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藤田 由布
婦人科医 レディース&ARTクリニック サンタクルス ザ ウメダ

婦人科医が言いたいこと 医療・ヘルシーライフ 2022-09-15
自律神経失調症でお悩みではありませんか?

『最近疲れやすい、めまい・耳鳴り、肩こりや頭痛がひどい、動悸・息切れ・・・なんか最近すごくシンドイんです・・・‼』

40代、50代、60代の方々でこのような悩みを抱えて婦人科を訪れる女性が増えてます。

内科を受診しても「問題ありません」と言われたけど、やはり身体の不調が治らない。

大腸カメラでも異常ないと言われた、神経内科や耳鼻科でも問題ない、気のせいだと言われた・・・

確かに色んな検査をしてもらっても全部「異常なし」。加齢のせいじゃない?と言われて終了・・・

このような経験したことあるのではないでしょうか。
自律神経失調症とは
自律神経とは、自分の意思ではコントロールできない神経のことで、例えば、自分の身体の体温調節をしたり、心臓や胃腸を動かしたり、呼吸の調節をしたり、体のあちこちを動かす神経のことです。

自律神経には、活動する神経とされる「交感神経」と、休む神経とされる「副交感神経」の2つがあります。

この2つの神経が、体の変化に応じて上手にバランスをとりながら切り替えしながら調節しています。

しかし、環境の変化や生活習慣の乱れや、ストレスや疲労によって自律神経のバランスが崩れてしまうことがあります。

女性では、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な変化が起こる「更年期」の時に自律神経が“失調”し、様々な不定愁訴が現れてしまうのです。
不定愁訴とは
不定愁訴と書いて、「ふていしゅうそ」と言います。原因がはっきり分からないけど、なんとなく体調が悪いことを言います。

病院(特に内科)で色々と検査しても特に異常はなく、不調の原因が明らかにならないので、そのまま診察が終わってしまうのです。
不定愁訴のいろいろ
不定愁訴は、1つの症状だけでなく、複数で出現して不調となることがよくあります。そして大事なことは、その症状の裏に重要な疾患が隠れている場合があるので、決して自分で判断せずに適切なクリニック(診療所)などを受診してください。
生活習慣をちょっと見直してみましょう
睡眠はしっかりとる

起きる時間、寝る時間を一定にして、早寝・早起きをしてみませんか。十分な睡眠時間を確保することは心身の健康の基本です。
バランス良い食事、適度な運動

分かっちゃいるけど、これが一番難しいですよね笑。外食でも、できるだけ食事時間を毎日一定にして、暴飲暴食を避け、栄養バランスに心がけてみるだけでもいいです。そして、階段登り降りだけでもいいので、毎日のちょっとした運動で基礎体力をつけるようにしてみましょう。
気分転換をぜひ!

