2週間で人生を取り戻す!
勝間式 汚部屋脱出プログラム
勝間和代(著)
出版社:文藝春秋(2016)【内容情報】(「BOOK」データベースより)無理なくモノを捨て、一生リバウンドしない仕組みの作り方。やせた!収入up!恋人get!幸せ度2割増し!(出典:楽天) |
経済評論家の勝間和代さん。
チーム形式のクイズ番組では
必ず「インテリ軍団」の一員として出演されています。
早稲田大学ファイナンスMBA、慶応大学商学部卒業。
当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得、
大学在学時から監査法人に勤務しておられたというのですから、
文句のつけようがないインテリです。
しかし、クイズ番組で拝見していると、
あまりにも勝気そうな表情と、発言に、
「この雰囲気についていかれへんワ…」
と引いてしまうことが多かったです。
ところが、数日前、新聞を読んでいて、
新刊広告欄に目が留まりました。
『勝間式 汚部屋脱出プログラム』
勝間式?
新聞のモノクロ広告欄をさらにしげしげと見ると、
そこにはにこやかに笑う勝間和代さんの姿が。
あのパキパキ、シャキシャキの勝間さんと汚部屋?
なんだか、イメージがつながらない。
物なんか何にもない、
モノトーンの無機質な家に住んでいそうなのに。
もしかしたら、経済評論家だけではなく、
収納アドバイザーなどの資格も持っておられて、
一般家庭に赴き、指導していらっしゃったとか?
こうなったら実物を手にとって読むほうが早い。
新聞をたたんで、本屋さんへGO!
読んですぐわかりました。
勝間さんがどなたかを指導したレポート本ではなく、
ご自身が汚部屋から脱出したことをもとに書かれた本であることが。
へー!!意外だわ。
ご本人によると、あちらこちらに物が散乱し、
いつも物を探すような状態だったとか。
そういう人にありがちな、
いま使いたい物が見つからないので新しく買って、
またそれが物の山に埋もれて見つけられなくなり、
次にも新しい物を買う…
といった負の連鎖を何度も経験したことがあるそうな。
そんな家に人を招くなんてとんでもないし、
宅配便業者さんから物を受け取るときでさえ、
家の中が見えないように、
ドアをできる限り開けずに受け取っていたという。
ああ、いつもインテリ軍団で、
目尻をキリキリあげている勝間さんが、
家の中が見えないように体で隠しながら、
こそっと受け取りのハンコを押していたなんて!
それを連想すると、これまでの苦手意識が、
少し薄まるのでした。
そしてこの本の中のある単語が、
私の勝間さんへの苦手意識を一気に払拭しました。
それは「バッチ処理」。
第三章に「バッチ処理」の罠、という項目が登場します。
バッチ処理というのは、
普通の生活では口にしない言葉だと思います。
コンピュータ関連用語で、
データをまとめて処理することを言います。
バッチジョブ、なんていう言い方もあり。
その反対語はリアルタイム処理。
リアルタイムに処理する、
つまりは溜め込まずにすぐする、という意味です。
勝間さんはプログラミングをなさっていたことがあり、
こういう言い回しが自然と出てきたとのこと。
コンピュータではないけれど、
家をきれいにキープしていくには、バッチ処理はダメ。
断然リアルタイム処理がいい、というお話。
私も昔、プログラマー、システムエンジニアだったので、
この言葉はすとんと腹に落ちました。
そうか、なんでもリアルタイム処理したらいいのだ!
でも、これって世間に溢れるお片づけ本、
収納整理本に書かれていることと中身は一緒なんですよね。
郵便物の仕分けにしても、お掃除にしても、
あとでまとめてやったほうが効率的と思っても、
いざまとまった仕事(汚れ)を前にすると、
うんざりしてしまうだけ。
その場でできることはその場でやりましょう、ってことです。
でも私には”勝間式”表現のほうが、効果を感じます。
何につけ「あとでまとめてやっちゃおうか」と思う心に、
「バッチ処理はあかん!!リアルタイム!リアルタイム!!」と、
言い聞かせることができるようになりました。
勝間さんがすごいのは、
「あとでまとめてやったほうが効率的」だと、
ともすればバッチ処理してしまう心の奥を
さらけ出していること。
効率よく処理をする、というタテマエの裏には
今しなくてもいいよね、
あとでやればいいよね、
というダラダラした心が潜んでいるだけだと。
ひー!!バレている~!
すみません!!
そうやって汚部屋から脱出した勝間さん。
人生が変わり、
あんな良いこと、こんな良いことがあったそうなのですが、
最後に極め付けの爆弾発言がありました。
こんなこと、出版物に書いちゃって良いんでしょうか?!
そんなご利益があるのなら、
私も今日から勝間式やっちゃいます!
どんなご利益かはどうぞ読んでみてください。
しかし、大胆な人だなぁ。
いっそ惚れ惚れ。
勝間さんのイメージが変わりました。
もちろんプラス方向にね。
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池田 千波留
パーソナリティ・ライター
コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、
ナレーション、アナウンス、 そしてライターと、
さまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
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著書:パーソナリティ千波留の読書ダイアリー
ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。
だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。
「千波留の本棚」50冊を機に出版された千波留さんの本。
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