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小森 利絵 フリーライター えんを描く
レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
おてがみじかん ライフスタイル 2023-04-19
伝えないと、伝わらない
この頃、お手紙をよく書くようになりました。

と言うと、「お手紙のコラムを毎月書いているのだから、よく書いているのでは?」と不思議に思われるかもしれません。お手紙でのやりとりが日常にあるものの、それほどよく書いているわけではないんです。

たとえば、文通インタビュー中のひろこちゃんとも、年賀状とお互いのお誕生日周辺の数回のやりとりくらい。ほかにも、お手紙をやりとりしている方々はいますが、ゆったり、スローペースで年賀状+αくらいなんです。

そんな私が今年に入ってから、まめにお手紙を書くようになっています。

どのくらいのペースになっているかと言いますと、以前なら「月平均0~3通」だったのが、今は「月平均2~5通」というペース。毎週、誰かにお手紙を書いているんじゃないかなというくらいになっています。

今年に入ってから新たに文通をするようになった方がいるのと、これまでやりとりをしている方々にもまめに返事を書くようになったのと。年始のコラム「感謝の気持ちを、改めてちゃんと伝える」に書いた通り、自分の気持ちを伝えていこうと決めたから、そのお手紙も書くようになりました。
その1通が、娘がお世話になった中学校の担任の先生へのお手紙です。

書いてみようと思ったきっかけは、今年初めてお会いして文通をするようになった方から、「子どもがお世話になった学校の先生に、お手紙で感謝を伝えている」というお話を聞いたからでした。

先生には懇談会などでお会いした際に「いつもありがとうございます」と伝えているものの、その一言にすべてを含ませていたことに気づいたんです。

もちろん、その一言でも十分だとも思います。

でも、その「いつもありがとうございます」を解いていくと、「こんなことをありがとう」「あんなことをありがとう」「そんなことをありがとう」という、“何を”というものがあります。「ありがとう」という一言だけでは、伝えきれていない気持ちや思いがあるんです。

“何を”ありがとうなのか。

その一言を解いて、感謝している内容を明らかにすることで、相手がこれまでしてくださったことに、再び光を当てられるんじゃないか。そのことが、相手にとって“自分がしたことで誰かが嬉しくなったこと、幸せになったこと”を発見するきっかけにもなるんじゃないか。その気づきによって、元気や勇気が湧いてくることにもなったら素敵じゃないかなって。

私自身、自分のことを見てくださっている方から気持ちや思いを伝えてもらえると、嬉しくなります。「自分なんて・・・」と落ち込んで自信をなくしていても、その言葉に心を救われて「自分も捨てたもんじゃないな」「頑張ろう」と励まされるんです。

大げさかもしれないけれど、そんな気持ちのやりとりが今、大切なんじゃないかなと思います。嫌なことや悪口などのほうが目立ちやすく、言いやすくなっているように感じるからです。だからこそ、日々の中で埋もれてしまいがちな嬉しかったことや感謝していることを、相手にちゃんと伝えたいと思います。
2023年3月9日に娘が中学校を卒業。その後にお手紙を書いて、学校に送りました。

学校宛に、郵送で、保護者からということで、クレームと警戒されないか、返って気を遣わせてご迷惑にならないかということも気になりながら。自己満足かもしれないけれど、「伝えないと、伝わらない」と行動を起こしました。

お手紙を書きながら、2020年4月の青空入学式(緊急事態宣言に伴い、校庭で開催)からの日々を思い返しました。

コロナ禍で、宿泊学習や職場体験などさまざまな行事が中止になる中、「子どもたちに中学校生活の楽しい思い出を」とご尽力くださり、3年生では新型コロナ感染増を受けての計画変更も行いながら無事に修学旅行へ、また体育大会や合唱コンクールも行われて、賑やかな1年になりました。

そのほかにも、日々の中でさまざまな励ましの声かけ、行事ごとにクラスの一人ひとりに向けて手づくりのメッセージカードを贈ってくださるなど、「こんなことまで!!」と驚く、お心遣いの数々。

気持ちを一つ、また一つと、言葉として書いていく中で、思い出せたこと、改めて「あんなこともしていただいた」「こんなこともしていただいた」と気づけたこと、どこか“そうしてもらって当たり前”と思っていたことが当たり前ではないんだと痛感できたことがありました。

伝える前と後。先生にとってはどんなお手紙になるのかはわかりません。少なくとも、私にとっては、先生をはじめ、職員の方々への感謝を今一度、感じる機会になりました。また、今、こうしていられることのありがたみも感じ、広くまわりの方々へも「ありがとうございます」という気持ちでいっぱいになっています。

「ありがとう」という言葉は伝えていても、その言葉に含まれているものはたくさんあるものです。自分の中に抱えているだけでは、相手には何も伝わらないかもしれません。その含まれている気持ちや思いを、言葉にして相手に伝えてみませんか?
レターセット紹介
イメージ写真のレターセットは、紙製品文具メーカー・フロンティアの「満開の桜」便せん・封筒です。私が先生にお手紙を書く時に、実際に使いました。その時の季節感を表すもので、しっとりとやさしい、包み込んでくれそうな雰囲気の桜の花と葉の絵柄が印象的。「いつもありがとうございます」という感謝の気持ちと、「新しい出会いの季節。この春も、先生にとってよい出会いがありますように」という願いを一緒に乗せて贈ることができそうだと思い、選びました。

紙製品文具メーカー・フロンティア
公式通販サイトには、桜のほか、椿、ミモザ、ネモフィラ、藤、ゼラニウム、薔薇、紫陽花、青空、朝顔、金魚、紅葉、クリスマスなど、季節感も一緒に贈ることのできる便せんや封筒がいろいろ揃っています。
profile
レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
小森 利絵
フリーライター
お手紙イベント『おてがみぃと』主宰

編集プロダクションや広告代理店などで、編集・ライティングの経験を積む。現在はフリーライターとして、人物インタビューをメインに活動。読者のココロに届く原稿作成、取材相手にとってもご自身を見つめ直す機会になるようなインタビューを心がけている。
HP:『えんを描く』
 
『おてがみぃと』
『関西ウーマン』とのコラボ企画で、一緒にお手紙を書く会『おてがみぃと』を2ヵ月に1度開催しています。開催告知は『関西ウーマン』をはじめ、Facebookページで行なっています。『おてがみぃと』FBページ

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