息抜き大事です。意識的に休養は定期的にちゃんと取って、気分転換の時間を確保することを意識してみてください。1日のリズムができたら、今度は1週間のリズムをつくってみましょう。ストレス発散方法は人それぞれです。自分の心と体が喜ぶことを試してみてくださいね。
それぞれの治療法
それぞれの症状に対する治療法の例を示しますが、もちろん、これだけではありません。主治医の先生としっかり相談してみてくださいね。
ご参考までに、自己チェックリストをお試しください
A) 身体症状チェック
1)疲れのために身体がぐったりしたり、なかなか疲れがとれない、ということがよくありますか?
2)胸が締め付けられたリ、息苦しくなることがありますか?
3)心臓がドキドキしたり、速く脈打って気になることがよくありますか?
4)あまり寒くないのに手足がひどく冷たくなったり、しびれや痛みを感じることがありますか?
5)食べると胃がムカムカしてもたれたり、食欲がなくなったりすることがよくありますか?
6)便秘と下痢を繰り返したり、腹が鳴る、腹が張るというような症状がよくありますか?
7)よく肩や首がこったり、そのために頭が痛かったり重かったりして、憂うつな気分になりますか?
8)緊張すると、手やわきの下に大量に汗をかいたり、体がカーッとなって汗をたくさんかくことがありますか?
9)耳鳴りがしたり、立ちくらみ、めまい、のぼせをよく経験しますか?
10)皮膚に発疹が出やすかったり、すぐに赤く、かゆくなることがありますか?
B) 毎日の気分チェック
1)家庭、職場、学校など、日常の生活場面で、いつもきにかかる未解決の問題をかかえていますか?
2)自分の明日の生活、将来の生活にあせりや不安があり、いつも精神的に不安定な状態にありますか?
3)仕事・家事・対人関係などで、いつも精一杯のことをやろうとして、疲労困ぱいしてしまうことがありますか?
4)できるだけ他人からよく思われたいと思って、他人の評価や視線をいつも気にして行動していますか?
5)他人の意見や、テレビ、雑誌の記事などで気持ちが動かされやすく、影響を受けやすいほうですか?
6)いつも顔を合わせる人に対して気を許すことができず、心の交流が少ないですか?
7)家庭・職場・学校など生活空間の中に、どうしても自分を相容れない感情的に対立する人がいますか?
8)幼少期より病気がちで、身体的に自信がないため、いつも消極的ですか?
9)気分のよいときは頑張リすぎたりはしゃぎすぎたりしがちでも、調子が悪いときはやる気がなくなってしまいますか?
10)毎日の生活にいきいきとした感情がなくなり、どうして生きているのか、自分でもわからないことがありますか?
参考:国際医療福祉大学教授 山王病院心療内科部長 村上正人先生監修の資料
A「身体症状」とB「毎日の気分」、の2つの両方をチェックして、次のことを確認してみてください。

(1)A身体症状と、B毎日の気分のどちらか、また両方に3つ以上のチェックがついている。
(2)A身体症状が、頭と腹部などといった関連ない部分に症状が出現している。
(3)A身体症状が、少し体を休めたり気分転換をはかっても、なかなか改善しない。まただんだんと症状が日常化したり、悪化していく。

上記の1〜3のどれかにあてはまるときは「自律神経失調症」の可能性があります。 医師に相談してください。女性の方は婦人科を受診することもお勧めします。
profile
全国で展開する「婦人科漫談セミナー」は100回を超えました。生理痛は我慢しないでほしいこと、更年期障害は保険適応でいろんな安価な治療が存在すること、婦人科がん検診のこと、HPVワクチンのこと、婦人科のカーテンの向こう側のこと、女性の健康にとって大事なこと&役に立つことを中心にお伝えします。
藤田 由布
婦人科医

大学でメディア制作を学び、青年海外協力隊でアフリカのニジェールへ赴任。1997年からギニアワームという寄生虫感染症の活動でアフリカ未開の奥地などで約10年間活動。猿を肩に乗せて馬で通勤し、猿とはハウサ語で会話し、一夫多妻制のアフリカの文化で青春時代を過ごした。

飼っていた愛犬が狂犬病にかかり、仲良かったはずの飼っていた猿に最後はガブっと噛まれるフィナーレで日本に帰国し、アメリカ財団やJICA専門家などの仕事を経て、37歳でようやくヨーロッパで医師となり、日本でも医師免許を取得し、ようやく日本定住。日本人で一番ハウサ語を操ることができますが、日本でハウサ語が役に立ったことはまだ一度もない。

女性が安心してかかれる婦人科を常に意識して女性の健康を守りたい、単純に本気で強く思っています。

⇒藤田由布さんのインタビュー記事はこちら
FB:https://www.facebook.com/fujitayu
レディース&ARTクリニック サンタクルス ザ ウメダ 副院長
〒530-0013 大阪府大阪市北区茶屋町8-26 NU茶屋町プラス3F
TEL:06-6374-1188(代表)
https://umeda.santacruz.or.jp/

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