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バックスター ルミ バイリンガルライフコーチ RumiBaxter 私たちが「生きる」中で、たくさんの選択をしています。 その選択は、意識したものから無意識に選んでいるもの、とるに足らない小さな選択から人生の岐路に立たされた大きな選択まで、その種類も様々。「丁寧に生きる選択」というライフスタイルは、未来へのキーワードでもあります。 |
ヤンテの掟 |
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歴史を揺るがす様な衝撃的な事件が続く中、皆様いかがお過ごしでしょうか。
正直、平穏な心境でなくお過ごしの方々も多いかもしれません。 最低限のモラルの一つである、「人を一方的に傷つけてはいけない」ということが、いとも簡単に破られたのですから動揺を感じるのも当然なことではないでしょうか。 他国での暴力的行為が解決策を見出さないまま、このような惨事が身近で起こり、日本という国の安全神話はこの先どこへいくのでしょうか。 ヨーロッパでの数ヶ月に及ぶ破壊的な戦争の最中ですら、今までは、日本の安全を疑うことはなかったかもしれません。 理解に苦しむ暴力的行為が、世界で起こっていること、そしてここ日本、関西で起きたということは非常に遺憾なことで、驚きをかくせません。 そんな中、最近、スエーデン人の若き友人と北欧の国々の基本的マインドセットとなる考え方について話をする機会がありました。デンマーク語でJanteloven、ヤンテの掟、と言われるものをご存じですか。 自分がひとかどの人物であると思ってはいけない 自分が他人と同等であると思ってはいけない 自分が他人より賢明と思ってはいけない 自分が他人より優れているという想像を起こしてはいけない 自分が他人より多くを知っていると思ってはいけない 自分が他人を超える者であると思ってはいけない 自分が何事かをなすに値すると思ってはいけない 他人を笑ってはいけない 誰かが自分のことを顧みてくれると思ってはいけない 他人に何かを教えることができると思ってはいけない (日本語版ウィキペディアより引用、項目名: ヤンテの掟) 作家のアクセル サンデムーセが1933年に書いた小説の中で登場する架空の街、ヤンテ。そこに住む住人との間には守るべき10のルールがあり、そのルールが、ヤンテの掟、ヤンテルベンです。 ヤンテルベンは「架空の街の架空の法則」ではなく、友人いわく、現代の北欧の国々の考え方の基礎になっていて、「自分は他人より優れていて、より価値があると思い込んではいけない」というその考え方こそ、北欧のほとんどの人が無意識のうちに守っているマインドセットのような気がすると教えてくれました。 世界で常に幸せ指数で上位に上がる北欧の国々ですら、例外なく、思想の分断化はありますし、残念ながら暴力によって相手を傷つけるニュースは後を絶ちません。 最近の暴力による被害は、多くの場合、孤独の中で生み出される妄想から始まり、その妄想が度を超したときに犯罪的暴力と結びつく場合が多いのではないでしょうか。 もちろん理想化することなしにこのヤンテルベン、そして北欧の社会を考えてみる必要はあるでしょうが、「ヤンテルベンの原則は、自分が思っているほど、自分が、ましてや自分だけが重要なのではない。だからこそ他者には敬意をもって接しなければならない」と友人は言います。 自分が思っているほど自分だけが重要なのではないという事は、自意識が過剰でない自己、とも呼ぶことができると思います。 そんな北欧のメンタリティでは、たとえ自分が苦労に直面していた時でも他者に向かって声を上げやすく、その結果、すべてを内に秘めて危険な妄想に走ることが少ないのでは、とも友人は教えてくれました。 30年ほど前に初めてスエーデンとデンマークを訪れ、そこでの解放感とともに謙虚さ、質実剛健さを感じ、私にとって常に憧れの的である北欧ですが、またあらためてその平等性の美徳を友人から教えてもらったような気がします。 分断を避け、互いの妄想に走る事を避けるためにも、何より平等な対話を持つ努力をして、信頼の元に成り立つ社会が理想だけに終わらない事を願うばかりです。 |
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バックスター ルミ
バイリンガルライフコーチ 心理カウンセラーのバックグラウンドをいかし、英会話講師として「コミニケーションレッスン」を展開中。 半生を英国、ヨーロッパのライフスタイルに関わってきたことから、それらの経験をもとに独自のレッスンを提供している。「五感+plus」を使ってコミュニケーション能力を磨くレッスンは、本格的英国サロンで行われている。 RumiBaxter BROG:http://ameblo.jp/rumi-b/ |
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