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小森 利絵 フリーライター えんを描く
レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
おてがみじかん ライフスタイル 2017-06-23
いろんな「私は」を思い出す

「私は、本当は」という言葉が、心の中に浮かんでくることがあります。

私は、本当は・・・こう思っている。こう感じている。こんなことを考えている。こんなことを伝えたい。私は、本当はこうなのに。

ぐっと抑えたり、隠したり、言い出しそびれたり。積み重なると、「私は、本当は」を失くしていき、自分自身さえも見失ってしまうような気がします。

「自分が、自分を見失う?」と不思議に思うかもしれません。でも、今、自分が思ったり行動したりしていることは、果たして自分がそう思っていることですか? 中には「世間一般で言われているから」「みんながそうだから」「人に言われたから」「そう決まっているから」と、社会や他人の意見、理由はわからぬままに思い込んでいることもあるのではないでしょうか。

私がそうでした。「書く」ことによって、「私は、本当は」を思い出し、その気持ちを認めることで、自分を取り戻せたように思います。
高校生の頃、亡くなった母の記憶に思い悩み、父親や親戚など血縁関係にしんどさを感じ、周囲からの「かわいそう」という同情に違和感を抱き、「どうして、生きているのか」「生きている意味があるのか」「自分は一体何なのか」と悶々としました。自分が嫌いになり、生きていることが辛いとさえ思っていたんです。

そんな時、恩師にすすめられたのは、自分の気持ちと向き合うために自分のことを文章で「書く」。

自分が感じたことや思ったこと、考えたことをただ書くだけです。でも、自分をよく見せようとしたり、直視したくない気持ちを隠したりして、「私は、本当は」という気持ちが最初は書けませんでした。
私は、本当は・・・どう思っているのだろう。本当に、そう思っているのだろうか? 自分の声に耳を傾け、気持ちを確かめながら、書いてみる。本当にそう思っているのかを確かめて書き直す、その繰り返し。

「みんなに好かれようと自分に嘘をつく」「結局は自分のことばかり考えている」など、自分が嫌だなあ、醜いなあと思っている気持ちを再認識することにもつながりましたが、不思議と「それもそれで仕方がない」「もう、いいじゃないか」と認められ、手放せたんです。

それからは「私は私でいいんだ」と、自分の人生を生きられるようになったように思います。

思い返せば、その文章はお手紙を書くようなものだったのかもしれません。「こんな気持ち、誰にもわかってもらえない」と思いながらも、根底には「誰かに知ってほしい」「誰かとつながりたい」「あなたのことも知りたい」という気持ちがあったからです。そこが日記とは異なるところで、「私」と「誰か=あなた」という関係性があるからこそ、「私は」を主語に書くことができたようにも思います。
お手紙は他の誰でもない、「私」が主語で、「誰か=あなた」に向けて書きつづるものだから。相手に向けて書きながら、同時に自分とも向き合えます。

お手紙を書いて、いろんな「私は」を思い出してみませんか?
レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
小森 利絵
フリーライター/お手紙イベント『おてがみぃと』主宰
編集プロダクションや広告代理店などで、編集・ライティングの経験を積む。現在はフリーライターとして、人物インタビューをメインに活動。読者のココロに届く原稿作成、取材相手にとってもご自身を見つめ直す機会になるようなインタビューを心がけている。HP:『えんを描く』

 『おてがみぃと』
『関西ウーマン』とのコラボ企画で、一緒にお手紙を書く会『おてがみぃと』を2ヵ月に1度開催しています。開催告知は『関西ウーマン』をはじめ、Facebookページで行なっています。『おてがみぃと』FBページ

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