の記録を確認し、もし不明なところがあれば早めに問い合わせるのが一番確実です。

＜注意点＞
・厚生年金基金は厚生年金と異なります！
厚生年金基金に加入していた人は、厚生年金以外に加入の基金ごとに請求が必要
・住所・姓が変わった場合は特に注意
・基金は解散されるおそれがある。今後の動向に注意する

秦　優（ハタ　ユウ）（社会保険労務士）　 YOU社会保険労務士事務所 大阪府高槻市寿町３丁目１７番１９号　TEL：072-658-7627 http://you-sr.com