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まほうの木 by Andrey Usachev, illustrated by Igor Oleynikov

ファンタジックでユーモラスなSF物語

まほうの木
by Andrey Usachev, illustrated by Igor Oleynikov
ロシア語の絵本なので、タイトルを日本語で書きました。

ロシア語はわかりませんが、イラストに惹かれて選んだもの。

イーゴリ・オレイニコフは、2018年国際アンデルセン賞・画家賞を受賞しています。

去年のボローニャ国際絵本原画展のカタログの表紙が彼の作品で、原画も展示されていて、一目惚れしました。

今年の2月に大阪府立中央図書館であった世界の子どもの本展では、実際にオレイニコフの絵本を手にとって見ることができました。

お話は分かりませんでしたが、ファンタジックな雰囲気や、柔らかく幻想的な描写が、他には無いユニークなもので、素晴らしかったです。

ロシアの絵本はあまり販売されておらず、先日偶然見つけたオンライン・ショップでやっと入手することができました。


表紙では、着飾ったペンギンがとても可愛らしく、木の上に船が乗っていて、枝からは時計が吊り下がっています。

どんなお話なのだろうとワクワクしませんか?

携帯アプリで自動翻訳しながら読みました。日本語より英語にする方が精度が良いようでした。


実はこれはSFです。最初のページは、宇宙のイラスト。天の川の端っこにある惑星O(オー)のお話です。

惑星Oは、発見した天文学者が Oh Oh Oh!と叫んだから、そう呼ばれているのかもしれないし、形がOに似ているからかもしれません。

惑星Oでは、魚が空を飛び、花が歌い、木に本がなります。そして住民たちは、皆どうやって夢みるかを知っています。

地球でもみんな夢をみますが、普通は、お金持ちになる方法や、携帯をプレゼントされることや、新しい洗濯機を手に入れることなどです。

惑星Oのみんなの夢は、地球のものとはぜんぜん違います。

そして素晴らしいことに、まほうの木がどんな夢でも叶えてくれます。小さなもの、大きなもの、そしてばかばかしいものまですべて。


17のお話は、ユーモラスで、ほんわかしていて、幻想的です。願い事には制限がありませんが、誰も世界征服を願ったりしません。

食べすぎて身動きができなくなるアザラシは出てきますが。

さて、ペンギンたちは何をお願いしたでしょう。もちろん飛ぶこと、なのですが、悩みすぎておかしな事になってしまいます。


本を購入した時は知らなかったのですが、来月には翻訳版が発売されるようです。

ロシア語の文字の形も素敵なのですが、全部の意味は分からなかったので、読んでみたいなあ。

著者のアンドレイ・ウサチョフは詩人でもあり、絵本には楽しい詩もあちこちに登場します。どんな風に訳されるのか楽しみです。
まほうの木
by Andrey Usachev, illustrated by Igor Oleynikov
Publisher: Delfin
profile
谷津 いくこ
絵本専門士

絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。
StoryPlace
HP:http://www.storyplace.jp
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