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A Dark Dark Tale by Ruth Brown

ハロウィーンの読み聞かせにもぴったり

A Dark, Dark Tale
by Ruth Brown
むかしむかし あるところに、くらーい くらい あれちがありました。
Once upon a time there was a dark, dark moor.
On the moor there was a dark, dark wood.
In the wood there was a dark, dark house…
くらいあれちの中には、霧のかかったもりが、もりの中には、くらーい くらい 古びて人気のないやかたがたっています。

イラストは、アクリル絵の具で丁寧に描かれていて、見るからに怖い…

よく見ると、表紙の黒猫がページのどこかにいて、読者は黒猫を追いかけて、やかたに入っていくことになります。

ステンドグラスがあり、彫像の飾られたお屋敷は、昔は豪華であったようですが、今は蜘蛛の巣だらけ。

階段を登って、廊下を抜けると、異国調のカーテンの向こうに戸棚があって…

最後にくすっと笑えるオチがある絵本です。

イラストは真に迫っていて、やかたの石の壁のひび割れや、カビでしみになっている様子もリアルです。

おもちゃの表情がうつろだったり、戸棚の表面の木目に、恐ろしい顔がいくつも浮かんで見えたり。

田舎のおばあちゃんの家に泊まったとき、暗闇の中で、天井やカーテンに、いろいろなものが見えるような気がしたのを、思い出しました。

1981年に出版された絵本ですが、長く読み継がれています。この怖がらせるイラストと、ラストのギャップが、大人も子どもも楽しめるのだと思います。

日本語版は残念ながら絶版のようですが、簡単な繰り返しのリズムの良いテキストなので、初心者でも英語で楽しめると思います。

どんどん引き込まれていくお話で、ハロウィーンの読み聞かせにもぴったりではないでしょうか。

森の中には、いろんな動物が潜んでいたり、やかたの中も、よく見るといろんな仕掛けがあって、イラストをじっくり眺めても楽しめます。
A Dark, Dark Tale
by Ruth Brown
Publisher:Andersen Press
profile
谷津 いくこ
絵本専門士

絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。
StoryPlace
HP:http://www.storyplace.jp
Facebook:https://www.facebook.com/storyplacejp/

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