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小森 利絵 フリーライター えんを描く
レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
おてがみじかん ライフスタイル 2023-01-18
感謝の気持ちを、改めてちゃんと伝える
年始はどのように過ごされましたか?

私は例年のごとく、午前中はゴロゴロして、昼過ぎにモゾモゾと郵便受けを見に行き、いただいた年賀状を読むという時間を楽しみました。私にとって何より贅沢だなと思う、幸せなひとときです。「お元気そうで何より」「新しい一歩を踏み出されたんだな」「挑戦し続けているだな」「決断されたんだな」「今年こそはお会いしたい」など、年賀状から思い浮かぶ相手の顔や近況、希望に心が躍りました。

同時に、喪中はがきが届いた友だちにはお手紙を書こうという気持ちもありました。
年賀状を見ながら、今年は「なるほど!こうすれば一枚一枚、手書きできる」というアイデアに注目していました。思いをもっと乗せる表現の仕方はないかなと模索したり、年賀状でのやりとりは年々減ってきていて、ゆくゆくは一枚一枚手書きにしてもいいなとの思いがあったりするので、気になったのだと思います。

参考になったアイデアは、たとえば…

モノクロ写真の上に、今年のキャッチコピーを手書きしたもの
一筆書きできるシンプルなイラストを描いたもの
折り紙を切り貼りしたもの
写真シールをつくって、それを組み合わせたもの

といったものです。いろんな表現の仕方があります。

私の、今年の年賀状はこちらです。

2023
Happy New Year


自分の細胞は、いつも味方してくれてるで!

落ち込んだ時、「ああぁ」「はあぁ」と心の声が漏れ出るようになりました。そんな時、中学生の娘が声をかけてくれます。最近の印象的な励ましの一言が前述の言葉。娘曰く、「身体の細胞は自分が生きるために一所懸命、働いてくれてるやろ?だから、『自分の味方になってくれる人なんて誰もおらん』と思えたとしても、自分の身体の細胞は自分の味方をしてくれてるはずやで」。身体の細胞に意識を向けると、自分は自分だけど、自分だけではない感じがしてきます。そのうち、自然と、周囲の人たちにも目が向いて、今こうしていられることに感謝の気持ちが湧いてくるのでした。いつもありがとうございます!

近況報告:
中学3年の娘は高校受験。中学校入学時はコロナ1年目で“青空入学式(校庭で開催)”だったのを思い出します。私は最近、おさんぽコース上に1本の“おともだちになりたい木”を見つけました。1年かけて交流していきたいと思っているところです。

構成として、

①娘作「干支の絵」
②コラム
③近況
+宛名面に一人ひとりに向けての手書きメッセージ、宛名も手書き

となっています。

ライターとして「書くこと、表現すること、伝えること」を仕事にしているので、メッセージ性のある内容にしたいと、「②コラム」の部分に、特に心を注いでいます。そのため、レイアウトには時間がかからないように、2017年から同じレイアウトに固定しました。
毎年11月くらいから、今年はどんなメッセージを書こうかと悩み始めます。

ぱっとは思い浮かびませんから、悶々と悩み考え続ける日々が続きます。どんどん年末が迫ってきますから、だんだん焦りも出てきます。なかなかしんどさを伴うのですが、ぼんやりとでも「今年はこうだったな」「こんなことを感じたな」「あんなこともあったな」「こうなったらいいな」と考えるうち、「そうだ!こういうことを大事にしていきたいんだ」と気づけること、見えてくるものがあるんです。

コラムを書くと決めていなければ、そのまま流してしまっていることがたくさんあったかもしれません。そう思うと、この「②コラム」について悩み考える時間は、しんどくても大事な時間だなと改めて思います。

今年は、自分の中にある「まわりの方々への感謝の気持ち」に、光を当てることができました。

その時々に「ありがとうございます」「助かります」「嬉しいです」と伝えているものの、「感謝の気持ちを改めてちゃんと伝える」ということも大事なのではないかなと思ったんです。

日々、相手の言葉や行動に救われることがあります。
相手にとっては何気ない、当たり前のことかもしれないけれど、相手の“どんな”言葉や行動によって、“どう”嬉しかったのか、心が救われたのか、助かったのかという、“どんな” “どう”という部分まで、自分の言葉でちゃんと伝えることで、日々に流されてしまうものを掬い上げ、光を当てることができるんじゃないかなと思ったんです。

伝えるこちら側にとっては感謝の気持ちを今一度持つことにつながり、相手にとっては前向きな何か、生きる何かにつながることもあるのではないか、そうなったらいいなとも。そういう輪がつながっていったら素敵かもしれないなど、いろいろ考えていました。

「感謝の気持ちを改めてちゃんと伝える」機会になるのが、年賀状であり、誕生日であり、そういった節目なのではないでしょうか。

そういった節目はもちろん、今年は何気ない日常のお手紙の中でも伝えていけたらいいなと思いました。誰しもいつ何が起こるかはわからないということを、時代的にも年齢的にも、より身近に感じるようになったので、余計にそう思ったのかもしれません。

ドラマチックなことより、日々の中に埋もれてしまうような、小さなことに光を当てていきたいと思います。「元気にしてる?」とふと声をかけてくれたことで心が救われたとか、笑顔と「大丈夫、大丈夫」という一言でほっとできたとか、こうしてやりとりできていることだけで嬉しいとか。

年賀状を書きながら受け取りながら、今年はそんなことを感じ思い考えていました。
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レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
小森 利絵
フリーライター
お手紙イベント『おてがみぃと』主宰

編集プロダクションや広告代理店などで、編集・ライティングの経験を積む。現在はフリーライターとして、人物インタビューをメインに活動。読者のココロに届く原稿作成、取材相手にとってもご自身を見つめ直す機会になるようなインタビューを心がけている。
HP:『えんを描く』
 
『おてがみぃと』
『関西ウーマン』とのコラボ企画で、一緒にお手紙を書く会『おてがみぃと』を2ヵ月に1度開催しています。開催告知は『関西ウーマン』をはじめ、Facebookページで行なっています。『おてがみぃと』FBページ

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